「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「追いついたあとに畳み掛ける強さがなかった」+山口・霜田正浩監督、高木大輔、三幸秀稔、オナイウ阿道【レノファ山口FC戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第10節・4月22日(日)15:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,535人
FC町田ゼルビア 1-2 レノファ山口FC
【得点者】町田/49分 杉森考起 山口/39分 高木大輔、70分 小野瀬康介(PK)

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは今日もわれわれのホームゲームにたくさんの方々に集まっていただきました。選手たちはよく戦いファイトしてくれたため、なんとかみなさんと勝利の喜びを分かち合いたかったのですが、勝利に持っていけずに私の力不足でした。ただこれだけ集まってくださり、スタジアムの雰囲気を作ってくれたことに対しては、ありがとうございましたとお伝えしたいと思います。

前半はわれわれのリズムで戦えていたと思いますが、暑さの影響もあってか少し足が止まって、ピンチが続く中で一つ先に点を取られてしまいました。選手たちとも共有しなければいけないことはあると思いますが、自分たちが主導権を握っている、もしくは前向きにプレーできている時間帯にゴールを奪うこと、そして相手をもう少し脅かす形を作っていきたかったです。前半から相手を押し込む形を作っていましたが、ウチらしいボールの動かし方ではない部分もあったので、ハーフタイムに修正をして後半に向かいました。

その中で後半の開始早々に一度は追いつくことはできましたが、追いついたあとに畳み掛ける強さがありませんでした。どちらにボールがこぼれるか分からない展開の中で、自分たちのボール処理がうまくいかなかったシーンからPKを与えてしまいました。PKでリードを奪われてからは、外から入る形を作りながら、攻めてもらいましたが、こじ開けることができずに、足を振り切ることもできませんでした。

このあとは連戦になりますが、前節に初の敗戦を喫し、今日の結果で連敗となりました。そして失点のことを振り返ると、失点のあとに気落ちしていることはスタンドから見ていた方も感じていたと思います。そのメンタリティーの強さというか、追いついたあとに畳みかけるような強さを出さないと、勝つことは簡単ではなくなってくるかなと思っています。今後はそういったことに向き合いながら、選手たちと戦っていきたいと思います」

ーー杉森選手が移籍後初ゴールを決めました。プレシーズンからここまでの杉森選手は、監督の目にどのように映っていましたか?
「本人にとっても初ゴールはうれしいことだと思います。最初の時期はあまり試合に絡めず、悶々とした部分があったと思いますが、トレーニングの中ではしっかりと向き合ってくれていたので、ゴールも生まれるだろうと思っていました。また今日も良いプレーがたくさんありました。考起がゴールを決めたことは、彼の頑張っている姿を見てきたチームメートも喜んでくれている結果です。前節の千葉戦に新加入の(ロメロ・)フランクがゴールを決めたこともそうですが、それをチームの結果につなげていけるように、選手たちが勝利を追い求めて戦っている中で、勝利という結果を得られるように、僕自身も選手たちと一緒に追い求めてやっていきたいです」

ーー途中出場の森村選手を右サイドハーフに配置しましたが、その意図を聞かせてください。
「彼だけに限った話ではないですが、吉濱(遼平)の攻守の切り替えが少し遅れ始めていました。ただ結果的には森村を入れたあとにゴールを決められているという事実があります。結果的に言えばタイミングなども含めて、私の責任かなと思っています。またフランクがあのポジション(ボランチ)で効いていたので、森村は右サイドハーフの経験のない選手ではないため、起用しました。その一方で交代があったあとのタイミングでPKが生まれました。少し流れを手放してしまった部分はあったのかなと思いますし、僕自身も采配の部分を見直していかないといけないなと思っています」

 

■霜田 正浩監督(山口)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「山口のサポーターのみなさんが、アウェイにもかかわらずたくさんきてくれたことをうれしく思っています。その人数ではなく、応援の熱さはアウェイを感じずに選手たちを勇気づけてくれました。選手たちも球際やエアバトルで競り合って、相手の勢いのあるサッカーに負けないように、と話して選手たちを送り出した中で、あきらめそうになる時間帯や、くじけそうになることを乗り越えて、勝利をつかめたことをうれしく思っています」

