監督・永井秀樹は稀代のロマンチストかリアリスティックな戦術家か(J論)

「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料掲載】相馬直樹監督「一番大事なインテンシティーの部分で後手に回ったゲームとなった」+山口・霜田正浩監督【レノファ山口FC戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第21節・7月7日(日)19:00キックオフ
維新みらいふスタジアム/4,864人
レノファ山口FC 3-0 FC町田ゼルビア
【得点者】山口/36分 高井和馬、64分 前貴之、86分 山下敬大

◼︎相馬直樹監督(町田)
――まずは試合の総括をお願いいたします。
「まずはわれわれのサポートに来てくださったサポーターのみなさんに対して、今日の内容は非常に申し訳なかったと思います。それでもサポートしていただき、ありがとうございましたとお伝えしたいなと思います。

ゲームのほうは総じて言うと、正直なところ、山口さんの勢いにやられてしまったと思います。全体的にわれわれに対しての戦い方という意味では、昨年の10月頃に対戦した時も同じような立ち位置を取りながら、山口さんは戦ってきたのではないかと思います。その時の対戦では、山口さんが4バックであったか、3バックであったか、そこまでは記憶していませんが、反対サイドに常に人を集めておきながら戦ってくるという狙いは似たような形だったかなと思っています。ただその時は連戦の中だったこともあってか、1-0で勝つことができました。今回に関して言いますと、正直、インテンシティーの部分で相手に上回られてしまったのかなと思います。

 

もう一つポイントとして、幅だけではなく、深みを作られてしまいました。それが幅が生きる形になったと思いますし、われわれがそこをコントロールし切れなかったこと。そして攻撃の部分で正直、われわれの出来が悪過ぎました。この3点が(敗戦の)理由となったかなと思います。

ただ、一番大事なインテンシティーの部分で後手に回ったゲームだと思います。そこはわれわれも一番大事にしている部分なので、もう一度見直して、もちろん自分たちの戦い方の中で言えば、深さを作らせないことや、攻撃の仕方を詰めていかないといけないと思っています。インテンシティーの部分、さらに実際には走る部分でも後手に回ったことでこのような結果になったと思っています。

しっかりとそこに目を向けて、ちょうどリーグ戦は半分が過ぎましたが、同じことをしていたら、苦しい部分があると思います。そのあたりの部分はしっかりと選手たち、もちろんわれわれコーチングスタッフを含めて、次のゲームまでに時間はそれほどありませんが、切り替えて、立ち向かっていけるようにしたいと思います」

 

――攻撃が悪過ぎたという話でしたが、それは具体的にボールを前線に運ぶ部分なのか。前線でタメを作る部分なのか。二人目、三人目の動きの部分なのか。監督にとって攻撃の特に良くなかった部分はどこでしょうか?
「相手がケアをしていた部分も当然あったかと思いますが、あまりにも手前でボールが引っかかる回数が多過ぎるかと思います。それが、攻撃の一歩目でのシーンでもそうですし、競り合いのボールがシンプルに相手に有利になるような状況のところに落ちるといったことも含めてですが、それ以上にマイボールを動かしていく段階でもう一つ、自分たちで動かしにいけなかったですよね。

またゴールに向かっていく中で必要なことではありますけれども、いかに相手の背中に入っていくかという中で、相手の背中をうまく使い切れなかったこと、さらにはボールの質も、タイミングもそうですが、実際に懐でボールを失う回数が多過ぎたと思います。そこのところで相手の攻撃をこちらが受けるしかないようなシチュエーションで(守備が)始まってしまい、攻撃の終わり方が非常に悪いため、守備も良い状態でスタートできないことが非常に出てしまったかなと思っています」

 

◼︎霜田正浩監督(山口)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「いい流れを断ち切れないように全員でハードワークをしようという話はしていました。町田さんは全員がハードワークを持ち味に、徹底して戦ってくるので、集中力対集中力の戦いになるなと、ハードワーク対ハードワークの戦いでホームでこういう結果を出せたことを誇りに思います。サポーターの前でいいゲームを見せられたことはすごく良かったです。

戦術的な部分はまだもう1試合あるので、細かいことは言えませんが、狙った形を何度も出せました。それは選手たちの実践する力と、気持ちも含めて戦う姿勢を出してくれた結果です。ただまだ課題はあります。決定的な場面でシュートを外していますし、不要なファウルがあります。こういう調子が良い時こそ、謙虚に練習に取り組んでいきたいと思っています」

 

ーー今日で前半戦の21試合が終わった。前半戦の戦いはどうだったか?
「昨年とまったく反対のスタートになってしまったので、もう少し僕たちは準備してきたものをきちんと出せれば、こういう試合を早い段階でできれば良かったと思います、スタートでつまずいた分、それを修正して立て直して、自分たちがどういうサッカーをやるのかを、結果を伴いながらチームの形を作っていくということに少し時間が掛かってしまったかなと思います。

