「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第19節・長崎×町田/長崎・高木琢也監督、ミゲル・パジャルド選手、町田・相馬直樹監督コメント(2,975文字)

■明治安田生命J2リーグ第19節・6月17日(土)19:00キックオフ
トランスコスモススタジアム長崎/5,687人
V・ファーレン長崎 0-0 FC町田ゼルビア

 

■高木 琢也監督(長崎)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「非常に難しいゲームでしたが、なんとか勝ち点1を取ることができたゲームでした。数は少なかったですが、決定機を作ることができましたし、パジャ(ミゲル・パジャルド)に関しては、フルタイム90分プレーしたことは初めてでした。それでも非常にプラスの要素がありましたし、彼のパフォーマンスについても満足しています。ただこういう中盤でのコンタクトプレーが多い試合展開である上に、相手がロングボールを入れる展開から圧力をかけてきて、スペースを奪いに来るようなチームと対戦したときに、セカンドボールは重要な要素です。その中でパジャもその重要性を理解してやってくれました。チーム全体としても、ポイントを押さえながら戦ってくれたと思います。

相手のプレッシャーをはがせれば良かったのですが、なかなか自由にさせてくれなかったので、後半は途中で中盤を3枚にしました。その理由はセカンドボールへの対応が主たる理由で、相手のダブルボランチやサイドハーフに対しての対応をハッキリと明確にしたかったからです。変えたあとの内容が悪かったわけではないですし、ポジティブなものだったと思います。そのあとはどうしても背の高い選手がいなかったので、DFの田上をトップに使って、彼も短い時間でしたが、よくやってくれました。チーム全体としては相手に自由させない形を選手たちが作ってくれたと思っています。

難しいゲームでしたが、勝ち点を取れたことを考えれば、次の天皇杯に切り替えて、また次の週末のリーグ戦に向けての準備という意味では、いろいろな選手が戦えたことをポジティブに捉えたいです」

ーー先発で起用したミゲル・パジャルド選手についてと田上(大地)選手を前線で起用したことについて。
「パジャについては負傷もありましたので、なかなか使う機会はありませんでした。けが人もいる中で彼のプレーを見たいと思いましたので起用しました。思い切ってというと不安要素があるという捉え方になるかもしれませんが、そういうことではなくて、普段からプレーを見ているので、使ってみて彼の良さを見たかったですし、公式戦のチームの中での彼のプレーも見たかったので起用しました。

田上の起用法に関しては初めてではなく、何度か前線で使ったことがあります。彼もけがからの復帰戦でしたが、少しプレーをすることで足の状態や自分の状態も確認できたことは良かったと思います」

ーーあと一歩で勝ち点3に届くような試合だったと思いますが、勝ち点3に届かなかった理由をどのようにお考えですか?
「ミスもありましたし、高杉(亮太)の決定機もありました。なかなか決められませんが、次は決めてくれるのではないでしょうか。ただああいうチャンスをもっと作るべきでしたし、自分たちのプレーの中でチャンスを作っていかないといけないですが、今日に関しては作れなかったと思います。勝ち点1をプラスできることは今日の試合であれば仕方がないのかなと。

本来であれば、もう少しセカンドボールを取る中で攻撃の連動性や狙いを作れるのですが、前線の選手にボールを大事にしようとする意識が働いたのか、ボールをキープすることでそのぶん相手とのコンタクトプレーが増えました。外から見ている様子では、相手を意識し過ぎたことでボールを持ち過ぎてしまったと思います。コンタクトプレーが増えることで連動性を構築するなど、良い流れを作ることができませんでした。こういうチームに対してもやれるようにならないと、同じことの繰り返しになります。次のアウェイゲームは違った形で戦えるようにしたいと思います」

 

■MF 30 ミゲル パジャルド(長崎)
後半のほうがうまく戦えていた
「自分自身が試合に出場することも大事ですが、一番重要なことはチームが勝つことです。J1昇格に向けて、チーム一丸となって戦うことが重要です。それがチームの新たな歴史を作ることにつながっていくと思っています。この試合に向けて、100%の準備をしてきたことが相手に対応できた理由の一つではあると思います。ただ実際に試合に入ると、練習どおりにいかない部分もありますし、相手がロングボールを多用してきたこともあって、1対1のシチュエーションもあって難しかったのですが、後半の途中からシステムを変えたことでチームとしてのコンビネーションの良さも発揮できるようになりました。

前半はチームとしての連係が後半よりは良くなかったのかなと思います。ただ後半はコンビネーションやチームとしてのつながりも良くなってチャンスを作れました。前半で彼らの戦い方を理解できたことと、途中にシステムを変えたことで相手も対応が難しくなったと思います。後半は前半よりもうまく戦えていました」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは遠く長崎までわれわれをサポートするために多くの方々に来ていただきましてありがとうございました。 一緒に勝ち点3を持って帰りたかったのですが、残念ながら勝ち点1という結果になりました。 今日は非常にタフなゲームになった中で勝ち点1を得ることができたのは人数は少ないながらも、われわれにエネルギーをくれたサポーターのおかげだと思っております。

この時期の九州のほうは暑く、湿度も高い中で、選手たちはよく戦ってくれたと思います。暑い中の試合でしたので、体力の消耗も激しかったと思うのですが、その中で選手たちは我慢するところは我慢して、勝ち点3を取りに行ってくれました。結果は勝ち点1というで形で終わりましたが、本当に選手たちはよく戦ってくれたなと思っております。

ゲームの流れはセカンドボールを取ったほうがリズムをつかめる展開だったと思いますが、 その中で長崎さんがわれわれに対して狙いを持って戦ってきた前半ではありました。ただそういった展開の中でも、よくしのぎ、自分たちの縦に速いサッカーをしながらチャンスを作っていけたかなと思います。 最後にいくつかチャンスが生まれたのですが、一つ目を決め切っていかなければならないと思います。今日の試合の粘り強さを勝ち点3に変えていけるようにトレーニングや準備をしていきたいと思います」

ーー0-0で後半が推移する中で、交代のカードを切っても、ゴールが決まらない試合展開でした。仮の話で恐縮ですが、こういった形ならば点を取れるなと、どんなことをイメージしていたのか。実際にピッチを見る中でどんなことを思って見ていましたか?
「一つは前にポイントができるかどうかだと思っていました。その中で長崎さんも選手交代をして、前にポイントを作ってくることで、オープンな展開になりやすいなと思っておりました。長崎さんもシンプルに高いボールを入れてくる中で、前でポイントを作るという考えもありましたし、もう一つは両チームの陣形が間延びした中で 、カウンターをしかけるシチュエーションが出てくるかなと思いましたので、代わって入った選手たちにはそれを期待してピッチに送り出しました」

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