ーー前半の30分ぐらいまでは攻め込まれることが多かったですが、それは想定内でしたか? 押し込まれた時間帯にロングボールを蹴る展開が多くなったのは、作戦のうちの一つですか?
「ロングボールを蹴ることが多くなったのは、押し込まれたことが理由であって、作戦の一つではありません。マイボールにしたあとは、もう少し幅を使ってボールを動かしたかったですが、町田さんの圧力や、スペースを限定した中でプレッシャーをかけにきたので、それを剥がせる技術がなく、僕たちの時間帯になるまで時間が掛かってしまいました。ただ相手に押し込まれた時間帯で点を取られなかったこと、しのげたことが大きかったです」

ーーロングボールが多くなったのは一つの作戦なのか、苦し紛れの部分があったのか。いかがでしょうか?
「短いパスでは相手のプレッシングに引っかかるので、パスの長さを変えようという話はしていました。正面に蹴ろうとは言っていませんが、狙っていなかったけど蹴れなかったということは技術が足らなかったということです」

ーー池上選手を先発で起用しましたが、その狙いと評価を聞かせてください。
「前節は途中出場で良いプレーを見せていましたし、福岡戦が終わってから町田戦の準備をする中で、僕たちがやりたいことをやれる選手でした。1週間の練習で好調でしたし、練習で良い選手は積極的に起用したいと思っているので、起用しました。今日はよくやってくれたと思います」

ーー今季からチームを率いられて、現在のチーム状態は100をマックスだとしたら、どこまできているのでしょうか?
「選手たちが戦うという姿勢を出してくれる。あるいは勝利にこだわる、球際で負けないこと。そういうことに関しては、僕の想像を上回るプレーを見せてくれているかなと思います。ただ頑張るだけではなく、ハードワークだけではなく、クオリティーを求める中で、自分たちの掲げるプレーモデルを使って、攻撃をして点を取る、守備をして点を取られない。その両方を表現して勝ち点3を取る試合はまだなかなかないので、満足していません。これだけ勝ち点は取れていますが、勝ち方としては6割程度なのかなと思っています」

ーー今日の勝利で3位に浮上しました。現状の3位は良い成績なのか。まだ足りないのか。J2を戦ってみていかがですか?
「まだ一回り対戦していないので、J2の22クラブの中で自分たちがどの位置にいるのか、客観的評価はまだすべきではないと思っています。ただ4分の1を終わって、この順位にいるということは、プレシーズンから準備を進めてきた中で、自信を持って次の課題に取り組めるという意味では非常に良い数字だと思っています。ただまだ4分の3試合が残っているので、現在の順位は気にしておりません」

 

■FW 18 高木 大輔(山口)
これからも結果を出し続けたい
「(先制点の場面を振り返って)ヘディングで押し込む形しか選択肢がなかったので、狙いどおりに入って良かったです。こぼれ球は常に狙っているので、それが実った形です。

(比較的ワイドな位置取りをしていました。その狙いは?)町田を意識した中でのポジション取りでした。もっと自分のところにサイドチェンジのボールが入った時に仕掛けることなどできればもっと良かったので、練習していくしかないですね。

(終盤はゴール前で守る場面も多かったです)町田も攻めてくることが分かっていたし、せめぎあいの展開でした。最終的に失点をしなくて良かったです。個人としては試合に出られていますし、結果を出せていることも大きいですね。ただこれを続けないと意味はないので、続けていきたいです

(3トップが結果を残す形になりました)みんなそれぞれの個性を発揮しているからこその結果です。これからもゴールを取り続けることがチームの結果にもつながりますし、チームにとっても良いことです。これからも結果を出し続けたいです。

(今年1年、山口でどんな年にしたいと思って加入したのですか?)覚悟を持ってきましたし、1年間を戦う中で良かったなと思えるシーズンにしたいです。試合に出続けること、結果を出し続けることが必要なので、そこにはこだわっていきたいです。

