「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】「“マイクラブ”に捧げる1週間の全貌とは?」海江田哲朗×郡司聡対談/前編【番記者の1週間/J論・オレたちのライター道】

▼好対照な試合日の過ごし方

郡司 エルゴラでヴェルディを担当していた時代から、海江田さんは試合後にバタバタっと仕事をしている様子がないので、「いつもどうしているんだろう?」と不思議に思っていたのですが、これを機会に聞いても良いですか?

 

海江田 試合のあとはひたすらダラダラしている。これは強化できる部分なのかなと。ファン・サポーター心理としては、勝った時は何でも読みたいもんでしょ。でも、その気持ちが分かっていながら何もしていないんだけど……。短めのレポートでも載せようと思ったんだけど、ずっと続ける自信がない。

 

郡司 例えば選手コメントは、コンテンツになり得ると思いますが?

 

海江田 マッチレポートとのコメント被りが嫌なんだよね。でも大して熟成していないんだよ。とにかく試合のあとはダラダラしたいだけ。

 

郡司 ちなみにコメントの文字起こしは、どのタイミングでやっているのですか?

 

海江田 翌日。試合後は原稿が形にならないまま、モヤモヤしていることが多いね。とにかく一人でいたい時間。あらためてこう振り返ると、無駄な時間が多いな(笑)。

 

郡司 試合後は、そんな思い切りの良さが隠されているのですね。

 

海江田 オレのブログを読んでいる読者はある程度分かっていると思うんだよね。「コイツ、ダメなところあるなー」と。せっせと働けるタイプではなく、ライターとして反応の良さで生きていないなということが。例えばタグマ!を始めた初年度の年末年始は「2週間休む!」と宣言したからね。タグマ!のほかのライターさんから「海江田さん、休み過ぎ!」と言われたけど、そういう奴だからこればっかりは仕方がないんだよ。

 

郡司 その一方でアウェイを含むトップチーム公式戦全試合取材というハードルに関しては、どんな認識ですか?

 

海江田 それは好きだから続けるよ。たとえ借金をしたとしても(笑)。義務感というほど重くないはないし、オレからすると当たり前の感覚。ただACLもあれば、考え方は変わるかもね。でも今年はキャンプの日程を1日間違えて早く帰ってきちゃったけどね(笑)。

 

郡司 なるほど、「番記者の1週間」の中に“海江田スタイル”が垣間見えた気がします。

 

海江田 オレがフリーになった理由は、いたってシンプル。フリーは仕事をしたぶんだけお金がもらえる。稼げなくなれば、原稿が面白くなければ死ぬ。そうやって生きたいからフリーランスになった。ただ受注仕事で立ち行かなくなる時代がこんなに早いとは思わなかった。今回の裏テーマでもある「自己プロデュース」に関しては、変われる範囲で変わるしかないのでは?

 

郡司 自己プロデュースの一環として、何かを始めるにしても、やることでのワクワク感は大事にしたいなと思っています。

 

海江田 とりあえずやってみるは、大事なマインドだし、「見る前に飛べ」は大事だけど、その一方で成功のイメージを持っていないとね。

 

郡司 肝に命じます。【後編へ続く】

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