「ゼルビアTimes」郡司聡

相馬直樹監督「戦うという部分を発揮しないと、話にならないことを再確認するゲームだった」+岡山・有馬賢二監督、濱田水輝、仲間隼斗、一森純【ファジアーノ岡山戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第19節・6月23日(日)18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,126人
FC町田ゼルビア 1-1 ファジアーノ岡山
【得点者】町田/76分 土居柊太 岡山/6分 イ・ヨンジェ

◼︎相馬直樹監督(町田)
――まずは試合の総括をお願いいたします。
「天候もあまり思わしくない中でのゲームとなりましたが、スタジアムに入るバス入りのタイミングからサポーターの方々にはすごくいい雰囲気を作ってもらいました。本当にありがとうございました。

それだけに立ち上がりはもったいない試合の入り方をしましたし、前半は腰の引けた姿勢が散見されたことも、申し訳なかったと思います。岡山さんもハードワークや球際の攻防はこだわっているチームと分かっていましたし、少し相手の2トップのパワーに関して、コーチングスタッフから情報を与え過ぎたかなと思っています。その分、ラインが少し深かったですし、こぼれ球が相手に行く回数が多く、少し重心が後ろに掛かった試合になってしまいました。そのあたりのことを含めて、相手が勢いを持ってくる中で逃げ腰になり、われわれらしくボールを握ること、背後を突く形を作れなかった前半でした。

後半に向けてはしっかり戦うことだけではなく、ボールを握ること、怖がらずにボールを動かすことをやっていこうと選手たちに伝えました。ところが岡山さんも前半に引き続いて勢いを持って入ってきましたし、少し無駄なファウルも多かったのかなという印象です。自陣で相手にファウルを与えることで自陣から出ていく推進力を出せない後半の15分ぐらいになりました。

ただその時間帯を過ぎてから、選手交代も絡めながら、次第にわれわれらしく、背後を突くことやボールを動かすことができるようになってきました。少し相手がリードを守りたくなってきたこと、そして岡山さんもスタミナが落ちてきたことで球際のボールがわれわれのほうに転がるシーンが増えてきました。そういう中でボックス付近や中でボールが行き交う展開を増やせましたが、ラストパスやフィニッシュを含めて、あと一歩の精度が足りませんでした。そのあたりのことは、もう一段、クオリティーやアイディアを上げていく必要があるなと感じました。

今日の試合を通じては、しっかりと戦うという部分を発揮しないと、話にならないということを教えてもらいましたし、再確認するゲームでした。後半はそういったことを修正して、勝ち点1を取るまでに持ち込んだ選手たちには感謝したいと思います。ただ追いついただけではなく、試合はまだ続きますし、勝ち点3にできるように選手たちと顔を上げてやっていきたいと思います」

 

――結果的に2試合連続で追いついての引き分けという形になっています。後半に点を取れていることを好意的に受け止めているのか。あるいは違った受け止め方をしているのか。どうでしょうか?
「ポジティブな部分は当然あります。相手が守り切りたくなるシチュエーションの中で、点を取り切れていることはポジティブな要素なのかなと思っています。ただ結局はひっくり返すまでに至らないということは、足りないものがあるということです。前節の長崎戦に関しては、2点をリードされているのに、われわれのゲームである、という展開でハーフタイムに入りました。ただ今日に関しては、相手のゲームという中での0-1でした。ひっくり返すことはできませんでしたが、追いついたことは評価できるのかなと思っています」

 

――試合中にも土居選手と中島選手のポジションを頻繁に入れ替える形がありましたが、それはどういった意図だったのですか?
「流れの中でいろいろなことがありました。前半から一度入れ替える形を取りました。出し手の問題もありましたが、距離感の問題もあったと思います。そういう中で少し前でポイントを作りたかったという意図がありました。ただ入れ替えたことでいいボールが入ったかというと、そうではなかったり、していました。

中島を中盤に置く時は出し手になれることを期待しています。もともとは受け手となる選手としてやってきましたが、だからこそ、このタイミングでボールが欲しいということも分かりますし、走っている選手に対しては、常に使ってやろうという意識も持ってくれている選手です。ジョン・チュングンが入って、パサーである森村が抜けた中で出し手になる役割と、ゴール前にボールを入れてから、ゴール前に入っていくことに期待していました。

また土居という選手は、潰れ合いにも強いですし、実際に今年なんかは、点を取る形が横からのボールを押し込む形が多いので、そういった特徴も発揮できるかなと考えた結果です。1点は取れましたが、ひっくり返す形まで持ち込めなかったので、そこまで持ち込めるようにやっていきたいと思います」

 

◼︎有馬賢二監督(岡山)
――まずは試合の総括をお願いいたします。
「町田さんとは毎回激しいバトルになるという中で選手たちが戦う気持ちを出して、競り合いとセカンドボールの部分でも戦ってくれました。前半からリスタートを含めて、何回かチャンスがある中で2点目を取りたかった。そういうゲームです。当然、サッカーの試合なので、受け身に回る時間もありますし、その時間帯をしのぎ切ることも必要でした。ただ戦う部分などはできているので、これからもベースを上げていくことで勝ち点3が近づくと思います。積み上げはできているので、今後も選手たちと勝つための準備をしていきたいです。またいつもお話ししていることですが、サポーターのみなさんに対しては、ゴール裏でわれわれのことを励ましてくれていることに感謝しています」

 

――コンパクトなチームである町田に対して、どんな狙いをもっていたのでしょうか?
「時間とスペースのない中での戦いになると分かっていました。その中でボールを握った時にいかに彼らのプレッシャーをかいくぐるかを考えていましたし、いい状態でサポートしようということは、特に前半はできていました。逆に後半は裏を取れるけど、幅を使う余裕がなくなったので、それができれば、もう少し厚みのある攻撃を展開できたのかなと思っています。そういうことは意識しておりました」

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