「ゼルビアTimes」郡司聡

土居柊太/今、最も計算できる男が見据える、ゴール量産に必要なこと【鹿児島ユナイテッドFC戦/プレーヤーズ・ショート・コラム】

二巡目の対戦からの新たなプレビュー・コンテンツとして、毎節一人の選手に焦点を当てたショートコラム【プレーヤーズ・ショート・コラム】をキックオフ5時間前に更新いたします(これまでよりも、1時間更新のタイミングを早めました)。キックオフの待ち時間に、移動のお供にご活用ください。(※なお、ピックアップ選手の試合出場を確約するものではありません)。

■明治安田生命J2リーグ第36節・10月13日(日)17:00キックオフ
町田市立陸上競技場
FC町田ゼルビア vs 鹿児島ユナイテッドFC

▼驕ることなく、全力で

試合2日前、11日の紅白戦での光景だった。

左サイドでボールを保持した土居柊太は、3選手に囲まれながらも相手を引きつけ、パスを展開。主力組が前を向いてスピードアップするきっかけを作った。“ペナ角”で起点を作ろうとするチームが、そこまでボールを運ぶ際、今季はボールを握りながらターゲットスペースに進入するアプローチにもトライしてきた。前述のプレーは象徴的とも言えるワンシーンだが、相手に寄せられても前への推進力でボールを運ぶことができる土居は、今のチームで最も計算できる選手の一人だろう。

「奢ることなく、全力でのプレーは毎試合やれています。でも試合に出られることは保証されていませんし、全力でプレーすることが次につながると思っています。自分の課題もある中で、できてきていることもあるので、それを毎試合につなげられていると思います」

今季の通算ゴール数は3と決して満足できる数字ではないし、もちろん、上を見ればキリがない。それでも、プロ2年目は“2年目のジンクス”に跳ね返される選手も少なくない中、土居に関しては、無縁と言うのは言い過ぎだろうか。

「昨季の最後のほうは、勢いでプレーしていましたが、今季はチームの中心としてやろうとシーズンに入りました。でも第3節(モンテディオ山形戦)でけがをして悔しい思いをして、そこで考える時間が多くなった分、コンスタントに出られるようになりました」

チームが現状から早く脱するためにも、目に見えた結果を残さなければならない。ゴール量産へ、今足りないものは何だと考えているのだろうか。

「ゴール前に入れている回数はあるので、1試合に1本のチャンスを決めること。そしてキツい時間帯に出て行くアグレッシブさを出していきたいですし、もっと相手と駆け引きをできれば、よりゴールに絡めるのかなと思っています」

ここまで“馬力”は十分に通用することを証明している。それに加えて、ゴールを逆算する駆け引きが備わってくれば、“ポン太”のスケール感は増す。シーズンは残り7試合。“駆け引き上手”になることが、成長速度を高めるための、キーワードと言えそうだ。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