「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「この勝利という結果は選手たちの頑張りに尽きる」+松本・反町康治監督、飯田真輝【監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第5節・3月21日(水・祝)18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,037人
FC町田ゼルビア 2-1 松本山雅FC
【得点者】町田/74分 藤井航大、81分 平戸太貴 松本/87分 セルジーニョ

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「朝から雪が降り、ゲーム中も雨が降り続けるという悪天候の中、スポーツを観戦するような環境下でなかったですが、われわれのファン・サポーターとアウェイである松本さんのファン・サポーターの方々も含めて、この環境の中、集まっていただいたことに感謝を申し上げます。また、選手たちが戦える雰囲気を作っていただいたことにもありがとうございますと感謝の気持ちを伝えさせてください。

われわれのクラブは町田の笑顔のために、というクラブスローガンを掲げてやっていますが、今日の勝利がこれからたくさんの町田の方々に笑顔を届けるきっかけになっていくのかなと思っています。選手たちは最後まで熱い戦いを見せてくれましたし、その結果、ファン・サポーターのみなさんと喜びを分かち合える成果を得ることができました。

この勝利という結果は選手たちの頑張りに尽きると思っています。前節の山形戦では良い時間帯を作りながら1点は取りましたが、いろいろな要素があったにせよ、自分たちから足が出ないような展開になってしまいました。その中で追い上げられて、一度ひっくり返されて、勝ち点1を持ち帰ることはできましたが、チーム全体としては前への姿勢が90分続かないゲームになってしまったことを強調して、選手たちを今日の松本戦のピッチに送り出しました。選手たちは最後まで戦い抜くことをやってくれたと思います。

松本さんも強いチームですので、苦しい時間帯もありましたが、その時間帯をしのぎ、前半の良い時間帯に点を取ることができない中でも、めげずにと言いますか、愚直にと言いますか、選手たちは前に出続けて戦ってくれたなと思っています。

最後に1失点を喫したという反省材料はありますが、ただそのあとも崩れなかったこと、引かなかったことは非常に評価できることかなと思っています。連戦ですぐに試合がやってきますが、今日の試合で見せたような姿勢を出し、連戦になりますから、気持ちと体を整えて次の試合に向けた準備を進めたいと思っています」

ーー今日は戸高選手をFWのポジションで起用しました。その狙いを聞かせてください。
「弘貴はスピードがありますし、何回も前に出ていくことで攻撃のスイッチを入れることができる選手です。もちろん、長い距離を走ることができるので、中盤から前へ出て行って長い距離を走ることもできます。ただ今回は松本さんをスカウティングする中で守備時に深さを取るという分析がなされていました。今日のピッチコンディションは水が溜まりやすいことを認識した上で、前向きなプレーを増やしていきたいという意図の下、今回は彼にトップのポジションをやってもらいました。

前の4つのポジション(両サイドハーフと2トップ)に関しては、どのポジションをやってもできるように、選手たちにはやってもらっていますので、スムーズにできたと思いますし、相手にとってイヤがることもできたのではないでしょうか。

もちろん守備のスイッチもありますが、攻撃のスイッチとして期待した部分が非常に大きいです。2点目も良い形で入り込み、チャンスを作ってくれましたし、前でポイントを作り、相手が下がっていく状況もうまく作ってくれたかなと思っています」

ーー深津選手が欠場し、いろいろな選択肢がある中、酒井選手を起用した最終ラインの全体的なパフォーマンスに関しては、どのように感じていますか?
「リュウ(酒井)があの4人で最終ラインを組むのは初めてだったと思います。今季の新加入選手ですが、負傷の影響もあって、なかなか一緒にプレーする機会がありませんでした。そういう中で不安要素はありましたが、彼にとっては古巣戦であることを含めて、何かをやってくれるんじゃないかと思っていました。1点を取られたことは反省すべき点ですが、総じて言うとラインを高く設定しながら、背後をコントロールすることもよくやってくれたと思います。

もちろん、すべてがうまくいっていたわけではありませんし、松本さんに高い位置でポイントを作られると、重心が下がることもあったと思いますが、粘り強く中央ではじき返すことも含めて、やってくれていました。全体的に集中力も高かったと思います。前半の残り10分や失点した時間帯など、ちょっとした隙を突かれることもありましたし、ビッグチャンスを作られていましたので、中での声も含めて、今後はもっと精度を高めていきたいと思います」

