「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「自分たちの力で次の試合まで何かを起こすチャンスを残せた」+愛媛・川井健太監督、田中裕人、有田光希、安藤淳【愛媛FC戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第41節・11月11日(日)15:00キックオフ
ニンジニアスタジアム/3,971人
愛媛FC 0-2 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/86分 中島裕希、90分 ドリアン・バブンスキー

■川井健太監督(愛媛)
ーーまず試合の総括をお願いいたします。
「2018シーズンホーム最終戦ということで勝ち点3が欲しい試合でした。今季は苦しいシーズンになったというのが率直な感想ですが、そんな時でも我々を支えてくれたファン・サポーターのみなさん、スポンサーさまにここニンジニアスタジアムで笑顔になってもらうためにも勝利をつかみたかったです。しかし、それができずに申し訳なく思っています。ただ選手たちは100%以上戦ってくれましたし、それに対してはまったく不満はないです。もっとそれ以上のなにかを私が選手たちに与えることができれば、勝利につながる試合になったかなと思っています。まだ1試合は残っていますので、またチーム一丸となって、最低でも昨季の勝ち点51を目指して戦っていきたいです」

ーー効果的に裏のスペースを突けていましたが、チャンスを決め切れない展開でした。ただ後半は少しテンポが上がらなかった印象です。
「町田さんが空けたスペースを突く形はできていましたし、選手たちは少し戸惑った部分がありましたが、やってくれたとは思っています。ただチャンスを決め切れなかったので、トレーニングと意識、この二つでもう少し改善できたと思います。やはり1本を決めていれば違う展開になりました。町田さんと対戦する時の後半はアウト・オブ・プレーが多くなるので、テンポが上がらなくなります。その中でもチャンスを作ることはできていたと思います。敗因はフィニッシュの部分に尽きるのかなと思っています」

ーー今日はプレッシャーの早い町田さんが相手でしたが、GKからボールをつなぐスタイルでチームとしても十分に戦えたのかなと思います。川井監督の目指すサッカーへの評価はいかがでしょうか?
「やはりわれわれはゴールを決めたいです。得点をするためには攻撃をしなければなりませんし、攻撃をするのであれば、必ずボールがないとできません。そういう意味でボールは非常に大切です。後ろから丁寧につなぐという話はしていません。丁寧にやりなさいよということもトレーニングでも言っていません。アタッキングエリアまでボールを運ぶにはどうするか、それを追求して共有してトレーニングしています。

今日に関しては、後ろからのビルドアップは、したほうがいいかもしれないよね、という話はしてきていますが、最後は選手たちが判断していることです。そういう部分では今日のゲームでは勇気を持って自信を持って、われわれのスタイルを一番出しづらい相手ではありますが、それを存分にやってくれたことは評価できることだと思っています」

ーーシーズンに途中に監督に就任されて、難しい段階でのバトンタッチにはなりましたが、勝ち点も伸ばして残留を決められました。今季はここまで指揮を執られて、チームの成長をどうお感じになられていますか?
「僕自身はチームが成長していると思います。厳しい状況であったことで、勝ち点が必要な状況でしたが、もう一つ選手たちに要求していたことは成長することです。ここの部分で結果を出すためには成長不可欠でした。それは僕の中でも確信していることではありました。それに対しては、目の前の勝ち点だけを追うのではなく、今まで自分ができなかったこと、やりたくなかったこと、そういうことにチャレンジしてくれたと思います。

そういう部分で言えば、彼らが今やっているフットボール自体が愛媛のスタイルになりつつある段階まで来ているのかなとも思います。彼らが本当に愛媛のためにいろいろなことをチャレンジしてくれました。残留を勝ち取ったこと以上に、このクラブはこういう形でこうしていくんだということの礎を作ってきている選手たちです。そのことには本当に選手たちに感謝したいです」

 

■田中裕人(愛媛)
2失点目は相手の狙いの一つだった
「後ろを4枚でやっても、3枚でやっても、愛媛の形でボールを回せていると思います。相手が今日は4枚だった中で、4枚を採用しました。つなげましたし、サイドで数的優位を作ることもできていました。相手のロングボールというか、FKでの失点とか、2失点目はDFのミスでしたが、あれは相手の狙いの一つでもあると思います。ガチャガチャした中でボールを奪って攻撃することは相手が狙っていることだと思います。つなぐという判断も良いですが、自分を含めた周りがクリアしても良かったですよね。試合の中で判断を変えていかないといけない部分もあったのかなと。それを言ってもホーム最終戦なので勝って終わりたかったです。

ホーム最終戦のセレモニーもあったので、もうシーズンが終わったような雰囲気になっていますが、とにかく切り替えて、残り1試合を全力で戦わないと。相手が順位が上でも球際でも戦えました。高さも失点はしましたが、十分にやれました。僕たちもレベルアップしている途中というか、健太さんになって教わっている途中です。チームとして、個人として、レベルアップしないといけません。その自覚と責任を持たないと、今の順位から上には行けないと思います」

 

