「ゼルビアTimes」郡司聡

相馬直樹監督「良い雰囲気の中で勝ち切れて、非常にうれしい」+東京V・ホワイト監督、藤本寛也、井上潮音、佐藤優平、端戸仁【東京ヴェルディ戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第1節・2月24日(日)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/8,814人
FC町田ゼルビア 1-0 東京ヴェルディ
【得点者】町田/63分 富樫敬真

 

◼︎相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願い致します。
「まずは今シーズンの開幕戦に多くの方に来ていただきました。ヴェルディさんとのダービーマッチ『東京クラシック』で、本当に良い雰囲気を作ってくださったと思っています。その中で勝ち切ることができたのは、非常にうれしいですし、サポーターのみなさん、そして開幕するにあたって、準備されてきた裏方の方々も含めて、協力・準備してくださった方々に感謝したいなと思います。ありがとうございましたと述べさせていただきます。

前半からわれわれらしい戦いの中で相手を押し込む展開にはなりました。恐らくヴェルディさんも監督さんのやりたいことのイメージとは違うというか、われわれ対策で戦ってきたと思います。最終的なスタッツはわれわれのシュート数が5本、相手が4本でした。ただボックス付近までは行けているのですが、なかなかフィニッシュまで持ち込めなかった試合でした。ゴールを決めるためには、もう少し崩しのアイディアは課題になってくるのかなと感じました。それがわれわれにとっては大事なことだと感じたゲームでした。

他会場の結果も、1試合だけ大きく点が動いた試合がありましたが、0-0や1-0、1点差というスコアが多く、タイトなゲームが多かったようです。やはりどのチームもこの試合のために準備をしてきましたので、タイトなゲームになったのも開幕戦特有なのかなと。そういった中で、ハーフタイムに選手たちにも話したことですが、何か想像を超えるようなことをしないと点は取れないぞという話はしました。

ゴールシーンではあの距離であのタイミングでシュートを打ってくれたことがゴールにつながりました。また(ロメロ・)フランクがギリギリ足を伸ばして、トゥーキックになりましたが、つないでくれました。またその前のことを言えば、奥山がグッとボールを運んでくれて、ちょっとずつのプレーを積み重ねることでゴールにつなげてくれました。長いシーズンが始まりましたが、細かいプレーの積み重ねが結果につながっていきますし、それで相手に上回られると、相手に結果がいってしまいます。

そのあたりのことを含めて、今日チームにとって最初の勝ち星を取れたことは非常にうれしいですし、自信にもなると思いますが、しっかりとできなかったこともあると思いますので、そのあたりの修正も含めて、また次の試合は相手のスタジアムに乗り込む形にはなりますが、良い準備をしていきたいと思います」

 

ーー2点あります。チーム内の競争がある中で、ボランチを井上裕大選手と森村昂太選手を選択した狙いと、認識違いであれば申し訳ないのですが、今日は監督がテクニカルエリアに出る回数が、少なかったように見えました。それだけ試合を落ち着いて観ていられたということでしょうか?
「まずボランチのことですが、フランクは今年のシーズンが始まってから非常に元気で精神的にも充実していることを見せてくれました。森村も負けじと見せてくれていた中で、少しフランクはコンディションの面で長い時間は難しいかなというところがありました。とはいえ一瞬の爆発的なパワーがフランクにはありますし、そういった中でここは(井上と森村の)二人でいこうと決断しました。森村も出ている時間の中で、もっと点に絡むようなプレー、もっと危険なプレーをしたいと思っていたと思いますが、そのあたりのことを含めて、常に競争と思ってもらっています。ただ今日はスタートでコンディション面では森村に分があったということになります。

もう一つは、僕があまりテクニカルエリアに出なかったのは、少し意図的な部分はありました。今シーズンが始まってからかなり要求高くやってきたつもりです。その中でだいぶ選手たちを縛るような、こうしなくてはいけない、してほしいということも含めて、彼らにとっては少し強制されているように感じる部分もキャンプの期間を含めてあったと思います。いざ今週リーグ戦が始まるとなった時には、彼らに任せるようと思っていましたし、テクニカルエリアに立つと気にする選手は気にしますから、できるだけ立たないで済むのであれば、そうしたいと思っていました」

 

ーーJ1昇格が現実的に捉えられている中で開幕戦を白星で飾ることができた意味をどう捉えていますか? また、セカンドボールを拾う、こぼれ球を拾い続けるサッカーを示せた手ごたえはいかがですか?
「まったく昨年とは違うシーズンになると思いますし、昨年を簡単に超えることはできないシーズンになるとも思っています。改善点も当然ありますが、自信を持てる内容ですし、そこに結果がついてきたことは喜ばしいことです。でも反対にそれが落とし穴になることもあります。現実的にJ1昇格が見えているというお話ですが、決してそうではなくて、ここから自分たちが勝ち点を積み重ねていくしかないので、そこは勘違いしたくないと思っています。ただチームにとって、良い流れに乗るには、勝ち星が大事になってきますので、その点では非常に良かったと思います。

もう一つの質問に対しては、今日のようなゲームをしながら、最後に点を取り切る部分で一歩何かを超えるようなプレーが出てくるかどうかにかかっているので、それをトレーニングの中でも表現できるのか、突き詰めていくしかないのかなと改めて思っています。それをやればわれわれのゲームになるという自信をさらにつかんでいけるのかなと、そういったことが拠りどころになっていくので、それは良かったのかなと思います」

 

ーー先ほど表で藤田晋オーナーの話を聞いたところ、ゼルビアは相手から嫌がられる、面倒臭いチームだと思われていると非常にうれしそうに話していたのですが、そのように言われていることに関して、監督はどう受け止めていますか?
「僕が面倒くさいので……(笑)。対戦相手に嫌がられるチーム、選手にならないといけないですし、相手に嫌がられるプレーをできないといけません。そう言われていることはうれしく思いますが、そのぶん、われわれが乗り越えていかなければいけないものは難しいものですし、高い壁になります。ただそれを乗り越えるための準備については、やれることはやってきました。ここからはゲームをやりながらになりますが、『結局嫌だったね』と言われるように頑張りたいと思います」

 

ーーなかなかフィニッシュまで持ち込めない展開でしたが、セカンドボールの争いでは優位に立っていました。後半は五分五分になりましたが、その原因は前半から飛ばしていたからなのか、それとも別の理由があるのでしょうか?
「両方あると思います。われわれが点を取ったあとは、特にヴェルディさんが後ろで動かしてくる時間もあったのですが、前半はその時間を与えることはありませんでした。そうなると、セカンドボールも拾いやすいのかなと思います。ただできるできないは、体力的な面もありますし、点を取ったことで、選手たちが判断して多少そこに(前から行く形を制限する)持っていった部分もあると思います。後半はもう少し自分たちの形で攻めることができれば、もう少しセカンドボールを拾える状況を作れたとは思いますが、映像で確認してみないと分からない部分もあります」

 

◼︎ギャリー ジョン ホワイト監督(東京ヴェルディ)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずはじめに勝利した町田におめでとうと伝えたいです。今日の試合に向けて選手たちがいつもやっているサッカーとは違うサッカーをしなくてはいけなかったのですが、空中戦が多くなることは分かっていて、選手たちはしっかり対応してくれていたと思います。また選手たちは自分たちのキャラクターを見せてくれましたし、それをやらないといけない時にはできるというのを見せてくれました」

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