「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第15節・町田vs大分/町田・相馬直樹監督、大分・片野坂知宏監督、黒木恭平選手、林容平選手コメント(4,004文字)

■明治安田生命J2リーグ第15節・5月21日(日)16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,528人
FC町田ゼルビア 2-2 大分トリニータ
【得点者】町田/25分 大谷尚輝、47分 戸島章 大分/19分 黒木恭平、68分 伊佐耕平

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「非常に気候が暑くなってきた中で、たくさんの方々に集まっていただきました。まずはありがとうございましたとお伝えさせてください。久しぶりにホームに戻ってきて、勝ち点3を目指して戦ってきましたが、勝ち点1を獲得することになりました。最後、勝ち点1を取れた要因はみなさんのエネルギーが大きかったと思っています。

非常に苦しい戦いになりました。その中で勝ち点1を取れたことは大きいと思っています。相手のリズムが長い中、自分たちの思うようにいかない時間帯が多い中でも、よく耐えながら一度はリードを奪うなど、選手たちは本当によく戦ってくれたと思っています。自分たちのリズムかどうかは別にして、勝てそうで勝てない試合や、前節の名古屋戦のようにドローになりそうでドローにならない試合、そういった結果をもったいないと思っていますが、それは選手たちと一緒に乗り越えていかないといけないのかなと感じています。

今日は連戦の最後の試合となりましたが、今月は3連戦を戦って、1週間間隔が空き、さらに中3日の3連戦があるスケジュールの中で、出場停止もあり、組み合わせも代わる中、戦ってくれた選手たちに感謝したいと思います。また連敗をせずに勝ち点1を取れたことにも選手たちに感謝したいと思います」

ーー二人の出場停止選手が出る中で、金聖基選手と星野選手が代わりに出場した最終ラインの出来をどのように見ましたか?
「出場停止の選手の代わりに、金聖基選手と星野選手に出てもらいましたが、立ち上がりから大分さんが予想以上に長いボールを使ってこられた中で、正直ラインが下がってしまった部分はありました。また、ラインを上げようと高い位置をキープする選手もいるなど、バラバラになっていた部分もありました。

悟は昨季の最終節に短い時間出場しましたが、実質的に公式戦の出場は久しぶりでした。トレーニングマッチはやっていますが、公式戦はいろいろな緊張感がある中で、次第に自分たちで折り合いを付けながら、やってくれた部分はあったんじゃないかと思っています。

先ほども話しましたとおり、向こうのリズムでゲームが進む中で、ブロックを組んだ中でも勇気を持ってしかけるディフェンスをできれば、もう少し相手のプレーを制限できたのかもしれません。相手の勢いを招いてしまった部分はあったと思いますが、一番最後の局面は体を張りながら、よく防いでくれたと思います。今日の試合によって今後につながる部分もありますし、次節に関してもどうなるかは分かりませんから、次のチャンスがあったときにまた良いものを見せてくれるんじゃないかなと思っています」

ーー戸高選手が3シーズンぶりの出場となりました。何を期待して途中から起用したのか。また復帰までの間、戸高選手のことをどのように見ていましたか?
「一緒にチームに関わって見てくれている方にとっては、復帰まで非常に長い期間がかかったと思います。われわれコーチングスタッフも彼が本当にピッチに立てるのか、と思った時期もありました。2014年の10月ぐらいのパフォーマンスからすればできていたものができないといった思いが彼の中にあるかもしれませんが、今日もボールを奪うところから始まり、ボールを収めてしかけて、フィニッシュまで持ち込めたことは彼の良さを存分に出してくれたと思います。

オープンの展開になっていたので、戸高は運動量は持っていますし、われわれも相手も疲れている中で、ドリブルでしかけられる選手は嫌だろうと思っていました。実際にそういう展開にもなったと思います。最後のフィニッシュの場面がゴールになれば、もっと出場時間が増えてくれば、と思っています。まずは『復帰おめでとう』という一言に尽きるかなと思います」

 

■片野坂 知宏監督(大分)
ーーまずは試合の総括をお願いします
「負けなくて良かった。連敗しなくて良かった。われわれとしてはそういう思いではありません。どちらかというと今日のゲームはやはり勝たなければいけない試合、勝ち点3を取り切らなければいけない試合だったと思います。本当に勝てなかったことが残念で悔しいです。

ただ、選手たちは90分間、最後まで自分が持っているものをしっかりと出してくれたと思いますし、最後まで切らさずにやってくれたこと、これは本当に次につながると思います。また今後の試合につなげていかなければいけないと思います。

