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「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】新潟の歴史を変えた1アシスト。試合後、晴山岬が相手の下へすぐに向かった理由とは?【高校選手権レポート】

◾️第98回全国高校サッカー選手権大会準々決勝
2020年1月5日(日)14:10KICK OFF・等々力陸上競技場/16,399人
帝京長岡 1-0 仙台育英学園(1-0、0-0/40分ハーフ)
【得点者】帝京長岡/1分 谷内田哲平

▼代表で一番仲が良い武田英寿との“10番対決”も

開始1分だった。左サイドでスローインを受けた晴山岬がターンしてグラウンダーのクロスを供給すると、その先には3回戦・神戸弘陵学園戦で途中交代をさせられた谷内田哲平がいた。電光石火の先制点。アシスト役を担った晴山がゴールシーンを振り返る。

「哲平のポジションが見えて、相手のラインも下がったので、マイナスのパスを選択しました。相手はシュートを打ってくるだろうと警戒している中で、逆をついて、落ち着いてパスを出すことができました」

戦前から「谷内田に点を取らせたい」と思っていた。3回戦・神戸弘陵戦。前半の低パフォーマンスの影響でハーフタイムに交代を命じられた盟友に花を持たせたかった。開始直後の先制点を奪った後は「自分も取りたい気持ちがあった」。しかし、準々決勝ともなれば相手のレベルも上がり、過去2試合とは比べ物にならないほど、チームは苦しめられた。味方からのボールを運び、フィニッシュまで何度も持ち込む。計3本のシュートはチーム最多。ところが最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。

「ちょっと自分が自分で行き過ぎたかな」。古沢徹監督もそう言って首を傾げるほど、気持ちが先走っていたのかもしれない。それでも、晴山は言う。「強気でプレーすることは自分のモットー」。もちろん、そう言うからには守備面での献身性も怠らない。「前の選手たちが相手を制限してくれた」。愛媛FC内定のDF吉田晴稀も、前線の選手の頑張りにそう言って、労を労った。

結局、試合は1-0で勝ち切った。新潟県勢初となる高校選手権ベスト4の舞台にたどり着く偉業。一度、拳を握り締めてガッツポーズを作ったが、輪になって喜ぶチームメートを傍目に、泣き崩れる5番の中川原樹やGK佐藤文太の下へ向かった。

「緊張感のあるサッカーができたのも、相手があってのことですし、簡単には勝てる相手ではなかったので、それを称えようと。喜ぶことは後でもできますし、相手がいなくなっては慰めることもできません。相手は高校サッカーが終わってしまい、逆の立場になれば、それは非常に悔しいことなので、一人ひとりに声を掛けに行きました。僕たちが優勝するから、と伝えさせていただきました」

試合直後の喜びを控えめにした分、試合後の応援団とのラインダンスは喜びを爆発させた。

「連戦も落ち着くし、みんなでやろうと。そこで喜びを爆発させられて良かったです」

 

 

歴史を変えた先に待つ次なる戦いのステージは、埼玉スタジアム2002での準決勝。相手はディフェンディングチャンピオンの青森山田である。「山田を倒せるのは、僕たちしかいないと思っている」。強気の言葉に力がこもる。

相手の10番は浦和レッズへの加入が内定している武田英寿。年代別代表のメンバーの中でも「一番仲が良いヒデトシと戦うのは複雑な心境」と話すが、「アイツを潰せば相手は良い攻撃ができない。特徴を教えるのは僕の役目」と容赦はしない。

昨年は埼スタでの準決勝直前で姿を消し、日本最大のサッカー専用スタジアムのピッチに立つことはなかった。

「準決勝を現地で見て、悔しい思いを持って1年間を頑張ってきた」

その成果が新潟県勢の歴史超えだった。

しかし、晴山にはいくつかの宿題が残った。一つは、「日本一になること」。あと一つが、昨年度の得点数を超えることだ。

「次の試合で点を取らないと、自分を超えることはできない。ただ自分が点を取ることもそうですが、味方に点を取らせることも大事だと思っています」

眼前には高校サッカー界、最大の強敵・青森山田。舞台は埼玉スタジアム。“自分超え”に向けて、最高の舞台が整った。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

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