「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「今日の勝利は選手たちがすべてを出し切ってくれた結果です」+讃岐・北野誠監督、木島徹也、佐々木匠、渡邉大剛【カマタマーレ讃岐戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第14節・5月13日(日)16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,414人
FC町田ゼルビア 3-0 カマタマーレ讃岐
【得点者】町田/29分 大谷尚輝、48分 吉濱遼平、79分 杉森考起

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「非常に雨が降るという悪天候の中、われわれと一緒に戦うために多くの方々に集まっていただきました。一緒に勝利を喜べることをうれしく思っています。点差こそつきましたが、ギリギリのゲームだった中で、みなさんの声援があと一歩距離を詰める原動力になってくれていたことに対して、ありがとうございましたとお伝えしたいです。

雨が降るピッチ状況の中、讃岐さんがあまり見たことがないようなシステムでした。讃岐さんが前にポイントを作ろうとしている中で、われわれも前に重心を置きたいと思っているチームですから、そこで引かないためには1対1で負けないことが大事な試合になりました。

中盤での争いや一歩、切り替えの場面で先に出るや先に戻ることがポイントになったゲームでしたが、選手たちは緊張感を持ったままプレーしてくれたと思っています。ただ少し点差が開いてから、どうしても甘くとまでは言わないまでも、疲労や点差が広がった中で、大事なことが少しできない回数もありましたが、最終的に失点をゼロで終えたことに価値があります。

最後に押し込まれた中で体を張ってゴールを守れたことも評価できることなのかなと思っています。これは選手たちがすべてを出してくれた結果です。今日の結果で3連勝になりましたが、この先も勝利を積み重ねることができるように、勢いを持って戦えるように1週間準備をしていきたいと思っています」

ーー讃岐のプレースタイルは守り勝つ形ですが、今日は前に重心を置くサッカーをしていました。その中で町田さんも前に重心を置くサッカーを狙いとしていたのでしょうか?
「サッカーは点を取るスポーツですので、できる限り守備でも攻撃でも前に行くプレーをしてもらっています。それができている時にはわれわれも良いプレーができているので、それができるような形で選手たちを送り出しています。讃岐さんはメンバー表を見ても3バックだろうな思っていました。その中で我々に対する狙いを持ちながら戦ってきましたが、選手たちは、広げさせられたり、下げさせられないようにすることを意識して戦ってくれたと思っています。

一番大事なことは、球際で一歩前へ出られるか、ボールに強く当たれる時に当たれるかどうか。ボールに強く当たった時に近くにいる選手がカバーできるか。それがポイントになった中で、良い時間帯に点を取れたことが最終的にわれわれのゲームにつながっていったと思っています」

ーー1枚目の選手交代で杉森考起選手をそのまま左サイドハーフのポジションで起用しました。杉森選手をサイドハーフの位置で起用した意図を聞かせてください。
「2トップに対しては、相手のDF陣がバチンバチンと当たってきている中で、杉森はスピードがあるので、そこで相手DFとうまく入れ替わることができて、相手のラインを下げることができるかなと思っていました。そのため、中島を中盤で起用し、杉森を前に置くことも考えていましたが、相手のDFも前半でエネルギーもあり、前に強く出てきていましたので、そこまでの流れも悪くなかったことから、サイドの位置で起用しました。

左サイドのスペースをどう生かすか、という狙いもあったので、そこから仕掛けられる回数も増えるかなと、2トップはそのままで杉森をサイドに起用しました。もちろん、流れが悪くなれば、中島をサイドに杉森をトップに置くことも考えていました。ただ中島をサイドにしたほうが相手に合わせた形になるかなと思ったので、前への姿勢を出すために杉森をサイドのポジションで起用しました」

ーー今日は結果的にFWの選手に得点はなかったですが、逆にいろいろな選手が点を取っている形になっています。監督としては、このままいろいろな選手が点を取るような状況が良いのか。それともやはり2トップの選手が点を取ることが好ましいと思っているのか。果たしてどちらでしょうか?
「その両方ですよね。FWの選手に点を取ってもらうことはすごく大事なことだと思っています。ただやはりチームとして点を取れていることも事実です。その中でFWの選手にチャンスが来ていないわけではないので、そういう中で前の選手だけで点を取り切ることができれば、それに越したことはありません。

今日の試合でも2トップだけでペナルティーボックスの中に入っていく形を作れていました。ただ相手が2トップに警戒を強める中でほかの選手もチャンスができているのかなと思っています。チームとして点が取れていることはポジティブな材料ですが、FWの二人は満足していないでしょう。ただそうした状況が続くことで、最終的に勝ち点が積み重なっていく形になるといいなとは思っています」

 