ゲームのほうは、町田さんのやり方に対して、しっかりとわれわれは狙いを持って戦う中で、チャンスもあったのですが、本当に最後の部分、判断と質の部分でなかなか得点まで持ち込めずに、逆にこういうセットプレーでリードされて苦しい展開になりました。本当に一つひとつの細かい部分で勝敗が決まる、これがやはりこのJ2リーグの怖さだと思います。

ただ、本当に選手たちは最後までよくやってくれて、勝ち点1を取ることができたのは、悔しいのですが、アウェイなので良しとしなければいけないのかなと思います。ただ本当に悔しいです。そして、今日もたくさんのトリニータのファン、サポーターの方々が最後まで、熱い声援を送ってくださり、そういった方々に勝利をなかなかプレゼントできなくて、申し訳なく思っていますが、本当にありがたいです。次はホームで皆さんに喜んでもらえるようにしっかりと準備をして、コンディションを整えて、良いゲームをしたいと思います」

ーー今日の試合はサイドチェンジを多用する狙いを持った戦い方をしていましたが、林(容平)選手に代えて伊佐(耕平)選手を入れてから戦術を変更したのでしょうか?
「いえ、変更はしていません。ポジションも変えずに、メンバーを林から伊佐に代えただけです」

ーー伊佐選手が入ったあとはロングボールが多くなった印象なのですが、指示は出しましたか?
「選手たちは伊佐の特徴を知っているので、伊佐の状況を見ながらプレーしてくれたんじゃないか。伊佐をターゲットにすることや、伊佐のスピードを生かす攻撃も状況によっては考えていました」

ーークイックリスタートをかなり意識しているようにも見えました。
「相手が整う前に速くやったほうが良いかなと。時と場合によると思うので、そこは選手の判断に任せています。もったいないという場面もありましたが、相手の隙を突くことは大事だと思います。選手の判断でやっていると思います」

ーー2失点目を喫したあとに伊佐選手を早めの段階で投入しましたが、その意図と入ったあとの評価は?
「スタートも林か伊佐にするか悩みました。横からの攻撃が恐らく町田さんに対しては有効になると、林のサイドからのクロスの入りなど、ゴール前の部分で彼に期待をしていました。それで林を最初にチョイスしました。

試合展開によって、伊佐を起用して攻撃に迫力を持って戦おうという考えもありました。連戦による伊佐の疲労もありましたし、町田さんも疲れてきている中で、伊佐のような前にガンガン来るタイプの選手は嫌がるのかなと思っていました。伊佐自身も彼の特徴を発揮してくれたと思いますが、ゴール前でシュートを打ってくれましたが、いかんせん入らないので、それがわれわれの現時点での実力なのかなと。まだまだ積み上げていかないといけないことがあって、もっともっとこういう試合で得点できる強さを持たないといけないと思いました」

 

■MF 3 黒木 恭平(大分)
感触も弾道も良かった
「(ゴールシーンについて)相手選手の背が高かったので、速いボールでセンタリングを入れようと狙っていましたが、とっさにシュートでイケルなと思って打ちました。角度がなく、本当はニア上を狙ったのですが、感触も弾道も良く、うまい具合に入ってくれて良かったです。(久々の先発出場で)連戦なのでチャンスがあると思って準備していました。良い準備をしたいと思っていましたし、大分のためにという気持ちでピッチに入り、目に見える結果が出て良かったのですが、欲を言えば勝ちたかったです。ただ、アウェイで勝ち点を持って帰れることは、次節のホームの岡山戦にもつながると思います」

 

■FW 11 林 容平(大分)
町田はセットプレーが怖かった
「相手はラインが高いので、一つ目がオフサイドになっても止まらずに、あまりそういう場面はありませんでしたが、2列目やシャドーの選手が飛び出していこうという話はしていました。裏を取れる場面もあったし、相手がボールサイドに寄ることは分かっているので、サイドに揺さぶる展開を意識していました。CBの間に立ってボールを受けることは意識していましたし、サイドが空いていたのでクロスに入ることも考えていました。ただクロスも合えば良かったのですが、最後のクオリティーが足りなかったです。うまくクロスに入れた場面でクロスが来なかったり、自分が良い形で入れなかったりしていました。ただ全部が全部悪い形ではなかったです。

町田さんはセットプレーが怖かった。後半の最初は相手が前から来て、ちょっと不用意なボールロストが増えたかなと。個人としてはピッチに入ってから様子を見ながらプレーしていました。サイドがかなり空いていて、左右に揺さぶりながら戦えていたとは思います。個人としては落ち過ぎないことを監督からも言われていたので、それは意識していました。落ちてボールを受ける動きよりも、最終ラインと駆け引きをしてラインを下げる動きやフィニッシュの場面でシュートを打てるようなポジション取りも心がけていました」

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