「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「選手たちはいま持っているものを全部出し切って勝ち点1を取ってくれた」+金沢・柳下正明監督、垣田裕暉、梅鉢貴秀【ツエーゲン金沢戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第6節・3月25日(土)14:00キックオフ
石川県西部緑地公園陸上競技場/3,239人
ツエーゲン金沢 1-1 FC町田ゼルビア
【得点者】金沢/51分 垣田裕暉 町田/64分 大谷尚輝

 

■柳下 正明監督(金沢)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「勝ち点3を取らないといけないゲームだったと思います。ゲーム自体は町田に対して十分、守備においても攻撃においても狙いを持ったプレーができていたと思います。ただ2点目、3点目を取れるチャンスを失っているということは技術的なシュートミスやラストパス一個前のパスミスなどがあったためです。しっかり練習してうまくなってもらうしかないかなと思います。

失点に関してはバラけた部分がありました。そういった点は修正して次のゲームに臨みたいと思います。ゲーム自体は自分たちでコントロールできていたと思いますし、内容自体は十分に勝ち点3が取れたと思っています」

ーー中3日での試合で疲労を考慮した面もあったとは思いますが、先発メンバーを前節から5選手を入れ替えました。疲労以外の町田対策という意図を持って変えてきた狙いがあれば教えてください。
「町田の戦い方は非常にコンパクトでテンポの早いサッカーです。基本的にはボールサイドに人数をかけてシュートまで持っていくという攻撃をしています。非常に幅としては30mくらいの距離感で戦っており、前へのボールが多いチームです。

そういうチームを相手にした時は、マイボールになった瞬間にサイドチェンジをして相手の高いディフェンスラインの背後を狙う形を作ろうとすると、(加藤)大樹はスピードもありますし、スタミナもある選手です。また(宮崎)幾笑もスピードあるので、先ほど話したような部分を狙っていこうという意図でメンバーを代えました。

今日の2トップも同じように相手の背後などに流れるのですが、タイミングが早過ぎました。そのあたりは、もっともっとボール保持者を見て動き出すという形を作れるようにしなければいけません。ただ狙いとしては、いま言ったことを実際のゲームでも表現できましたし、そういうプレーでチャンスを作っているので悪くはなかったと思います」

ーーいまの話も含めて、宮崎幾笑選手の位置が高かったですが、あれはどういった指示でFWの選手と同じ位置取りをしていたのでしょうか?
「本当はもっと後ろでしたが、そのポジショニングは状況によって変わりますし、今日の風と相手のプレーを考えてそんなに低い位置にいなくても大丈夫だと話していました。まずは相手の背後を突破してクロスボールやアーリークロスを入れる形は一つの狙いでありました」

ーー今日は佐藤洸一選手がベンチにも入りませんでしたが、そのあたりの監督の考えを教えてください。
「今までのプレーを見ていてもパワーが足りていません。先ほども言いましたとおり、町田は非常にテンポの早いハードワークをするチームなので、現状の洸一では追いついていけないと判断しました」

 

■FW 19 垣田 裕暉(金沢)
背後を突くことを意識していた
「(ゴールシーンについて)相手がクリアして全員がゴールのほうを向いていて、ファーでフリーだったのでボールを待っていたらクロスボールがきました。良いボールがきたので決めるだけでした。途中出場だと試合を決めることが大事になってきますが、先発だと試合の流れを作ることが必要になってきます。そういうところは楽しいと思いました。

(ほかにも惜しいシュートもありましたが?)あと2点くらい取れるチャンスはあったので、ああいうのをしっかり決めていれば今日も勝てたと思います。もっともっと練習して決められるようにしていきたいです。昨年よりは早く1点を取れたので、もっともっとゴールを積み重ねていきたいです。

(鹿島ユースの同期である平戸選手との対戦もありました)太貴も活躍をしていますし、昨日連絡を取って、『お互いに負けられないね』という話をしました。ゲームは引き分けでしたし、点は取れましたが、太貴との勝負はゲームの結果と同じです。町田はラインが高いので、オフサイドにかからなければ背後を突くことができるので、オフサイドラインを気にしながら背後を突くことを意識していました。

(マラニョンとの2トップについて)コミュニケーションも取れていますし、違和感なくやれています。とにかく早い段階で点を取れて良かったです。ただ失点の場面は食いついてしまった部分もありますし、前線の選手が点を取れなかったことも引き分けてしまった原因の一つです。前の選手が決めるべき場面で決めないと後ろは苦しくなるので、前がもっと点を取らないといけません。

相手は背後にスペースがありましたし、前線の選手が裏を取れないと、相手の前からの圧力が強まってしまいます。背後を突いていくことは意識していました。ほかの決定機で決められれば、もっとチームも楽に試合を進められていたと思います」

 

■MF 33 梅鉢 貴秀(金沢)
プロのレベルでするような失点ではなかった
「勢いのある町田相手にこれだけのゲームができたにもかかわらず、勝ち点3が取れなかったということは非常に悔しいゲームでした。(この試合における狙いは実行できましたか?)随所に出ていたと思います。僕たちの狙い、やろうとしていることをみんなができていました。特に前線の選手は非常にアクションもありましたし、僕たちもそのアクションに合わせてボールを配球することができていたと思います。

