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「町田日和」郡司聡

【★無料公開】「絵を描くという形の応援が、チームの力になることを証明したい」【シリーズ・ZELVIA PEOPLE Vol.01/作家・ながさわたかひろ さん】

さまざまな立場でFC町田ゼルビアに携わる人たちに焦点を当てたインタビューシリーズ『ZELVIA PEOPLE』がスタート。第1回は町田市立国際版画美術館で9月24日(日)まで『インプリントまちだ展 絵描き・ながさわたかひろ、サッカー・FC町田ゼルビアでブレイク刷ルー!』を展開している作家・ながさわさんを直撃した。

2016年の夏、作家・ながさわたかひろさんの下に、一つのオファーが舞い込んだ。それは2020年の東京五輪に向けて、2017年から4年間にわたり開催する展覧会シリーズ『インプリントまちだ展』への出展。スポーツに力を入れている町田市の取り組みを、版画を通じて紹介するために、今までにない活動を続けている画家に依頼したいという意思を持っていた町田市立国際版画美術館の学芸員の方が、野球チームを描き続けてきたながさわさんに白羽の矢を立てた。

東北楽天ゴールデンイーグルス、東京ヤクルトスワローズなどプロ野球球団の全試合を2009年から描き続けてきたながさわさんは、ちょうど2015年のヤクルト優勝を一区切りに、次の作品に移行することを模索している時期でもあった。まさに今回のオファーは、ながさわさんにとって、絶好のタイミングとなった。こうして2016年の夏から、ながさわさんとゼルビアとの接点がつながり始めた。

 

▼“茶髪・ロン毛禁止”の方針に共感

ーーFC町田ゼルビアを描くにあたって、町田にお引越しをされたと聞きました。

以前に住んでいた小平から町田までは距離があるので、いつでも行ける状況を作る必要があるなと思い、引越しを決断しました。あとは「今年はゼルビアを描いています!」と言うにしても、これまで長らくゼルビアを応援してきた方々からすれば、「なんだよ」という気持ちにもなるだろうなと思ったので、ずっと応援している方に対して失礼がないような状況を作りたいという思いもありました。

 

ーーゼルビアのファースト・インパクトはどうでしたか?

一番最初にチームの練習へ行ったときに茶髪の選手がいなかったことは新鮮でした。僕はノムさん(野村克也)が好きなので、サッカー少年の模範になる存在であるために、“茶髪・ロン毛禁止”というクラブの方針に共感しました。

ゼルビアの試合を見始めたのは、昨季仲川選手が加入したぐらいの時期です。だからエースの鈴木孝司選手のプレーはけがから復帰するまでは見ていないんですよ。先日のアビスパ福岡戦で孝司選手が出て来たとき、スタジアムの雰囲気がすごかったですが、孝司選手はゼルビアのサポーターにとってそういう選手だったのかとあらためて思いました。戸高選手の復帰戦もそうでしたが、こんなにも人気があるんだなと思いました。

 

ーーFC町田ゼルビアを描く上で大事にしていることは何でしょうか?

ゼルビアのサポーターがどう見るか。それに尽きると思っています。先日、この展覧会にお越しいただいた方とお話をしたときに、「試合の見方が私とあなたでは違う」とご指摘を受けました。その方からは「ファンはスタンドから撮影することしかできないのに、ピッチと同じ目線で撮影することを特権的にやらせてもらっているのだから、もっとちゃんと描いてほしい」と言われました。

きちんと描けているか、現状僕の中でもその葛藤はあります。これは少々言い訳になってしまいますが、選手の動きをどう描くか、それでいっぱいいっぱいになっている部分があるので、今年はとにかく描くことでチームを知ることから始めないといけないと思っています。僕の絵を通じて、「この試合はこうだったね」と思い返すことができる段階まで持っていかないといけません。早くその段階までたどり着きたいと思いつつ、半年が過ぎようとしています。

 

ーー絵を見て試合を思い返せる段階まで持っていくためにはどんなアプローチが必要なのでしょうか?

これまではその試合で出場した選手を全員描くようにしていたのですが、ここ数試合は違ったアプローチも始めています。例えば、高原選手のファインセーブが試合のポイントになったのであれば、その1シーンだけを描く、そういうアプローチもあると思っています。

 

ーー選手を描く上で意識していることは?

その選手の特徴を描くことを意識しています。ゼルビアの中では中島裕希選手が描いていて面白いです。中島選手は指先まで動きがありますし、指先まで力が入っている感じがします。特にシュートを打つときは小指まで力が入っている感じがしますよ。また戸高選手は写真を撮る際に、なかなか動きを捉えることが難しい選手です。写真の技術的な問題なのかもしれませんが、捉えにくい動きをしている選手の一人です。

 

ーー相馬監督はいかがですか?

例えば1試合ずっと監督の動きだけを追う試合があっても良いかもしれません。ただ相馬監督のことは一度、リトグラフという技法で『相馬監督に褒められたくて』の絵を描いたことにより、監督のことを描きたいと思った試合だけで描こうと割り切れるようになりました。結構長い時間をかけて描かせていただいたので、相馬監督と向き合っている時間が長かったですし、「あの試合はああいう感じだったのか」とか、ずっと考えながら相馬監督を描いてきました。

 

ーーちなみにゼルビアで好きな選手はいますか?

そう思わないように、特定の選手に肩入れしないようにはしています。ただ戸高選手はビックリしました。けがから復帰して、試合に出るようになってからは毎試合のようにゴールを決めていましたし、見ていて楽しい選手でした。体格もそうですが、昨季までゼルビアにいた仲川選手を見ていた感覚に似ています。

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