「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「決して勝てたわけではないが、選手たちは尊敬に値するプレーをしてくれた」+大分・片野坂知宏監督、馬場賢治【監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第11節・4月28日(土)14:00キックオフ
大分銀行ドーム/7,205人
大分トリニータ 4-3 FC町田ゼルビア
【得点者】大分/3分 馬場賢治、31分 馬場賢治、45分 馬場賢治、90分 伊佐耕平 【町田】47分 酒井隆介、84分 平戸太貴、90+3分 藤井航大

 

■片野坂 知宏監督(大分)
ーーまずは試合の総括からお願いいたします。
「試合は4-3というスコアでしたが、町田さんは退場者が出たことで一人少ない状況となり、後半は疲労の影響もあったのか、交代枠を使い切ったあとにピッチを出た選手がいたことで11対9になる時間帯もありました。町田さんはその中でやるべきことがハッキリした試合になりましたし、われわれは前半から良い形で狙っている形から得点を積み重ねることができました。しかし、後半の開始直後に失点をして、追加点となる4点目、ダメ押し点が取れない苦しい状況の中で、自分たちで苦しい状況にしてしまいました。

選手たちにあらためて話したいと思っていますが、隙があったのか、緩みがあったのか、疲労があったのか、こういうゲームをすることは、私自身本当に嫌いです。勝ち点3を取りましたが、あまりうれしくない勝ち点3というか、内容も伴ったゲームをしていかないと、われわれは42試合が終わったあとに目標を達成できるように一つひとつの試合を全力で戦っています。今は首位かもしれませんが、こういうゲームをしていると、必ず痛い目にあうと思っています。選手たちにはしっかりと反省をしてもらって、もっと積み上げないといけないことがありますし、絶対に隙を作ってはいけません。また32選手でしっかりとやっていきたいです。

相手がどこであれ、相手がどういう状況であれ、スコアがどうであれ、自分たちの最大値の力を90分間出し切って、積み上げていけるチームにしていきたいですし、戦う意思があって、どこにも負けない、隙のないチームを作り、判断と質で相手を上回るゲームをしていきたいです。

前節の金沢戦、今節の町田戦と、金沢さんと町田さんは素晴らしいチームでわれわれを苦しめました。彼らの戦う姿勢は学ぶべきことですし、しっかりと足元を見て、やるべきことをやって、次も大宮とのホームゲームになりますが、相手は格上で素晴らしいチームだと思います。それでも勝ち点3を取れるように準備をしていきたいと思っています」

——相手が数的不利になった難しさもあったのでしょうか?
「本来、相手が少なくなれば、相手を上回って失点もせずに勝ち切るゲームをしなくてはならないと思いますが、サッカーの世界では、そうなって逆に難しくなるというケースが多々あります。今回は本当に自分たちで首を絞めてしまいました。

町田さんは少ない人数の中で、セットプレーやパワープレー、個の能力で上回るといったストロングポイントを顕著に出してきました。もちろんそれらを警戒はしていて、交代で竹内を入れましたが、なかなかそこが機能しなかったです。どちらに転ぶか分からない試合展開の中で、ここで勝ち点3を取れなかったら本当に僕の責任ですし、サッカーは本当に怖いスポーツだと思います。

攻撃にしても、点を取りに行くのか、しっかりとつなぐのか。守備でも絶対にやらせない姿勢といった『やるべきこと』を90分を合わせてやれるように、選手たちに話をして準備しなくてはなりません」

 

■FW 38 馬場 賢治(大分)
後半の早い時間帯での失点で意思統一が難しくなった
「チームとして準備をしていたことで町田のゲームでは相手の守り方であのようにサイドのスペースが空くことは分かっていました。相手の選手がどう動くかによって、自分が動くべきスペースも整理できていました。チームとして良い準備をできていたことが結果につながったと思っています。J2ホーム通算300ゴールが自分で良いのかなとも思います。今日は勝ちはしましたが、自分たちとしてはやらなければいけないことがたくさん出たと分かったと思います。次もホームでトライできるチャンスがあるので、ホームで勝ち点を積み上げられるように頑張ります。

僕は点を取ったらエライとかそういう環境で育ってはきませんでした。それよりも球際で戦えたかとか、チームとしてやるべきことをどれだけ遂行できたか。それが大事なことだと育ってきたので、そういう意味ではやろうとしたことはやれました。でも、もっとできる部分はあります。生粋のFWではないので、3点を取るという感覚が分からないのですが、うれしいですけど、それよりもどういうプレーをできたか、ということですね。

