「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第14節・名古屋vs町田/名古屋・風間八宏監督、玉田圭司選手、杉本竜士選手、町田・相馬直樹監督コメント(3,132文字)

■明治安田生命J2リーグ第12節・5月17日(水)19:00キックオフ
パロマ瑞穂スタジアム/7,708人
名古屋グランパス 2-1 FC町田ゼルビア
【得点者】名古屋/10分 玉田圭司、90+2分 シモビッチ 町田/76分 谷澤達也

 

■風間 八宏監督(名古屋)
ーーまずは試合の総評をお願いいたします。
「1試合1試合を戦う中で、結果が出ない試合もありますが、選手たちはどんどん自分たちの新しいことを作りながら進歩している部分が試合の入りから見られました。今日の試合に関して、選手たちは素晴らしい戦いをしてくれたと思います。ただこういう勝負は2点目が早く入っていればもっと楽な展開になったと思いますし、チャンスを決め切れないと苦しくなるということも学んだと思います。そして進歩をしていく過程で、自分たちが最後に点を取ったということはチームの成長を証明するようなゲームだったのかなと思います」

ーー前節の大分戦に比べて、相手に対しての寄せが早くなっていたと思いますが、それは指示でしょうか?
「やれるはずのこと、それからまだやれていないこと。もしくはこれから身に付けないといけないこと。そういったことをハッキリと分けてやらないといけません。やれていることに関しては、継続しないといけません。攻守両面で甘くなったことは修正しないといけませんし、まだ身に付いていない技術はトレーニングをしている最中です。ただこれまでトレーニングを積んでいることが試合で出てきています。できていないことを身に付けられるように進歩している最中です」

ーーアディショナルタイムに得点を挙げられた要因はどこにあるのでしょうか? また決勝点を奪ったシモビッチ選手の評価はいかがですか?
「(シモビッチは)今日は1点では足りないですよね。(アディショナルタイムの決勝点を奪えた理由は)一つはやり続けることができたと。確かに1失点はしましたが、その後にもう一度自分たちはまったく変わらずにプレーをし続けることができました。前半で敵がどういうふうに来るかということをしっかりと分かった上で、どう攻めていったら良いのか、攻め続けたことで最後にあのような得点が生まれたと思います」

ーー杉森(孝起)選手が良い動きをしていたと思いますが、どのように見ていますか?
「いつも言っているとおり、彼はトレーニングでものすごく積極的です。すごく良いですし、すべての選手に言えることでもありますが、(杉森は)若い選手ですから、どんどんいろいろなものを身に付けてくれれば良いと思っています。

ただ、その中で彼が良いときと悪いときは、力み過ぎるとき、力みがないとき、それによって差が出るということ。でも彼のような選手たちは、使うことでどんどん変化していきます。それから一番評価できることは、どういう状況でもトレーニングの中で落ちないこと。どん欲ですし、そういう意味では彼のことを期待して出しましたが、今日はそのとおりの活躍をしてくれたと思います」

ーー今日は力みがない状態でプレーできていたということですか?
「力まなくても足がつってしまうと困るので(笑)、足がつるところがまだまだだなと思いますが。
ただ、若い選手はどんどん自信を持ってやってくれれば良いと思いますし、実際ウチのチームの中でも、かなり若い選手が自信を持ってやり始めていますので、そういう意味ではその中の一人だと思います」

ーー今日は最終ラインの裏への意識やサイドを変えていくボールなどが見られましたが、選手たちが判断してプレーしていたのでしょうか?
「言ってはいましたが、自分たちが狭い中でもだいぶボールが動くようになっています。ただ前半はまだまだ最終ラインを見ながらゲームを運ぶことができていなかったので、後半は相手の最終ラインがどんな位置にいるのか、それから相手が何を嫌なのか。そういうことを自分たちがボールを持ちながら見付けなさいと話していましたが、後半に関しては選手たちがすごく良くやったと思います」

 

■MF 28 玉田 圭司(名古屋)
「自信を持って大胆にプレーしよう」と伝えた
「チームとしてなかなか先制点を取れていなかったので、先制点を取れたことは良かったですが、その後の試合展開を考えて戦わないと、追い付かれてしまいますし、劇的な勝ち方はできましたが、もう少し楽に勝てたとは思います。試合が始まってから苦しい展開にはなりましたが、点を入れてから状況が変わることもありますから、点を取ることでその状況を変えられたと思います。半分は(杉森)孝起のゴールと言っていいかもしれません。

ただ1勝をしただけですし、連戦は続くので次の準備をしたいと思います。監督からは『もっと本気になれ』と言われましたし、若い選手も多いので、やはり勝てないと勝てないことを意識し過ぎてしまう場合があります。僕からは『自信を持って大胆にプレーしよう』とは言いました。連勝ができるように良い準備をしたいと思います」

 

■FW 25 杉本 竜士(名古屋)
僕に課せられた仕事をやるだけ
「途中出場でも先発出場でも、僕に課せられた仕事をやるだけです。出たときは期待してください。フル出場のことを意識しているわけではなく、出たときに活躍できるか。それを意識しているだけです。(決勝点につなげた)あのドリブルは良かったのですが、欲を言えばその前に左足でのシュートを決めたかったです。クロスを上げるときにどこにマークがいて、どこの選手がフリーかハッキリとは把握していませんでしたが、蹴る前には確認していました。クロスを上げる前にも何回かドリブルでしかける形を作れましたからね」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総評をお願いいたします。
「平日のナイターにもかかわらず、遠い町田からわれわれのサポートのために、たくさんの方々に来ていただきました。一緒に勝利を喜びたかったのですが、最後は悔しい形になったことは残念ですが、最後まで粘りを見せた戦いをできたことは、みなさまのサポートがあったからこそだと思っています。試合はまだ続くので、今後ともよろしくお願いします。

試合のほうは恐らく名古屋さんのファーストチャンス、ファーストアタックに近い形からきれいにゴールを決められてしまいました。また映像を確認しないと何とも言えませんが、その失点をしたあとに、最終ラインが全体的に下がってしまったことでリズムを失い、われわれのコンパクトさを保てなくなったと感じています。それによって、ボールの収まるポイントに対して制限をかけることが難しくなりましたし、そういったことが今日のゲームを難しくしてしまった原因だと思っています。

後半はボールの出どころを少し制限することができた中で、次第に守備でも攻撃でも自分たちの時間を作り出せるようになったのですが、最後は力負けをしてしまいました。苦しい時間帯が多い中でも選手たちは頑張ってくれたと思いますし、難しい前半を過ごした中でも、後半に追い付くような粘りのあるファイトをしてくれました。そのことに感謝をしたいと思います。ただすぐにゲームも控えていますし、気持ちを切り替えて、次のホームゲームに向けて準備をしたいと思います」

ーーさまざまな選択肢がある中で、吉濱選手を先発で起用した狙いを聞かせてください。
「前節の松本戦もそうでしたが、攻めに出たときに速い攻撃でフィニッシュまで行き切らない部分がありましたので、吉濱の持っている技術とアイディアを使いたいという意図はありました。ただ形になりそうな場面でも、結果的に前半は良い形でフィニッシュには持っていけなかったのですが、そういった狙いはありました」

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