たまたまシステムを変更しましたが、システムではなくて、今日みたいなサッカーが僕たちがやりたいことで、やはり全員でハードワークして、ピッチを広く使って、相手にプレッシャーを掛ける。僕たちのプレーモデルをきちんとやって、結果につなげていこうという戦い方が、前半戦最後の5試合、6試合でできるようになってきました。後半戦に向けて、いい形で前半戦を終えたというのが正直な気持ちです」

 

ーー良くなってきた要因は?
「我慢して使っている選手たちが、本当に成長してくれています。そして、昨季からいる選手と今季初めて入ってきた選手との融合が、思ったよりも時間が掛かってしまいましたが、今は本当に、昨季いたか、今季来たのかが分からないぐらいに、誰が出ても僕たちのサッカーをやれるようになってきました。そういう意味では前半戦の途中からやりたいサッカーができるようになってきたという実感はあります」

 

ーーそのためにポイントになった選手はいますか?
「僕自身、まだ満足していないので、選手の名前を挙げるわけにはいないですが、若い選手、大卒1年目、2年目の選手が試合をやりながら高い授業料を払いながら、涙を流しながら、試合を壊してしまったり、単純なミスで勝ち点3を失ったり、そういう経験を経ながら選手たちが成長してきていると思います。誰かというよりも、そういう選手たちを周りのベテランや経験のある選手がきちんと盛り立ててサポートしてくれていて、今はいいチームになってきたという実感があります」

 

ーー後半戦ではどのように戦っていきたいですか?
「昨季、僕らは天国も地獄も経験したので、今勝っているからといって、これからずっと勝てるとは思わないですし、あの14試合勝てなかった時期を絶対に忘れてはいけないと思っています。今はたまたま負けない時期が続いていますが、明日からまた急に勝てなくなるかもしれないので、そういう意味では常に謙虚に真面目にハードワークをしながら、レノファのサッカーを確立しながら勝ち点3を取りに行きたいなと。目の前の試合のことだけを考えてやっていきたいと思います」

 

ーー前選手がセットプレー崩れから点を取りましたし、前選手のゴールは珍しい形でしたが、何かアドバイスされたのでしょうか?
「よく覚えていないです(笑)。セットプレーでのこぼれ球に対しての思い切りが足りず、カウンターを食らうことが多かったので、シュートで終わろうという話はしたかもしれません。『入れろ』とは言っていません」

 

ーー今季は複数人で複数点を取れています。その理由をどう分析しているか?
「昨季は本当にアド(オナイウ阿道)が爆発してくれました。ただ、3トップに点を取らせたいという仕組みやプレーモデルに関しては、たまたま昨季はアドが取ってくれましたが、チームの仕組みで点を取ろうというサッカーをやっているので、今日の(山下)敬大、(高井)和馬、そういうFWの選手が点を取ってくれています。それから今日の2点目ですが、セットプレーのこぼれ球から(前)貴之が取りました。いろいろな選手がゴールに矢印を向けています。そこから逆算したプレーをやってくれています。そういうところが、いろいろな選手が点を取れている要因の一つかなと思います」

 

ーー若い守備陣についての評価は?
「守備陣の成長に関しては、楠本、流帆(菊池)に関してはまだまだ荒削りで課題も修正点もありますが、彼らを我慢して使うことによって、こんなに早くスポンジが水を吸収するように成長するんだなと。これが僕の指導者としての一番の喜びですし、なおかつ勝ち点3が付いてくるといい相乗効果を生んでくれるので、若い選手を鍛えながらチームを強くしていくという当初のプランをブレずに続けたいと思います」

 

ーー今日は町田さんの密集地隊をかいくぐるために、幅を使うというプランがあったと思いますが、かなり1対1での強さが見えました。その狙いは?
「町田さんと対戦する時に僕たちがどうするかというのは、昨季もやったように、お互いに意地と意地のぶつかり合いになります。そこで絶対に負けてはいけない。彼らがワンサイドに集中してくるのであれば、ワンサイドでの戦いに負けてはいけない。それプラス、そこをケアしながら、僕たちは僕たちのサッカーでアクションを起こそうと。どうやって高い位置まで展開できるか。展開したあとをどうするか。そこまでトレーニングでやってきたので、本当に今日は選手がそれを実行してくれたなと思います」

 

ーーダブルボランチも効いていたと思うが、佐藤健太郎選手を下げた意図は?
「健太郎は本当にサッカーを知っている選手で、行く時と行かない時、潰す時とやらせる時のメリハリができている選手ですが、最初から飛ばしてくれたので、体力的なところもありますし、左サイドを活性化させて攻撃に行きたかったので、小野原を入れて、パウロを入れましたが、そこはセットで、よりパウロ、瀬川が攻撃に専念できるように守備を堅くしたいなと小野原を入れました。非常に小野原もいいプレーをしてくれたと思います」

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