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松本雷鳥通信

【雷鳥報道・マツモト】オーバーエイジの挑戦。日本スポーツマスターズ参戦のセレソン長野(後編)

チームに関わる困難には前編で述べた事柄の他に、もう2つある。
一つ目は、チームとして県外の大会に赴くには、相応の活動資金が必要ということ。遠征費用(交通費、宿泊費)などは基本『選手の自己負担』であり、家族を養いながら生活する一般の社会人には重い負担である。

セレソン長野の練習着。チーム名と共に、企業スポンサーのロゴがプリントされている

そこで、チームは企業スポンサーを募り、企業ロゴを掲示した練習着を着用し、活動資金を得た。
大会が一般的に認知されているとは言い難く、事実上の寄付に近いスポンサードであるが、シニアカテゴリーにも興味を持つサッカーファンが増え、多くの目に触れる機会も増えれば、と思う。

他県企業ながら、ペットボトル飲料水を提供するスポンサーも

また、大会開催地が遠方のため『現地での観戦や応援はできないが、何か支援ができたら』という個人には、チームロゴ入りウェアを購入し個人スポンサーになって貰った。2016年度に募集した個人スポンサーは予定定員数に達し、チームの活動を金銭面でサポートする力になっている。

二つ目は(過去に全国社会人サッカー選手権を経験した事がある読者諸氏ならピンとくると思うが)決勝ラウンド進出した場合は4日間という大会日程では、必ず平日が入ること。仕事を休めず大会に選手登録はしたものの、当日試合には出ない選手もでてくる。とあるセレソンの選手は、大会1日目に秋田男鹿で試合をし、その日のうちに車で帰り2日目に松本市内でクラブ運営の仕事をした後、再び男鹿にとんぼ返り、という強行日程だった。そんな中でも「家族の理解が無ければ(選手参加は)到底できないし、スポンサーの資金援助があればこそ」と感謝する。

迎えた2016年マスターズ秋田大会1次ラウンドで、セレソンは広島サーティーズ、栃木53友の会、ブラックモンブラン(佐賀県選抜O-35)とグループリーグを戦った。初戦は危なげなく勝利、2戦目は前述の理由による選手の入れ替えを余儀なくされ、前半2点ビハインドの状況から、後半4得点の逆転勝利。3戦目も先行されながら、後半で引き分けに持ち込んだ。
セレソンは「システムは4-2-3-1。相手の力量を確かめてから、弱い場所を徹底して攻める」という試合運びで、最終的に得失点差1で上回りグループリーグ首位となり決勝ラウンドに進んだ。

決勝ラウンドは1日(午前と午後)に2試合という過酷な日程や、平日を含む連戦で仕事のある選手が抜ける中で、試合を乗り切るための努力や工夫はありますか? という問いに対し、平林代表は答える。
「遠距離開催地については、どのカテゴリーでも同じで、行ける選手で戦うしかない。なるべく選手も試合の前日には現地入りする。スタッフは先に現地へ行き試合会場の具合、天候、気温など選手に伝えるようにしています。連戦なので試合の流れで選手を入れ替えて次戦に備えたり、決勝戦まで戦うシミュレーションをしてから選手選考をしたりしています」
決勝ラウンドは準決勝にマリソル松島タック35と対戦。この試合の前日にかりがねサッカー場でのTMで得点したクラブスタッフがポストプレーヤーとして機能し、中盤を抑えたクラブアンバサダーもゴールを決め、2点のリード。後半、松島の猛反撃で1点を失った頃には連戦の疲れか走力が落ちた事が気になるが、2-1で逃げ切る。
2時間後に行われた決勝戦は石川大会に続いて兵庫選抜との対戦。準決勝を6-0の大差で勝ち抜き、おそらくは体力的精神的にも余裕を残しているであろう兵庫選抜と比べ、セレソンの疲労具合が見て取れた。被カウンター時の守備対応に戻る速さの差がそのまま点差に出たような0-4ではあったが、4日間を(遠距離移動も含め)やり切った選手達に拍手を送りたい。

大会について平林代表に尋ねた。
――全国大会で、意識している対戦相手はありますか?
「強豪チームが多く、どの相手も対戦が楽しみです。意識しているチームは、広島、兵庫、愛知、藤枝、熊本、高知です(全国大会常連や、優勝経験有りチーム)。何度も対戦しているので友達が多くできました」

――ここ2年は兵庫選抜とセレソン長野の決勝戦対決でした。
「4年前は兵庫代表を完封しました。その後兵庫が本気になり、良い選手がマスターズに出てくるようになりました。35歳以上のマスターズ全国大会は、かなり本気でレベルが高く面白いですよ」

セレソンは昨年秋に行われた長野県マスターズリーグ(長野県予選)に優勝し、今年の6月4日に新潟県で開催される北信越予選大会の参加資格を得た。同大会で、初戦の福井県代表戦に勝てば、同日中に決勝戦となり、優勝すれば兵庫県三木市での全国大会に出場できる。男鹿での決勝戦後、兵庫選抜ベンチからスタンド観客席に聞こえてくる会話で、兵庫大会に照準を合わせている様子が伺えた。相手には地元開催の利もあるが、セレソンも負けずに頑張って欲しい。

昨シーズン終了後には、スポンサー慰労報告会も催された

北信越大会に向けた活動も始まっており、併せて「是非とも、このチームを一緒に育てて頂きたいので、2017年度の個人スポンサー様、企業スポンサー様を募集します」とのこと。詳細は後日、セレソン長野のフェイスブック(https://ja-jp.facebook.com/Selecao.NAGNO/)で案内される。
(取材・文/すぎほし りょう 写真提供/セレソン長野)

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