「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】駒沢屋内球技場に宿した熱気。Fリーグが秘めた“ポテンシャル”【コラム/Fリーグプレーオフ準決勝・町田vs湘南】

■DUARIG Fリーグ 2017/2018 プレーオフ準決勝・1月14日(日)17:30キックオフ
駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場/1,609人
ペスカドーラ町田 3-2 湘南ベルマーレ
【得点者】町田/00:43 森岡薫、6:15 滝田 学、27分39秒 ダニエル・サカイ 湘南/17:03 浦上浩生、38:24 本田真琉虎洲

▼森岡薫の願い

ここは、Shonan BMW スタジアム平塚かーー。

そう思い違えてしまうほど、湘南ベルマーレサポーターが作り出す雰囲気は、Jリーグの試合会場のそれに近かった。

Fリーグ初年度から所属している湘南ベルマーレがプレーオフ進出を果たしたのは初めてのこと。過去最高位3位でリーグ戦をフィニッシュし、プレーオフ1回戦を突破。リーグ1位の名古屋オーシャンズと戦う決勝戦を目前に控えているのだから、集結したサポーターの熱気も当然だった。

集ったサポーターの数、声量は劣っていたとしても、ペスカドーラ町田のサポーターも力強く声を枯らす。ともにプレーオフ初制覇を目指す両チームの激突は、激しい球際の攻防を生み、際どい判定には両チームのベンチから選手たちが飛び出してくる。

そして試合は常に町田が先手を奪う展開に。それでも湘南は食らいつき、終盤にはパワープレーから1点差まで詰め寄る。しかし、湘南は町田をロープ際まで追い込んだものの、スコアは3-2で町田の勝利だった。

興奮の坩堝と化した40分間。ピッチ上の熱気とうねりを演出していたのは、なにもピッチ上の選手たちだけではない。両サポーターの手拍子が、チャントを奏でる歌声が、リズミカルに鳴り響く太鼓の音が、アリーナ全体の熱気とうねりを助長していた。

計11シーズン、プレーオフに出場してきた町田の森岡薫は、試合後の記者会見でこう言った。

「今日の会場の雰囲気が普段のリーグ戦でも作れれば、もっとフットサルのレベルアップにつながるのかなと思います。2点差にしても、あの会場の雰囲気でその点差があるとは思えませんし、こちらも負けたくないという気持ちのぶつかり合いで拮抗した試合になったと思います。プレーオフの舞台だからではなく、普段のリーグ戦でも地元のサポーターが盛り上げることでフットサル界自体の盛り上がりにつながるのかなと思います」

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