「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「状況が変わっていく中で、選手たちは僕に怒鳴られながらも本当に頑張ってくれた」+甲府・上野展裕監督【ヴァンフォーレ甲府戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第31節・9月1日(日)18:00キックオフ
山梨中銀スタジアム/6,908人
ヴァンフォーレ甲府 0-2 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/17分 中島裕希(PK)、45+3分 オウンゴール

 

■上野展裕監督(甲府)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「試合は不運な面があったと思います。しかし、それをはねのけて、人数が少ない中でチャンスを作りましたので決め切りたかったですが、それを決め切ることができませんでした。そのチャンスを決め切れないと同点に追いつくことはできませんし、勝ち越すこともできません。この結果をバネにして、チャンスは作っているわけですから、それを決め切れるようにしていきたいです。選手とコーチングスタッフと一丸となって、次の試合に向けて準備をしていきます」

ーー一人少なくなって70分以上戦いましたが、会場もチームも熱くなり過ぎたように見えました。選手には何と指示をしましたか?
「バラバラになるなと。いらない警告はもらうなとは伝えていました。熱くなる面は良いのですが、それは半分演技であるべきですし、警告をもらっては元も子もないです。警告を受けて出場停止になることもありますし、1試合で2枚受けると退場処分になってしまいます。熱くなる気持ちと冷静な気持ちで戦ってほしいです。ただ選手を攻める気はありませんし、不運な面はあったにせよ、チャンスを作って決め切る力をつけていきたいと思っています」

ーーチャンスを作った中で決め切るには何が足りないのでしょうか?
「練習が足りないのか、技術が足りないのか。最後に落ち着いてゴールを決めるには繰り返し練習をするしかありません」

ーー10人になった中でシステム変更や選手交代をしていましたが、その意図や狙い教えてください。
「一人少なくなったので、バックラインを4枚にして[4-4-1]にしました。最終的には点を取るために前の人数を増やそうと、[4-2-3]のような形にしました。点を取れなかったので、人を代えながらトライをしましたが、最後は疲れてしまったかなと思っています」

ーー後半につなげるためにも、前半に2点目を失点をしないことが必要だったと思います。前半の終わらせ方については、どう捉えていますか?
「もうおっしゃるとおりで、0-1で折り返せれば良かったですが、オウンゴールで失点しました。オウンゴールの場面について、見えなかったのか、当てるだけではなくて、振り切ってしまったのか、小塚にはまだ聞いていません」

ーー0-1で折り返すために、ベンチからの声がけはどうされていましたか?
「ベンチからは落ち着いて戦いなさいという話はしていました。ファウルでFKを与えてしまった形になりましたので、それがないように冷静に戦っていこうと話していました」

ーー実際に失点もしましたし、ほかのプレーで警告を受ける場面もありました。そういった指示が通っていないということに関して、監督はどうお考えですか?
「伝えても中で伝わっているのか、わからない部分もありますし、選手も『わかりました』という反応ではありました。でも試合なので、熱くなる部分をコントロールしながら、できるようにしていきたいと思います。ただ一人少ない分、ギリギリの攻防もあるので、ファウルになっても、やむなしの部分もあるとは思います」

 

■相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「今日のゲームも東京・町田の方から、われわれを応援しに最後まで声を枯らして一緒に戦ってくれるたくさんのサポーターの方々に来ていただきました。まずはありがとうございましたとお伝えしたいなと思っています。一緒に勝ち点3を持って帰れること、そしてそれを喜べることを非常にうれしく思っております。

ゲームのほうですが、立ち上がりの場面でPKで退場という形でわれわれが優位にゲームを進めるという展開になりました。ただ、実際はそれほど優位な展開とはベンチで思っていませんでした。ここ最近、特に今年は夏の試合で松本さんが10人の横浜FCさんにひっくり返されることや、10人になった松本さんが大宮さんをひっくり返すといったゲームがありました。僕の頭の中にはやはりそれしかなく、今日のゲームをどう勝ちで終わらせられるか。そういった意味では正直なところ、相手が10人になった後も非常に長かったのですが、われわれのストロングポイントが出ない、あまり出てこない試合展開になってしまったと思っております。