(3点差があっても危ないという雰囲気はピッチの上で感じていたのですか?)ハーフタイムに4点目を取ることも大事だけど、失点をしないことも大事と話していました。後半の早い時間帯に失点をしたことで、どうすべきか、その意思を統一することは難しくなりました」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括からお願いいたします。
「遠く大分まで一緒に戦いに来てくれたファン・サポーターのみなさまにありがとうございましたとお伝えしたいと思います。非常に悔しい、そして難しいゲーム展開となりました。立ち上がりがうまくいかず、大分さんの準備してきたことと、われわれのやろうとしたことがぶつかり合う中、相手に上回られたことで、早い時間での失点と退場という形で非常に難しいゲームになりました。

ただその中でも最後は10人ではなく、9人になった中で選手たちが最後までリスクを負って戦ってくれたことに感謝したいなと思いますし、決して勝てたわけではないですが、選手たちは尊敬に値するプレーをしてくれたと思います。残念ながら試合のスタートを良い状態で入らせてあげられなかったことは本当に私の力不足ですし、彼らの力はあれだけのものがあるのに、それを引き出せなかった私の力不足でもあります。本当に申し訳なく思っていますし、今日のゲームを壊してしまったなと思っています。

ただ今日の彼らの姿は必ず次のゲーム、そして今後のゲームに生きていくと思いますので、今日出してくれたものをいつも出すことは難しいかもしれないですが、出せるようなチームにすること。そして良い状態にして戦えるように、まずは次のゲームがすぐきますが、ヴェルディ戦に向けて準備をしたいなと思います」

ーー中4日で次のヴェルディ戦を迎えますが、次に向けて何をチームに働きかけていくか、どうアプローチしていくか。今イメージされていることがあれば教えてください。
「まだ試合が終わったばかりではありますが、やはりリスクを冒さないと何も手に入りませんし、リスクヘッジをしたままで手に入ればそれは良いですが、リスクを冒して手に入るものがあるということを、今日は選手たちが教えてくれました。どうすればその状態でピッチに入れるか、今回はそれができなかったということを含めて、良い試合の入りをさせてあげられるようなことをたくさんしたいなと思っています」

ーーいつも町田と大分はお互いのスタイルをぶつけ合って良いゲームになると思うのですが、昨季この大銀ドームで対戦した時は町田さんのゲームになりました。試合の立ち上がりでうまくいかなかったのは、何が原因だったのでしょうか?
「ここ2試合負けていた中で、私が選手たちに自信を持って試合に入らせてあげることができませんでした。当然、自信を持って入るのは難しいのですが、特に最終ラインの選手たちが、要は自分たちで判断してリスクを取ることやそのリスクを取りに行ったあとのカバーをすることなど、そういった部分を自分たちで判断するというよりは、ちょっとやらされているような状況でやってしまいました。そういう心理状態で選手たちをピッチに入れてしまったことが、今日の敗因のすべてです。

自分たちでリスクを負うというよりは、無理にやらされているような状況となっていました。やはり自分からプレーするものを引き出してあげられなかったことが、今日に関しては敗戦につながったのかなと思っています。そういったことを含めて僕自身もまた、勉強という言い方をしたら、本番のゲームをやっている中で申し訳ないのですが、個人として成長していきたいなと思っています」

ーー今日は右サイドのフリーのスペースを突かれたと思いますが、後半はそのあたりの修正をどのようにされたのか教えてください。
「先ほども少し話をさせていただいたのですが、どちらに主導権があるかといった部分で、自分たちに主導権がない時に無理に遅れて行くと、前半は逆に穴が開く形ができてきてしまいました。そういったことがこれまでの敗戦にもつながっていたため、修正する形を提示してきましたが、まだ自分でしっかりと判断してそれができる状態にもまで持っていけずに、それはメンタル面の影響が一番大きいと思っています。私の方で選手たちをうまくピッチに入らせることができませんでした。

後半に関しては人数が足りない中で当然、自分たちが主導権を取っていける回数が減ります。前半の最後の2失点は、単純に主導権を取られているのに、無理して行って点を取られた形だったと思っています。後半はそのあたりを修正したという形になります。それでも相手にたくさんのチャンスがありましたので、点を取られていてもおかしくはなかったと思いますが、シュートを打たれる場面で最後まで体を張ってくれた選手もいたと思っていますし、そういった面を含めて、粘り強く戦ってくれたと思っています」

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