ーー失点をした後に、交代カードを使いながら逃げ切るような展開に持ち込んだ形は完璧に近かったと思います。采配を含めて、どんな意図があったのでしょうか?
「追いかける展開のチームに勢いを出させたくはないという狙いがありました。失点の場面はわれわれが高くアプローチに行って、ひっくり返される展開の中で対応に遅れが生じた形での失点でした。高い位置からアプローチに行くよりも、残りの時間の中で下げさせたほうがいいのかなと。松本さんがスクランブルに攻撃を仕掛けてくる中で、松本さんにとってはわれわれが下がってしまう形のほうが望んだものなのかなと思ったため、選手たちにも『前でやるよ』という声をかけました。前でやっていく中で入れ替わる形が出てしまうかもしれませんが、まだ2枚の交代カードが残っていましたので、交代のカードを切ることで少しでも選手の助けになればと交代カードを切っていきました」

 

■反町 康治監督(松本)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「雨という厳しい気象状況の中、アウェイにもかかわらず最後まで声を枯らして応援していただいたサポーターのみなさんには感謝しております。本当はブーイングで罵倒したいところを何とかわれわれを奮い立たせてくれている気持ちを思うと、現場を預かる人間としては非常に情けなく申し訳なく思っています。

コメントすることは難しいのですが、全体的には悪くない中で勝ち星を拾えないというのは、何かしら理由があると思わなければいけません。見ていただいても分かるように決定機を生かせないと、自分たちの流れは必然的に相手チームに行くということです。今日は相手の土俵で試合をしないようなプランを立ててきて、ある意味しのいでいた部分はあったのですが、つまらない失点で大きくプランが崩れてしまったことは否めないと思います。

全体の責任を持っているのは私ですので、すべては私の責任です。選手は雨の中、最後の最後まで必死に頑張っています。それは認めてあげてほしいと思います」

ーーこの状況から抜け出すためには何かを大きく変えるべきなのか。それとも粘り強く続けるべきなのでしょうか?
「僕は粘り強く続けるべきかなと思っています。辛抱の時かなと思いますし、辛抱できないのであれば職を辞するべきです。私が責任を負っている以上は当たり前だと思っています。ただ座っていても状況は変わらないので、しっかりと仕事をした上で状況を変化させていきたいという気持ちは強いです」

ーー良い流れもある中で決め切れていませんが、問題はどこにあるのでしょうか?
「決定機を作れないのであれば連係などの問題もあると思いますが、相手を見据えた上でメンバーも決めていますし、やるべきことは全部やっています。相手の状況や各選手のコンディションなどを見て、いろいろと考えてやっているつもりでいます。もちろん良い形をまったく作れていないのならば問題ですが、そういうわけではないですしね。

どうしてもうまくいかなかった原因を探るのならば、そういうところになるのかもしれませんが、精神的にネガティブになっているプレーではないですし、それは理解していただきたいと思います。サッカーの世界では勝ちも負けもありますが、いまわれわれは勝てない状況が続いています。これは全体を掌握している私の問題であって、選手には問題はありません」

ーー中3日で迎える山口戦のメンバー選考は、やはりコンディションを考慮しますか?
「そうですね。誰が良いとか悪いとかというよりも、連戦で雨中のナイトゲームですから疲労はないほうがおかしいです。しかもアウェイで長距離移動ということでプラス材料はあまりないんですが、ピンチをチャンスに変えていくことも大事です。リバウンドメンタリティーも持っていないといけないと思っていますし、今日だって最後のほうで足が止まっているわけではないですしね」

ーー町田のやり方は分かっている中、戦い方のプランに関しては、どのように考えていたのでしょうか?
「他のチームの考え方と同じで、われわれが特別にすごいことをしているわけではありません。相手の攻守における特長がある中で、それらをしっかりと理解した上でゲームを進めないといけません。今日の試合のスローインの数を数えたら本当に多いと思うのですが、真ん中のプレーではなく、ほとんどがサイドのプレーでした。

相手もわれわれも分断されているような感じで、いろいろな意味でリズムができませんでした。それは町田を相手にするとそうなるので、その中でもやっていかないといけません。相手の土俵には乗っていないのですが、結局やられたことを振り返ると、相手の土俵に乗ってしまったのかなと思わざるを得ませんけどね。何回も繰り返しますが、頑張るのみです。クラブとしても、私としても、選手としても、ファイティングポーズを取っていくしかないと思っています」

 

■DF 4 飯田 真輝(松本)
1失点目がなければ2失点目もなかった
「前半はミスもありましたが、前半の失点が続いていたので、無失点で終えることに割り切って試合を進めることができました。1失点目は僕と守田選手のところで失点をしてしまったことが反省点ですし、2失点目はカウンターからなので、1失点目がなければ2失点目もなかったと思います。

個人としてもグループとしても難しい状況ですが、チームがバラバラになってしまうことが良くないです。後半に関してはセットプレーからでないと相手のチャンスは生まれなかったと思います。もう少し経験のある選手が声をかけて、チームを支えていければと思います」

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