「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「最後に点を取り切るという部分でもう一歩が足りなかった」+岡山・長澤徹監督、仲間隼斗【ファジアーノ岡山戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第38節・10月21日(日)16:00キックオフ
シティライトスタジアム/8,094人
ファジアーノ岡山 1-0 FC町田ゼルビア
【得点者】岡山/34分 武田将平

 

■長澤徹監督(岡山)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「今日はスタジアムに8,000人以上の方が集まってくれました。目標に対して非常に厳しい状況であるという現実は選手にはずっと伝えてきました。ただそこから現実逃避をするのではなく、その状況でもこれだけのサポーターの方が集まってくれたことに対して本当に感謝しています。ミーティングで選手には今年の最初に選手がいろいろと入れ替わったタイミングでも話をしたことですが、今日も同じことを話しました。

Cスタのサポーターの人たちはファジアーノ岡山のエンブレムのために本当に命をかけてやれるかということを見に来てくれていると、だからそういう姿勢を見せて、その姿勢をとにかくファン・サポーターの方々に認めてもらえるようなプレーしようということを伝えました。選手たちはそこの部分は非常に胸を張って戦っていたと思います。

なお、ゲームのほうですが、町田さんとやる時はいつもこのようなゲームになります。また町田さんに関しては話題も大きいですし、本当に確実に勝ち点を積み上げていって上位に立っているチームです。特別な状況下にもかかわらず、相馬監督が選手を焚き付けてやっていることを含めて、非常に強力なチームだと思っていました。

町田さんは特殊なチームです。ボールの動かし方は、深い位置からウチのワイドの後ろのスペースに出すボールが、1試合40本近くになるので、それに対するボールのコースへの対処と、その後のセカンドボールが非常に大事ですし、そういった戦い方が非常に整理されているチームなので、一瞬の人の移動で負けないようにという意図で、中盤を3枚にしてゲームを進めました。

その点に関してはほぼ毎試合そうなのですが、そういうゲームプランに関しては非常にきちんとやってくれる選手たちですし、そういった部分を押さえながら、勝負の一瞬はまた別のところでやってくるものです。そういう意味では2トップの(赤嶺)真吾と(仲間)隼斗で彼らのディフェンスを外して、長い距離を走っていった(武田)将平が決めたというゴールシーンは、自分たちがリスクを冒して出ていくという意味で非常に良い得点だったと思います。

そこから先の部分はずっと課題ではあるのですが、2つ目のゴールを取る手前で、少しプレーの精度が落ちることがあるので、そのあたりのできていることとできていないことは、謙虚に見直して、残り4試合を戦っていきたいと思います」

ーー右のCBに増田繁人選手を起用した理由と後半の途中からアンカーの位置を上田康太選手から塚川孝輝選手に変えた理由を教えてください。
「町田が特殊なボールを配給してくるので、チームの戦術を遂行する前にそのボールを弾き返さないといけないため、増田を使いました。また増田は町田のFWの動きもある程度、熟知しているので先手を取れるだろうということで増田を起用しました。

(塚川)孝輝の話はああいう性格なので、少し前がかりになって点を取りに行き始めたので、それによって体力のマネジメントをする上でも、中央にドッシリと構えて最後までこぼれ球のボールに参加してほしいのですが、彼は言っても言うことを聞かないタイプなので、ポジションで固定して、(上田)康太はいつまでも走り続けられる選手であるため、康太に外に出てもらいました。少しバランスを中で修正するために、選手交代をするのではなくて、二人の立ち位置を変えました」

――無失点に抑えられた守備陣について。
「立ち上がりからシュートがポストに当たったり、後半もポストに当たったシーンがありましたが、ギリギリの場面で相手がシュートを打つ時に視野に入っていくことと、最後までGKと連動することなど、本当にセンチメートル、ミリ単位の部分が重要なことです。

勝負を取れない時によく言うことなのですが、1センチとか、俺一人が、とか、一回くらいという心の戦いがあって、それを隙と言います。そういったことをこういう厳しい状況でも、本当に練習の中で一人ひとりが研ぎ澄ませています。痛いミスもリーグの中で繰り返していますが、今日の勝利はそれを一回ずつ思い出してメンタル面で彼らがしっかりと改善してくれた結果だと思っています」

 

■仲間隼斗(岡山)
辛抱強く戦った結果
「(狙い通りに進められたゲームでした)狙い通りというか、本当に辛抱強く戦った結果かなと思います。(2トップでどんな攻撃が有効になると思っていましたか?)相手はハイラインを保ってきていたので、なんとか裏を突きたかったです。ゴールシーンがそうでしたが、本当にわずかなタイミングでも背後を取っていければウチの流れになると思っていましたし、前半はゴールもできて良かったと思いますが、後半は相手の圧力がすごく強くなったのでなかなか裏を取れませんでした。ただ今日はなんとしても結果が欲しかったですし、後半はずっと守ろうが、失点ゼロであれば勝てるわけです。本当にみんなが辛抱強く戦ってくれたと思います」

 

■相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「遠く岡山までわれわれのために、たくさんの方に来ていただきました。一緒に勝利を喜びたかったのですが、残念ながら喜ぶことができませんでした。ただ選手たちは本当に最後まで頑張ってくれているという中で一緒に喜べないことは非常に申し訳ないなと思っています。でもこの戦いの場に足を運んでいただいたみなさんに、まずはありがとうございましたとお伝えしたいと思います。

総じて言ってしまうと、本当に徹底した岡山さんに負けてしまったということに尽きるかなと思っています。岡山さんの徹底することを上回り切れませんでした。もう少し策であったり、ピッチ上の選手たちにいろいろなことを授けてあげられれば良かったと思います。ただ最初にもお話ししたとおり、本当に選手たちは連戦という、ただでさえも相手よりもキツいスケジュール、コンディションの中で100%、120%の戦いをしてくれたと思っています。この試合を勝ちにしてあげられなかったのは、私自身にとっても悔しい試合となりました。

ただ、選手たちと一番上を見ようと言っている中で、やはりそういったことを上回る何かをつかまないと、そういった景色にたどり着かないのは事実であると思います。次もまたアウェイが二つ入る連戦になるのですが、しっかりと準備をもう一度毎試合、勝ちに向かって100%、120%ファイトする、そういうチームを作っていきたいなと思っています」

ーー後半のわりと早い段階でドリアン・バブンスキー選手やロメロ・フランク選手を投入したと思います。あの時間帯での選手交代をすることで期待していたチームの化学変化は、どんなことだったのでしょうか?
「先ほども言いましたが、徹底した相手から点を取る部分が足りていなかったですし、追いかける立場ですから点を取らないといけないシチュエーションでしたので、やはりパワーのある選手が必要でした。そういう意味でドリアンにも、前でポイントになることを求めていました。

またもう一つは、やはり相手が引いたあとにゴール前を固めてくることはわかっていたという中で言えば、上のボールを競り合うということも含めて、彼には期待していました。そしてフランクにしても、ここ最近は非常に良いプレーをしてくれていたため、前線でポイントを作って、そこからフィニッシュに入っていく形を期待していました。

彼らは実際に期待していたような仕事をしてくれたと思いますし、彼らだけの話ではなく、チームとして足りなかったことになりますが、最後に点を取り切るという部分でもう一歩が足りませんでした。最後に点を取り切るという部分は、またみんなでやっていくしかないかなと思っています」

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