それはやはり今の他のチームの例ではないですが、夏場に人数が多いほうがリードしていたら少しでも楽と言いますか、いつもだったらあと1メートルあと一歩前に出ている場面や、あと一歩戻っている場面など、やはりそういったものが、そんなつもりがなくても綻びとなって出てしまいます。ゲーム自体を観ていないのでわからないですが、そうした綻びが出ることでひっくり返される形につながるというのが、きっと起きたのではないかなと思っています。

やはり今日はそういう部分を排除しないと勝つことは難しいと思っていました。実際に後半の甲府さんは立ち上がりから策も授けられて、10人での戦いになりながらも、甲府の選手たちはフルパワーで立ち向かってきました。その中で11人だったらそういうプレーをしないな、そういうパスも出てこないなという形のものが出てしまっていましたし、守備の対応の面でリスク管理がないなと思っていた場面がありました。そういった場面があったことで、相手のカウンターから決定機につながり、そこを決められなくて良かった。今日はそういう試合だったと思っています。

ハーフタイムにはかなり厳しい言葉を投げかけましたが、そこまでは多くないものの、最後にシュートブロックで体を寄せる、守備に戻って実際に体に当てているシーンもありましたし、そういった危険な場面に足を運んでくれたおかげでシュートがゴールの枠を外れていたシーンは多々あったのかなと思っています。

そういった部分があったことも含めて、なんとか勝ち点3を持って帰ることができたので、少しホッとしています。本当にゲームというのは非常に難しいですし、状況が変わっていく中で、選手たちは僕に怒鳴られながらも本当に今日は頑張ってくれたかなと思っています。一緒に勝ち点3を持って帰れること、喜べることをうれしく思っています。

まだゲームは続いていきますので、次のゲームに向けて、正直なところ今日の試合は多くの修正をしなくていけない点が出ましたし、もう一回見直して次の戦いに入れるようにしたいなと思っています」

ーー1点をリードして、判定のことでスタジアムの空気もやや騒然とする中で、受け身に立たずに試合をコントロールすることが決して得意ではない町田がフェアにどう激しく戦うのか。そのあたりの意識づけや声掛けなどは選手たちにどう伝えましたか?
「先ほどの話ではないですが、やはり準備のところで少しずつ気が抜けてしまうシーンがあったり、連続性がなく一回で終わってしまうシーンがあったり、やはりそういうものが続いていく中で、後半はわれわれのファウルを取られている回数が非常に多かったと思います。

反応や予測も含めてですが、結局その一歩が前に出ておらず、甲府さんのほうが前に出ている状況でした。そのため、そうなってほしくないからハーフタイムにそれこそ怒鳴ったわけです。

正直なところやはりなかなか難しい展開でしたが、決定的に綻ぶところまではいかずに選手たちはやってくれました。実際にカードも出ている、PKもあったという状況であったことを踏まえれば、そういった部分が出てしまう可能性も十分にある中で、われわれとしては気をつけなくてはいけないという展開であることも事実でしたので、そのあたりのことは選手たちにも話をしていました。

ただその一方で、人数が多いから次の選手が拾ってくれるだろうと思っていたことが、球際の部分で少し甘くなったのかもしれませんし、もしかしたら、それがグイグイと深い位置まで持っていかれるシーンにつながったのかもしれません」

ーー最初の交代で吉濱遼平選手を入れたと思いますが、その意図と狙いを教えてください。
「後半は相手が10人であろう何人であろうと、まずは自分たちのスタイルを取り戻そうとしていました。先ほどコントロールできないと言われてしまいましたが、われわれは自分たちのやり方でコントロールしているつもりです。ただ動き出しやボールの配球もできていなかったですし、そういう中で体力的に厳しいことで逆に間延びしてしまっている部分がありました。そのため、遼平にはボールを収めて前で時間を作る働きを期待しながら、プラスリードしている展開の中で攻守のバランスを取るためにもあのような選択をさせてもらいました」

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