■北野 誠監督(讃岐)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「0-3というスコアは妥当な結果だと思います。町田さんはしっかりとプレッシャーをかけてくる中で、ウチが引いてしまいました。あそこで我慢をして高い位置を取れれば、セカンドボールを拾えるのですが、どこか勘違いをしていたのか、前線の選手が降りてきてしまって、自分たちの首を絞めてしまいました。前線の選手がチームを助けたいという気持ちだったのでしょうけど、そこを我慢して高い位置を取れるか、深さを取れるか。それが一番難しいことですが、そういったことを表現できる選手が良い選手で、それを表現できるチームが強いチームだと思います。

ただやろうとしていた、ワイドの位置を取って、そこに展開する形も作れていたので、それをなんとかゴールにつなげたかったですね。それが入っていればもっと面白いサッカーができるのかなと思います。繰り返しになりますが、0-3というスコアは妥当な結果だと思っています」

ーー前に人数をかけた布陣になっていましたが、前で起点を作れていなかった印象です。
「それができていなかったですよね。相手を後ろに広げさせることができれば、中盤にスペースができるので、そこでウチの中盤の技術のある選手、二人の佐々木や渡邉が生きる形、パスを出せる形を作れたと思います。そういった狙いを表現できる選手が良い選手で、良いチームでもあります。僕はそれを突き詰めていきたいですし、それができればもっともっと多彩な攻撃ができたと思います」

ーー町田の圧力に対して、押し込まれていた印象です。
「その町田の圧力をどこで受け止めるか、だと思います。3トップは高い位置で起点を作ることを狙いとしていて、町田さんは前への圧力は強いですが、後ろへの圧力はそれほどでもありません。どこでスペースを空けるか。それは中盤、真ん中。ウチは真ん中にスペースを作りたかったということです。たしかに前が後ろを助けないといけないという優しさで降りてきてしまいました。我慢できませんでした。町田さんの圧力の背中を使いたかったのですが、今日は表現できませんでした」

 

■FW 13 木島 徹也(讃岐)
決定機を決めていれば……
「前半の最初のほうに僕とアレックスで決定機を作れていたので、あの場面で決められていれば流れが違ったのかなと思いますが、決められない自分たちが悪いです。セットプレーからの失点が多いことも良くないですね。セットプレーの守備で集中できていれば、こんなに差がつく試合ではなかったのかなと思います。先に点を取れなかったことが相手の先制点や追加点につながったと思っています。

(今後に向けての修正点は?)セットプレーからの集中した守備、決めるべき場面で決めること。それを修正できれば、悪い試合はなくなるのかなと思います」

 

■MF 17 佐々木 匠(讃岐)
相手の強みを消すための戦略だった
「[3-4-3]で中盤はダイヤモンドの形。僕のポジションで時間を作れるように監督は考えてくれていましたが、監督の戦術以前にそれを選手たちが対応できなかったことに尽きるのかなと思っています。練習でやっていたのは、後ろからボールをつないで、相手が前から出てくる中で、僕の周りのスペースを使っていく形です。相手の強みを消すための戦略でしたが、表現をする選手たちがあまり良くなかったと思います。

ただ後半の最後はチャンスを作れましたし、相手が疲れていない時間帯に失点をしないようにもっと考えないといけないのかなと思います。また相手の時間帯で我慢ができているのに、セットプレーで点を取られてしまうことが続いています。それはもったいないので、改善しないといけません」

 

■MF 8 渡邉 大剛(讃岐)
町田は90分、同じビジョンで戦っていた
「0-3でしたので、悔しい完敗です。町田は徹底されているなと。90分間、みんな同じビジョンで戦っていましたよね。2トップが強くて速いので、特徴を発揮できているなと。セカンドボールへの反応も早かったです。ウチもチャンスがありました。少ないチャンスでも決め切りたかったです。ウチは多いピンチをなんとかしのいで、少ないチャンスをモノにしていかないと勝利は見えてきません。セットプレーでやられてしまいました。

町田はボールサイドにコンパクトになってくるので、ウイングをワイドに張らせて、サイドチェンジが有効だと思っていましたが、SBがあまりワイドに寄らずにサイドチェンジのケアをしてきたので、サイドチェンジをあまり良い形で通せなかったです。ただサイドで起点を作る攻撃を何回か出せていました。今日に関してはチームのやり方はハッキリしていて、やろうとしていたことを表現できた部分もあります。出た課題を修正して次のゲームに生かしていきたいです。

後半は個人的なミスが増えたし、0-2になって慌てた部分もありました。今日の試合が一つのヒントになればなと。自分たちでチャレンジして、チームとしてやろうとすることは変わらないです。監督の求められていることを理解してやっていければと思っています。中盤は技術のある選手が多いので、どう生かすか。町田もチームの特徴を生かせていました。自分たちもいる選手たちの特徴を生かして、サポーターのみなさんの期待に応えられるように頑張りたいです」

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