(現状の課題は?)1対1で仕掛けることや、相手を剥がしてクロスを上げることなど、それができればもっとプレーの幅が広がると思います。

(残りのシーズンについて)試合に出続けることが一番です。とにかくフルシーズン出たいです。チームとしては連敗をしないということは言い続けていたので、結果を出せて良かったです」

 

■MF 29 三幸 秀稔(山口)
奥山の左SBに意外性はない
「練習でしっかりとアピールしないとピッチには立てないので、それがチームに良い循環を生んでいると思います。

(今日の勝因は?)1対1で負けなかったこと、そして空中戦の競り合いでも負けていませんでした。1点は取られましたが、後ろもしっかりと守ってくれましたし、チーム全体としてもラインを押し上げて、前へ前へという形を作れていました。押し込まれた時間帯もありましたし、シンプルに相手はやることを徹底しているので、やりにくさはありました。自分たちのサッカーはできなかったかもしれませんが、それでも結果を残せたことは良かったと思います。試合前から今季は連敗はしないぞ、という話をしている中で連敗はしなかったので、この結果は大きいです。

(3トップについて)守備でも献身的に追ってくれているので、僕らもなるべくラインを下げず戦うことは意識しています。下がってしまうと、前の運動量も増えてしまうので、リスクはありますが、前で取れれば、カウンターを狙って3トップの良さを生かすことを考えています。それによって良い循環が生まれていますし、良い循環ができていない時は負けているので、みんなで意識して3トップを使えるようにしていきたいです。

(高木大輔、小野瀬康介の両ウイングについて)二人ともドリブルで仕掛けることもできますし、良いセンタリングを上げることもできます。何よりもスピードも武器です。縦へ出ることで、相手も嫌がりますし、セカンドボールも前向きに拾うことができます。そういう意味では彼らのストロングポイントが出ているのかなと思います。後ろから押し上げることも引っ張られることもありますが、そのバランスはうまく取れています。

(仲の良い奥山について)やっぱりイヤな選手ですし、ウチのストロングポイントを消しにきていました。小野瀬康介がドリブルで抜けていた場面もありましたし、止められる場面もありましたが、二人は良いマッチアップだったと思います。

(左SBをやっていることに意外性はありますか?)レノファでも後ろ全般ができていたので、ボランチを入れた後ろのほうの6枚のポジションは監督に求められることをしっかりと表現できる選手なので、意外な感じはしていません」

 

■FW 19 オナイウ 阿道(山口)
分析で表現すべきことはやれていた
「最近はシュートを打てるシーンが少なく、もっと打ちたいなと思っている中でチャンスもあったので、決めたかったですね。攻撃の起点になることと前の選手に点を取らせるサッカーをするということはシモさんが言っていることなので、その期待にゴールという形で勝利に貢献することです。(オナイウ選手から見た両ウイングについて)それぞれ特徴はありますが、二人から突破やクロスボールなどが出てくるので、そういったボールを決め切ることを考えてやっています。(2・3月の月間MVPに選出されたことについて)個人として、それをもらえたことはうれしいですが、それはチームとしてやりたいサッカーができていることなど、それができているからこそ、そういった賞をもらえると思っています。これからもそれを続けて、その中で個人の役割を果たしていきたいです。

(周りを使うプレーに成長の跡がうかがえるのでは?)監督も前を向いているプレーヤーや状態の良い選手にボールを預けるといったことは言われています。PKを取ったあの場面も僕が前を向いた状態で走っている池上選手が見えていたので、良いボールを出せました。それがPKにつながって良かったです。どちらかというと、前半は僕の頭上や横をボールが通過することが多かったです。チームとしてやることはできていましたし、分析で表現すべきことはやれていました。ただもう少しセカンドボールを拾える状況を作れれば良かったかなと思います。シモさんには信頼をして使ってもらっていて、点を取って勝ちにつながる試合もあり、試合に出ないと分からないこともあります。いろいろと課題も見つかります。試合に出続けるのは良いことなのかなと思います」

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