「ゼルビアTimes」郡司聡

木山隆之監督(現・仙台監督)/成功への焦点は、“自分たちありき”か。“相手ありき”か【勝手にJ2監督列伝①/コラム】

昨季まで町田の指揮官を務めた相馬直樹監督率いるチームは、その特徴的な戦術をベースに2016年のJ2復帰以降、4シーズンにわたって残留を果たしてきた。それだけ町田は敵将が敷くゲームプランと対峙してきたわけだが、ゼルビアTimesでは過去の相手の戦い方を振り返ることで“対戦相手から見た”「勝手にJ2監督列伝」という特集を組んでみた。つぶさに1シーズン、チームビルディングを定点観測できるわけではない。そのため、あくまでもピッチ上の事象に限られるが、指揮官の実像を少しでも浮き彫りにできれば幸いである。第1回は今季、J1・ベガルタ仙台の監督に就任し、初のJ1挑戦を果たした木山隆之監督にフォーカスする。

16年ホームの愛媛戦。相馬監督は「小島秀仁(右)の前に運ぶ力も苦戦の原因になった」と言った

▼一線を画した新手の攻略法

 

現在、48歳の木山隆之監督は、J2での監督歴を2008年に水戸ホーリーホックでスタート。12年にジェフユナイテッド千葉の監督を1シーズン務めると、同年はJ1昇格プレーオフの決勝まで勝ち進んだものの、大分トリニータとの決戦に0−1で敗れて、昇格を逃した。結局、この千葉での1年が最もJ1に近づいたシーズンとなった。その後は愛媛FCをプレーオフに導いたものの、3年間監督を務めたモンテディオ山形では悲願のJ1昇格は叶わず。しかし、J2での実績を買われる形で今季、ベガルタ仙台の監督に就任した。

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