■有田光希(愛媛)
攻守両面でチームとして連動できていた
「手ごたえとしては、前半からやれていた部分はありました。相手のストロングポイントを消しながらというのは難しかったけど、うまく耐えることができましたし、自分たちの形に何度か持っていくことができました。そこの精度を高めて、最後を仕留めることができていればこういう展開にはならなかったと思います。狙い通り、対策してきたことはしっかり出せたと思います。練習ではうまくいかなかった部分が多かったですが、試合ではチームとしてうまくできていた感覚がありました。

守備陣もその対応をしっかりとやってくれましたし、攻守両面でチームとして連動できていた手ごたえもありました。やはり最後の部分でチームのためにも結果を出したかった。チャンスが多かった中で点が取れなかったので、結果的には決定力が課題と言われてしまうと思います。ただ、序盤はチャンスが作れなかった試合が多かった中で、後半戦は形がどの試合でも出せていますし、それはこれからの強みにもなる。チャンスにどう関わるか、それはチームとして、個人として、成長の余地はあると思います。ほかの攻撃の選手も力を高めていければ点を取れると思います。前線を含めて、出ていた選手たち、一人ひとりがなにかを持って取り組めればやっていけると思います。

(システムも二つを併用しながら、チームとしての戦い方の幅も広がっているのでは?)相手によって変わることがありますが、どちらにしても自分たちの形を出せていると思いますし、[4-3-3]を結構やっていますが、どの試合も楽しくやれています。それプラス、ベースの[3-4-2-1]がありますから、相手も嫌がっているのかなと思います。自分たちはやりやすさを感じています。

今日はなんとしても勝ちたかったですし、昨季の51という勝ち点を超えるチャンスでもありました。そのチャンスを自分たちでなくしてしまいました。いまさらですが、勝てた試合でした。最終戦はアウェイですが、なんとか勝ってやれることを示したいです。

前半戦は少しブレる部分がありましたが、後半戦は自分たちの形を出せる試合が増えてきました。やれたことをベースにバリエーションを増やしつつ、結果も残せるシーズンにしたいです」

 

■安藤淳(愛媛)
順位の差が結果に表れた
「後ろからボールを持った時に町田は組織的だったので、僕からトップ下の選手(インサイドハーフ)にボールを入れるケースはほとんどなかったと思います。それは向こうの狙いで、そこを剝がせれば外からもう少し攻める形を作れたと思いますが、特に右サイドは機能しなかったのかなと思っています。

やろうとしていることは町田戦でも変わることはありません。実際に左サイドでつないで崩す場面はありました。そういうプレーをもっと増やせれば良かったですが、相手の組織的なスタイルとポゼッションのスタイルが結果的にぶつかる形になりました。そこで負けてしまったのかなと思います。それが順位の差に表れていると思います。

みんなが自信を持ってプレーできるようになっています。GKからつなぐスタイルはビビっていたらできることではありません。自信を持って戦えている証拠です。そのクオリティーを単純に上げないといけません。中を締められた時に、町田のような相手にどう崩すか、それは課題になったと思います。後ろのテンポの作り方も影響しますし、外との関係と、SBとCBの関係、ボランチとCBとSBの関係が大事になってくると思います」

 

■相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「東京・町田から遠いここ愛媛・松山までたくさんの方々に集まっていただきました。非常に力強かったですし、この前のゲームの後、『一緒に戦いましょう』と呼びかけたのですが、それに乗っかって来てくださった方もいらっしゃったと思います。本当にありがとうございました。非常に難しい試合でしたが、最後にパワーが出るような、そういうサポートをいただいたと思っています。本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

ゲームの方ですが、われわれにとっては、少し難しい試合でしたし、特に前半はわれわれの良さがあまり出ない、そういうゲームだったなと思っています。私自身はそういう話をしませんが、実際に昨日の他会場のゲームの結果の中で上位を争っているチームが勝利を収めたとか、そういったことが影響したことで硬さが生まれ、大事にしようとプレーしている中でちょっとずつや半歩ずつとか、それがわれわれの出足の鋭さが少ない前半になってしまったなと思っています。

そういう試合展開で後半に折り返し、選手たちにも後半はスタートから自分たちの戦いをすることで前半の分をチャラにする、そういうものを出していこうと話して送り出しました。実際に後半は攻めるチャンスもありましたし、それはシュート数に表れていると思います。後半は少し打ち合いのような展開になりましたし、実際に体力的には厳しい部分もありましたが、一番最後にきちんとパワーを出して、点を取って勝ち切る試合を選手たちがさまざまなチャレンジをする中で手繰り寄せてくれたと思っています。

ボックス内では相手に自由にシュートを打たれるようなことはなかったと思いますし、ボックスの外からは多少シュートを打たれる場面はありましたが、そういったシーンも含めて、体を張ることを徹底できていました。その中で前の選手が点を取ってくれることを待っている状況の中で、まず一つはセットプレーの形から先制し、二つ目の得点は良い位置でボールを奪ってのロングシュートで決める形になりましたが、選手たちが素晴らしい勝ち方を、選手たち自身が勝ち点を引き寄せてくれたと思っています。

自分たちの力で次の試合まで何かを起こすチャンスを残しましたので、もうあとは泣いても笑っても一つの試合という段階まできました。その試合ですべてを出し切れるように、ホームでもしっかりと戦えるように、1日短い準備期間になりますが、良い準備をしていきたいと思います」

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