「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】【マッチレビュー】第41回日本クラブユース選手権(U-18)グループステージ第1戦・FC東京U-18戦/昨季王者に挑んだ“東京ダービー”。明日への希望をつなぐ2ゴール

▼終盤の反撃、明日への希望

ハーフタイムに竹中穣監督から守備の修正を受けた選手たちは後半、勇気を持ってボールを奪いに行く。前線の選手がプレッシャーをかければ、中盤や最終ラインの選手も連動したアクションを披露。劣勢の状況だが、下を向いている選手は一人もいない。だが、それでも相手は強力だ。試合内容は前半より上向いたが、決定的なシーンを作れない状況は変わらないまま時間が過ぎていくと、71分に中央から4失目を奪われてしまう。

残り時間が10分を切った中での決定的な失点。もうダメなのか――。そんな思いが頭をよぎるのが自然なことかもしれないが、ピッチの選手たちは必死に前を向こうと互いを励まし合っていた。そして、その姿勢がここから実を結ぶことになる。

後半アディショナルタイムの92分、右サイドからのクロスをMF梅本吉弥がゴール前で合わせようとしたところで、相手DFがたまらずファウルでつぶしてしまい町田ユースがPKを獲得。このPKを交代出場のMF金山竜己が左足で決めて1点を返す。湧き上がる選手たちとサポーター。さらにその1分後、今度は金山からのパスを受けた梅本がエリア外から豪快にシュートを決めてみせた。

そのゴールが決まったと同時に、主審からは試合終了のホイッスル。結果は2-4という敗戦で黒星スタートとなったが、最後に見せた意地の攻撃は見る者の胸を熱くさせたのと同時に、“明日への希望”となるものだ。サポーターからは「まだ終わってないよ!」という大きな声援が送られた。それは、その場にいた町田サイドの人間なら誰もが感じたことだろう。

終盤の反撃を今後に生かせるかどうか。大会2日目の京都サンガU-18戦は、生き残りを懸けた重要な一戦となる。

Photo&Text by 雨堤 俊佑(Shunsuke Amazutsumi/町田日和特派員)

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