「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「なんとか勝ちにしてあげたかった」+名古屋・風間八宏監督、ガブルエル・シャビエル、楢崎正剛、シモビッチ、宮原和也(4,715文字)【監督・選手コメント/名古屋グランパス戦】

■明治安田生命J2リーグ第28節・8月16日(水)19:00キックオフ
町田市立陸上競技場/6,007人
FC町田ゼルビア 3-4 名古屋グランパス
【得点者】町田/5分 平戸太貴、65分 井上裕大、72分 戸高弘貴 名古屋/24分 シモビッチ、39分 新井一耀、42分 青木亮太、90+3分 ガブリエル・シャビエル

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括からお願いいたします。
「今日は雨が降るという天候である上に、お盆休みの方もいらっしゃったと思いますが、ミッドウィークのナイトゲームにたくさんの方々に集まっていただきました。まずはありがとうございましたとお伝えさせていただきます。最後、一緒にホームで喜びたかったのですが、残念ながら見てのとおりの結果となってしまいました。もう少し僕に力があれば、最後に勝ちに持って行けたと思いますので、本当に申し訳ないと思っています。

ゲーム自体は、前半の立ち上がりからわれわれがチャレンジしながらアグレッシブに戦う中で、良い時間帯で最初に点を取ることができました。ただ、少しずつそのプレッシングにも名古屋さんが慣れてきて、少しこちらの足が止まってしまいました。そういう中で次第に相手が間で受けて、一番前のシモビッチ選手のポジションでポイントを作られる回数が増え始め、そういう中で1点目を取られてしまいました。

2点目、3点目も次第に押し込まれて相手にパワーが生まれてしまって、ファウルの場面は非常にもったいなかったのですが、FKの守備は修正が必要だと思います。そのような形でスコアをひっくり返されてしまいました。ただ、本当に選手たちが後半に2点差を追いかけるという中で、前からまた戦いに行ってくれたことについて、僕は監督として非常にうれしいですし、そういう姿を見せてくれたからこそ、なんとか勝ちにしてあげたかったと思います。

僕の力がどれくらいか分からないのですが、それが本当に正直なところです。あともう少しというところが、われわれにとっては必要なことだと思うのですが、まず今日、引くことなく戦ってくれた選手たちに感謝したいと思いますし、それを後押ししてくれたサポーターにも感謝したいと思います。

そこを勝ちにすることで、われわれがもう一段ステップを上れると思います。また連戦にはなるため、すぐに次のゲームが来ますが、また選手たちと目の前の相手に立ち向かっていく、自分たちからアクションを起こすということを続けられるようにしていきたいと思います。その中で勝ちを一緒に喜べるようにしたいと思います」

ーー最後のシーンで退場者の判定が違ったように見えましたが、監督はどのようにご覧になりましたか?
「CBの交代選手を用意していました。それは映像を見てもらえれば分かると思いますし、今日集まってくださった方々には非常にエキサイティングなゲームをお見せすることができたのではないかと思います。その中で、結果的に非常に後味が悪くなってしまったということが、正直に残念だと思います。本当にあれがレッドカードに値したかどうか分かりませんが、今日のピッチコンディションであれば、決して決定機ではないと思います。

ただ、それはレフェリーが判断することでこれ以上言っても変わりません。今日集まってくださった方々が、非常に良いものを見たと思ってもらえるというゲームだったと思うのですが、それが最後に勝った側にしても、われわれにしても、あの一つの場面でだいぶ印象が変わってしまったということを残念に思っています」

 

■風間 八宏監督(名古屋)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「疲れる試合でした。自分たちで変えてはいけないということをずっと言っているのですが、後半はまったく違うチームになってしまいました。ただ、これだけ良くないゲームでも、しっかりとこれだけの点が取れています。もちろん今日はシャビエル様(ガブルエル・シャビエル)のおかげですが(笑)、自分たちで多く得点が取れるということは、勝ちに近付けるということなので、もっともっとやり続けてほしいと思います。それから、サポーターがこれだけわれわれを本気で後押ししてくれていますので、そういう意味ではこの勝利はシャビエル様、プラス、サポーターということで完結したいと思います」

ーー1点目については、自陣からつないで、正確性もあり、パサーとゴールを決めた選手の目も揃って生まれたゴールだと思いますが、いかがでしょうか?
「展開的には一番早い形からスペースを二人で見つけて、パスを止めてからシュートを打つまでのロビン(シモビッチ)のタイミングが、GKにとっては合わせられないものでした。そういった意味では選手に言っていることがグラウンドで、試合で表現できた得点だったと思っています」

ーーシャビエル選手が加入してチームの攻撃、前への力が増しました。あらためて、彼の評価をお聞かせください。
「すごく周りも使えますし、ボールさばきだけではなく相手が見えています。そして守備に移ったときにもボールを奪えますし、本当に才能豊かな選手だなと思います。まだまだ若いですから、もっともっと伸びてくる選手だと思っています」

ーーチームに与えた変化という部分では、どう評価されているのでしょうか?
「もちろんほかの選手もそうですが、チームが動いている中で彼が入ってきてくれて、FKの質も上がりました。タメだけではなく(ほかの選手が)相手を外す動きをすれば、それを見逃さずにボールを出してくれる。それがチームの中での変化の一つです」

