「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「チームとして、グループとして、意志をつないで戦うことができないゲームになってしまった」+東京V・ロティーナ監督、井林章、安在和樹【監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第35節・10月1日(日)15:00キックオフ
味の素スタジアム/
東京ヴェルディ 3-1 FC町田ゼルビア
【得点者】東京V/12分 オウンゴール、23分 アラン・ピニェイロ、53分 畠中槙之輔 町田/76分 遠藤純輝

 

■ロティーナ監督(東京V)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「4試合勝利なしの状況でしたから、特に感情の面で難しい試合でしたし、勝たなければならない試合でした。スタートは相手のスペースを使ってボールを回しながら攻めることができていましたし、1点目は幸運でしたが、2点目も奪うことができてその後もチャンスを作ることができました。後半も集中をして良い入りをすることができたと思いますし、その中で3点目を決めることもできました。そのあとは相手がリスクを冒して攻めてくる中、背後のスペースを突いてチャンスを作れました。ただチャンスはありましたが、ラストパスやシュートの精度を欠きました。1点を取られたあとは難しい試合になりましたね。とはいえ最近勝てていない中で勝てたことは重要なことだと思っています」

ーー今日はシステムが[3-4-3]でしたが、その意図は?
「システムは完全に[3-4-3]ではなく、展開に応じて([4-3-3])と使い分けていました。われわれのアドバンテージは二つのシステムを使い分けながら戦えることです。それがわれわれの強みともなっています」

ーー今日の先発メンバーを前回の町田戦とまったく同じにしたことは、メンタル面を考慮してのことなのでしょうか?
「それは気づきませんでした。同じ11人であることは今、気づきました。相手の分析をしましたが、プレーレベルは変わっていませんでした。選手の選考に関してはそれほど意識はしていませんでした。試合に向けてのプランに沿った中で先発メンバーを選んだらそうなったというメンバーでした」

ーー4試合勝利なしの状況で10月の試合を迎えて、選手たちに強調してきたことは何でしょうか?
「今日の試合も190cm以上の選手が3人もいるチームを相手に戦ったので、集中力を強調してきました。前節の名古屋戦はセットプレーから2失点を喫していましたので。そして集中力にプラスして、ボールを持って相手が空けるスペースを使ってボールを回していく自分たちのサッカーをやろうと強調してきました」

ーー残りの7試合に向けて今日の勝利がどんな意味を持ちそうですか?
「われわれが常に見ていることは次の試合です。この結果が次の試合に影響しますし、上の順位にいる強いチームに対してわれわれは難しい挑戦をしていることも分かっています。でもファン・サポーターの夢や希望には責任を持っています。数は少ないかもしれませんが、われわれのそばにいるサポーターたちに少しでも喜んでいる姿を見せるために、われわれにはトレーニングをしていく責任があります」

 

■DF 3 井林 章(東京V)
効果的に反対サイドのスペースを使うことができた
「前回町田と対戦したときにピッチを広く使ったらチャンスを作れていましたし、CBはそれほど足が速くないので、積極的に裏を狙っていくことで結果が出ていましたから同じことをやろうと戦っていました。また相手のプレスをかいくぐっていけると、反対サイドのスペースを使うことでより効果的なカウンターをしかけることができました。それがうまくできていたのかなと思います」

 

■MF 6 安在 和樹(東京V)
裏を早い段階で使うことができればチャンスになる
「前回対戦と同じやり方でした。ただ前回対戦のほうがもっと気持ちよくできていました。今回のほうが少し苦しみました。決めるべき場面を決めていればもっと大差がついていたと言えるほど、チャンスは作れていました。

(1点目のオウンゴールにつながったアラン・ピニェイロに出したパスのタイミングについて)チームとしての狙いです。町田の最終ラインはスピードがないので、裏を早い段階で使うことができればチャンスになると思っていました。あの場面でボールをこねると町田は人数をかけてガッとアプローチに来るので、シンプルに手数をかけずにパスを出しました。

町田はラインが高いぶん、前には強いけど、裏への弱さはあります。ウチは前線にスピードのある選手がいたので、タイミングよく使うことができればチャンスになると思っていました。それでチャンスを作れたと思います。

ただ前半のミスをやってはいけないですね。致命的なスルーパスでした。相手はいないと思って戻したのですが、町田の選手(中島裕希)が誰かと被っていて、誰かの背中から出て来て、アッ!と思いました」

 

■相馬 直樹監督
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まず、今日の試合は東京ヴェルディさんとのダービーマッチ、『東京クラシック』ということで、われわれに期待してたくさんの方々に集まっていただいたと思います。本当にありがとうございますとお伝えたいしたいです。

ただ試合は残念な内容と結果になってしまいました。この結果は僕の責任でもありますし、より申し訳ないと思っています。ただ選手たちは、本当に頑張って戦ってくれたと思いますが、チームとして、グループとして意志をつないで戦うことができないゲームになってしまいました。そういう意味では、今日のスコアはもっと点を取られても致し方ないと思います。チャンスもありましたが、敗戦を含めて仕方ないと思っています。

最近は勝利のないチーム同士の試合でしたが、ヴェルディさんは(システムや戦い方を)変えて、ウチは変えずに戦いました。ウチはそれまでの試合内容に自信を持っていましたので、それを勝ちに持っていきたかったのですが……。もったいない失点もありましたが、それも先ほど言ったとおり、ちょっとしたころで相手に上回られた結果です。頑張ってはいますが、最終的にチームとしてのパワーがありませんでした。そういう試合になったことを見直して、残り7試合は自分たちから主導権を握り、攻守ともにスイッチを入れられるようにやっていきたいと思います」

ーー先ほどチームとして、グループとして意志をつなげなかったとおっしゃられていましたが、その原因を現時点ではどう考えていますか?
「東京Vさんのメンバーを見て、3バックであることは分かっていましたが、われわれからすれば東京Vさんがサイドチェンジや長いボールを入れてくることが分かっている中で、守備のスイッチを入れるところで序盤からボールホルダーにフリーで蹴らせてしまっていました。そういう展開を自分たちから招いてしまいましたし、自分たちのやり方をしていない試合になってしまいました。

われわれと東京Vさんは同じカテゴリーで戦っていますが、それぞれのクラブの歴史を含めてもわれわれがチャレンジをしないといけない立場なのに、立ち上がりからそれをできなかったことがすべてなのかなと思っています。後半に関しても、リスタートから点を取られたことが痛かったです。ボールへアプローチする守備のスイッチが入らないと、われわれの良さは出ません。それが今日の結果を招いたと思います」

ーー監督は選手たちにスイッチを入れさせるために、どうアプローチしているのでしょうか?
「良いときはスイッチが入りますよ。われわれはそういう戦いを目指していますし、チームとしての良い守備から良い攻撃につながるようにやっています。サッカーは人間がやるメンタルスポーツの部分があります。1失点目はオフサイドではないと思いますが、そこを破かれたときに、選手たちの中で最終ラインに不安が出たと思いますし、メンタルにも少なからず影響が出たと思います。

それらを含めて、自信を持って選手たちをピッチに立たせることができませんでした。たとえそういうことが序盤に起こったとしても、選手たちに自信を出させることができませんでした。正直、自分たちで解決できることはありますが、これが現時点でのわれわれの力であることも事実だと思います。残り7試合、ホーム4試合、アウェイ3試合を選手たち11人が意志をつなぎ合わせて戦う姿を1試合でも、1分でも、ワンプレーでもたくさん見せられるようにしたいと思います」

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