今までの試合に比べると躍動感もあったと思いますし、決定機の数もたくさんありました。勝つべき試合だったと思います。1本のカウンターで失点したこと、そのときの対応が悔やまれます。もしかしたら4点は取れたかもしれません。守備も、もっと点を取られてもおかしくなかったと思っています。

相手は密集がすごいので、一つを切り抜けられるかを取り組んできました。それを表現できたゲームでもあると思います。後半に点を取るまではそれができていました。前半に関してはCBとボランチの間のスペースが空く傾向があったので、そこはCBと話しながら修正はできたと思います。

(杉森選手投入後の対応は?)カウンターの起点は彼でした。あの場面に対しては、僕も含めてイージーなミスがいくつか重なっていました。最初のロングボールに対してまずはキープをさせてはいけなかったですし、裏へ抜けた選手に対してもついていかなければいけませんでした。サイドの位置で早めにつぶす必要がありました。サイドの選手をフリーにさせてもいけなかったです。イージーなミスが4つ、5つも重なったので、プロのレベルでするような失点ではなかったと思います。

今季の失点はイージーなクリアミスの失点とか、崩された形の失点はなく、山口戦も考えられないような失点でした。そういう甘さが出るのは普段の練習から厳しさが足りないのかもしれません。全員で見つめ直さないといけません。詰めの甘さでこういう結果になってしまいました。非常に残念な結果です」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「東京・町田からたくさんのファン・サポーターの方々に来ていただきました。まずはありがとうございましたとお伝えさせてください。今日のゲームは非常に苦しい試合だったのですが、勝ち点1を持って帰ることができるのは、追いついたこともそうですし、最後に粘り強く守り切ったことも含めて、みなさんの声援は非常に大きかったと思っています。

ゲームのほうですが、われわれにとっては、苦しいゲームだったと思っています。自分たちが押し込んだ時間帯はいくつかあるにはあったのですが、効果的な攻撃に結びつかず、次第に金沢さんのペースになった上に、セカンドボールを拾われて、われわれの最終ラインをひっくり返される形で自陣に戻りながらディフェンスをするという形を特に後半はそういうシーンが多くなりました。

連戦の影響があったのか、セカンドボールをなかなか自分たちが拾えずに、マイボールになった時は少し淡白と言いますか、あまりにも前に簡単に出してしまうために攻撃に厚みを作れない、そういう展開になってしまいました。後半はその部分を修正していこうという話をして選手たちを送り出したのですが、セットプレーの流れの中から点を取られてしまいました。ただ先に点を取られる中でも、ハーフタイムに選手たちへ話していた奪ったボールを一つ二つ、つなぐ展開から素早い攻撃で追いつくことができました。難しい試合展開の中でもボールをつなぐ形を作れることを選手たちが見せてくれましたし、よく追いついたなと思っています。

その後も、同じような形を少しずつ作れた場面もあったのですが、最後はまた金沢さんに押し込まれる展開となり、粘り強く勝ち点1を持って帰れるという結果になりました。もちろん勝利を目指してここに乗り込んできたので、満足というわけにはいかないですが、今日のように全体的な足の動きなどを考えると、選手たちはいま持っているものを全部出し切って勝ち点1を取ってくれたと思っています。

この勝ち点1をしっかりと次につなげていけるようにしたいですし、ただアウェイでのここ2試合は、少し足が止まるゲームになってしまっています。運動量の部分を修正しながら、次もアウェイゲームにはなりますが、しっかりと準備をしていきたいなと思います」

ーー2点あります。後半の途中でCB同士の交代があったと思いますが、藤井選手に何かアクシデントがあったのでしょうか? それとも、戦術面での選手交代だったのでしょうか?
もう一つは杉森選手をトップで起用しましたが、彼に期待していたことを教えてください。
「CBの交代に関しては、裏に走らされる回数が多く、今日が3連戦目の試合ということも含めて、交代してもらいました。ベンチからのメッセージとしては最終ラインを上げることを酒井には伝えていたのですが、結局、酒井を入れても最終ラインが上がらなかったというのが現実だと思っています。

もう少しラインを上げることでセカンドボールを拾いたかったのですが、1点を追いついて、もう1点を取れるかどうかの時間帯の交代だったと思うのですが、追いついたあとも流れがわれわれにあったと思うので、なんとかそれを逆転に持っていけるようにと交代させました。

セカンドのボールの回収を増やしたい、そのために酒井を入れて全体をコンパクトにしたいという狙いを持って交代しました。実際はどちらかと言うと、ラインを上げるというよりも、酒井は後ろの対応で頑張ってくれたなという印象です。狙いどおりだったかと言われると、狙いどおりではなかったかなとは思っています。

杉森に関しては、前半からそうだったのですが、少し相手の背後にこぼれて流れたボールを、連戦の影響もあると思いますが、2トップである中島と戸高の位置で追い切れず、コロコロとボールが転がっても見送ってしまうこともあるなど、相手の嫌がることができていないなと思っていました。杉森に関しては相手にとって嫌がることをやってもらえることを期待していました。

それまでは相手のCBが少し前向きにプレーすることが多く、それは先ほど申し上げた最終ラインの話と関係があるのですが、相手のCBが楽にプレーしていた中で、杉森のスピードは相手にとって嫌な状況になるかなと思い、あのような時間帯で入ってもらいました。実際にリズムを持ち返すこともできましたし、同点ゴールが生まれたのも、彼の交代が関係しているのかなと思っています」

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