ーーシャビエル選手の4点目、あのような場面でFKをしっかりと決めるのは、技術だけではない勝負強さも感じられましたが?
「その『勝負強さ』というものがどういうものなのか分かりませんが、やはり彼は自信があるのだと思います。シュートがすごくうまいですし、もちろんFKもすべてですが、チームに来たときからすごく落ち着いて、冷静で、技術が正確なので、その技術の自信に裏付けされたものだと思います。

ーーここ3試合、得点が多い半面、失点の多さも気になりますが?
「みなさんが言いますが、試合ですから相手より1点でも多く決めれば良いわけです。1-0も4-3も同じです。先ほども言ったとおり自分たちでやり方を変えて失点をしていることが問題で、その部分はしっかり見ていきたいと思います」

 

■MF 44 ガブリエル シャビエル(名古屋)
勝利への強い思いは切れなかった
「先制点を取られてしまい、なんとか追い付いて3-1にしたのですが、残念なことにそこから2点を追い付かれてしまいましたね。試合終了間際、青木選手が相手のファウルにつながるプレーをしてくれたので、そのチャンスを決めることができて幸せです。今日の勝利はチームメート全員の勝利だと思っています。

(FKを蹴る前の時間が長かったですが、何を考えて集中していましたか?)FKを蹴るまでにだいぶ時間があったので、とにかく体が冷えないよう、たくさん動いて、集中力を保っていました。そういうことができたことでFKのゴールにつながったのかなと思います。

(前半の3つのアシストがありました)ゲームメークが自分の役割ですし、みんなのボールを引き出す動きが良かったので、それを生かせたと思います。それはゲームだけではなく、普段のトレーニングからしていることです。

(後半の入りが悪く、そこからの展開は疲れているように見えました。ご自身はどのようにプレーしようと考えていましたか?)前半と同じように自分たちのリズムでサッカーを続けようと考えていました。ただ相手はやはり追い付きたいという思いで前に前に来ると思ってはいましたが、自分たちが戻り切れず失点をしてしまいました。ただその後、自分たちも勝利への強い思いは切れなかったので、それを実現できて良かったと思います。

(FKの場面はどういうコースを狙っていたのですか? もう一度、同じようなしびれる場面で決める自信はありますか?)大事な場面ではいつも決めないといけません。4点目のFKは壁が近く、壁の高さがあったので、壁を越えないと決まらないと思っていました。あとは角に力強いボールを蹴らないと入らないと思っていました。そこを狙ってしっかりと打ちました。オブリガード、アミーゴス」

 

■GK 1 楢崎 正剛(名古屋)
悪いならば悪いなりに守ればいい。でもそういう強さはない
「後半は守ってばかりで攻めることができませんでした。リードしているわけで、気持ちには余裕があるわけですから、それをある程度利用しないといけません。どうも失点が続くので、個人的にも悔しい試合が多いです。なんとかしようと思います。相手が前から来ていますし、それを逆手に取ってやりたいところですが、ちょっとうまくいかなかったです。

前半もあまり良くない入りでしたし、全体的に見ればやりたいことがうまくできていなかったと思います。シャビエルに助けられたと思います。気持ちの中では準備をしていますが、雨も降っていてスリッピーで難しかったけど、表現できる練習はしていますから。別に悪いならば悪いなりに守ればいい。でもそういう強さはありません」

 

■FW 9 シモビッチ(名古屋)
ゴールを決められて気分がいい
「良いボールが来ましたし、良いターンでゴールを決めることができました。ゴールを決められて気分が良いですね。ターンして決めるしかない形でした。うまくターンして決められたと思います。

(ガブリエル・シャビエル選手の加入で攻撃に良い効果が出ているのでは?)良い影響が出ていますよ。彼自身もチームの良いコンビネーションの中でゴールを決めることができていますし、アシストも素晴らしいです。彼の加入で得点力は上がっていると思います。

(その一方で失点数が多いです)前半は良かったのですが、怖気付いたのか引いてしまいました。3-1で折り返したということが影響したのでしょうか。4-1になってしまえば良かったのですが、一度追い付かれてしまいました。でも4-3で勝ち切れたことは良かったと思っています」

 

■DF 15 宮原 和也(名古屋)
後半の20分ぐらいから足が止まった
「先制されて3点を決めたのに、追い付かれてしまったことはチームとしては反省しなければなりません。最後はあのようにシャビが決めてくれましたが、そういう展開にならないようにゲームをコントロールする必要があったと思います。

ラインコントロールは話していましたし、キツい時間帯のときに後ろが声をかけて中盤や前の選手を動かしていく必要があると思います。簡単にボールを蹴らせないことも大事です。そのボールに対しても対応できるようにしないと失点が増えていくことになります。

(ハーフタイムはどんな声が飛び交っていましたか?)立ち上がりは相手が来ることは話していました。集中していこうと話していましたが、3-3にされて相手の勢いにやられてしまった部分があります。集中して戦わないといけません。

相手も前から来ているので、裏にスペースがありましたし、一発でひっくり返すことをやっていく必要があると思います。裏があって足元も生きてくる。そういう部分でもっともっと相手をひっくり返すことを自分の位置からもトライしていくことや、中盤の選手にそれをリクエストしていくのも一つの手かなと思います。落ち着いて対応して、ワンタッチなりでボールをつなぐことができれば、相手もプレッシャーをかけに来づらいと思います。ただ後半の20分あたりからチームとして足が止まっていました」

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