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松本雷鳥通信

【雷鳥報道・アンダー】松本U-18、全国8強へ。未知の領域へ突入!-2016Jユースカップ3回戦レポート-


試合ハイライト(スカパー!)

10月29日、時之栖スポーツセンターにてJユースカップ3回戦が行われ、松本山雅U-18は横浜Fマリノスユースと対戦した。
横浜FMユースは最高峰プレミアEASTで現在3位。直近のリーグ戦では首位の青森山田に4-3で逆転勝利を収めて波に乗っている。昨年度の同大会で松本U-18と横浜FMユースは1回戦で対戦しており、横浜FMユースが5得点完封と完勝している。スターティングメンバーも両チームとも7人が同じで、因縁の対決となった。

※印は昨年度同大会対戦時のスターティングメンバー

横浜FMユースは動き出しの鋭い渡辺力樹が攻撃を牽引。佐多秀哉がセカンドボールをよく拾い、波状攻撃につなげる。最終ラインから前線に入れるロングボールも正確で、この日スタメンに抜擢された伊藤優世がDFのギャップでボールを受けて嫌らしい攻撃を仕掛ける。
松本U-18は布陣に変更なし。新潟U-18戦に比べてクリアボールを相手に拾われて苦しい展開が続くが、文字通りの全員守備で守る。この日はスピードと読みに秀でる丸山諒が奮闘。守護神の古瀬圭佑も好セーブで魅せる。

試合は前半5分、横浜FMユースの渡辺がゴール前の混戦からこぼれ球に詰めて先制。前半24分にも前線に出たスルーパスを渡辺が抑えようとするが、谷口遥斗が先んじてスライディングブロックで防ぐ。押される時間が長かった松本U-18だったが、前半27分に右からのパスを高井悠登が落とし、受けた杉山俊が強烈なミドルシュートを決めて同点とする。
後半も攻める横浜FMユース、守ってカウンターを狙う松本U-18の構図。横浜FMユースは後半18分に薄葉迅人と伊藤に代えて、西田優太と椿直起を投入。攻勢を強めると、松本U-18の足がじわじわと重くなっていく。横浜FMユースは、後半35分に守備の乱れを突いたショートカウンターからゴール前にクロスを上げ、西田がフリーでシュートを放つもGKが好セーブ。至近距離で放たれたシュートを古瀬がこぼすことなくキャッチし、難を逃れる。
すると後半40分、松本U-18は左サイドで河地がDFの逆を突くドリブルで突破してクロスを上げると、遅れて入った丸山航平がゴールを決めて逆転に成功。横浜FMユースは後半45+3分にエリアすぐ外でFKを獲得したが決めることはできず、そのまま終了の笛が鳴った。
結果、松本U-18が2-1で逆転勝利を収め、2回戦に続いてプレミア所属のチームを撃破しての8強入りとなった。

松本U-18と横浜FMユースの間には縁があると言っても差し支えないだろう。Jユースカップでは4年で3度の対戦。うち2回は3年生の最後の試合となっている。昨年9月にJ-GREEN堺で行われたJリーグU-17チャレンジカップでも決勝戦で対戦し、横浜FMユースが3-1で勝利して優勝を飾っている(http://www.jleague.jp/release/post-38262/)。この時に涙を飲んだ選手たちが鍛錬を積んで力を付け、借りを返した格好だ。
試合会場にも縁がある。毎年3月下旬から行われるJリーグU-16チャレンジリーグで、2年連続グループ2位を獲得したのがこの時之栖である。特に3年生の世代はこの結果を受けてKリーグU-17チャンピオンシップに招待されており、大きく成長した。
グラウンドから車で30分ほどの距離に位置する三島市に本拠を置くヴァーデュア三島からは毎年数名の選手が入団しており、その一人である杉山は同点弾で故郷に錦を飾った。

県リーグを戦う松本U-18だが、こうした全国レベルの強豪と戦う機会を最大限に活用して経験と自信を積み重ねたことが結果につながっている。
結果を出すためには1年生の時から計画的に鍛えることが必須で、その点で臼井弘貴監督の手腕は称えられて然るべきだ。1年後、2年後を見据え、コンバートを駆使しながら個人もチームも成長させる最適解を導く先見性には舌を巻く。
例えば、賜正憲は1年生の時からボランチで大会の先発を任されていたが、2年生では一貫して2ndチームのセンターバックで出場した。元々攻撃を潰す能力とロングキックの精度が高く、競り合いとヘディング強化を見込んでの起用だろう。下級生を引っ張る役割も期待されており、意図を正しく理解して二種登録されるまでに成長した。3年生では一転してトップ下が主戦場となり、時間もスペースもない中でボールをコントロールする技術を磨いた。Jユースカップでは本来のボランチに戻り、チームの心臓部として大車輪の活躍をしている。
コンバートで空いたポジションには他のコンバート組や2ndチームから昇格させた選手を起用するなど、チーム内の健全な競争を促している。出場した選手だけではなく、チーム全体で掴み取ったベスト8といえる。

トップチームに選手を供給するという観点では、一般的な4バックから特殊な部類に入る3バックへ対応できるように経験を積む狙いのコンバートも多い。最終的な適正ポジションに至る道筋が選手一人一人に考えられており、チーム全体が成長するようにマネジメントされている。もちろん最初から方法が確立されていたわけではなく、リーグ戦で3バックを試すも上手くいかずに4バックに戻すこともあった。指揮官もまた試行錯誤と経験を重ねてこの場所に立っている。現在では相手や状況に応じて3バックと4バックを使い分けるまでに至っており、いつ指示を出したのかわからないことさえある。この策士ぶりが次の試合でも発揮されることだろう。

11月5日の14時から南長野運動公園総合球技場で行われる準々決勝では、ヴィッセル神戸U-18と対戦する。未知の領域に突入しているが、止まらない松本旋風を吹かせ続けたいところだ。
(文・写真/安瀬朗人)

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