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松本雷鳥通信

【雷鳥報道・ユース】「山雅で一つになって」-全日本U-15女子サッカー選手権レポート-

今年の春に松本山雅FCレディースU-15が結成した時点では、4ヶ月後の全国大会に出場すると予想できた人は誰もいなかっただろう。しかし、県リーグ戦開幕前に行われたU15選手権の県予選で勝ち進みながら、急速にチームとしての形が出来てくると「全国大会を明確な目標として掲げ、北信越予選や県リーグ戦を戦ってきました」(松本山雅レディースU-15・藤原祐也監督)

先月末、大阪府堺市のJ-GREENで行われた大会では、女子サッカー強豪高校の中等部や、なでしこリーグ在籍クラブのJrユースなど大会常連チームが揃う中で、山雅は初出場。1回戦で山雅が対戦したクラブフィールズ・リンダは、1979年創設の札幌リンダを前身とし、中学年代から社会人までが所属するクラブの女子チームで、全日本U15大会には14回目の出場、皇后杯にも地区代表で出場経験がある。なでしこジャパンで国際Aマッチのキャップ数が100試合を越えるDF熊谷紗希選手が中学時代に所属していた、歴史も実績もある『格上』チームだ。

大会トーナメント表

●JFA 第24回 全日本U-15女子サッカー選手権大会1回戦
7月28日(日)於:J-GREEN堺 S4ピッチ
松本山雅FCレディースU-15(北信越第2代表)1-1(PK2-4)クラブフィールズ・リンダ(北海道第2代表)9:00KICK OFF

当日は、午前9時という早いKO時間にもかかわらず気温30度越えの暑さ、という厳しい気候での試合となった。J-Greenには8面のフルサイズコートがあるが、試合に使われたS4ピッチは良く手入れされた天然芝なのが救いか。

レディース式円陣ダッシュは、気合いと共に踏み込んでからピッチに散開する

スタメンはリンダのFPが全員中学3年生であるのに対し、山雅は1,2年生も含む。成長期の学年の差は、そのまま見た目の体格差にも表れていた。山雅の普段のシステムは4-4-2だが「対戦相手を見て、4-1-4-1で」(藤原監督)試合開始。個々の技術でも上回る相手に向かって、一回り小柄な選手たちが怖れずに、玉際に食らいつき連動して守り、1対1で抜かれても複数人でフォローし、攻撃に転じる。トップチームが培ってきた『山雅らしさ』を結成間もないレディースが体現して見せる。

8番FW倉石皆里のシュートは惜しくもGK正面

前半8分、相手陣内での攻撃中にアンカーの11番MF望月楽夢が負傷でピッチ外に。治療中に10対11の時間が続くが、×サインが出て選手交代。15分に4番FW神原悠奈が投入され、システムを4-4-2に変更する中で、16分にボールホルダーへの複数回プレスをワンタッチで上手くかわされ、ボールがPA角外に流れた所を豪快なミドルで決められた。(この場面は、JFAの公式チャンネル1回戦ダイジェストで視聴できる)

その他の相手攻撃は守備陣がキッチリ凌いでいただけに、惜しい失点となった。

0-1で折り返した後半、リンダに押し込まれる時間が増えるが、山雅は全員で守りながら機会を伺う。53分、中盤での競り合いからボールを収めた9番MF山口萌花が前方へ蹴り出すと同時に17番FW柄澤はな乃がスプリント。10番DF笠井琴葉と倉石も追随して駆け上がる。

笠井のシュートは、リンダGKとDFが届かない高さの軌道を描く30mループとなってゴールに入り、J-GREENに山雅サポーターのSEEOFFが響く。
その後数分間は両チームが互いにゴール前を脅かすも得点には至らず、1-1の同点で試合終了、PK戦となった。
PK戦は、リンダが1本目を枠外に外すも、残り4本は成功。山雅は1本をGKに止められ、もう1本を外し、2-4でリンダが勝利した。

試合後、藤原監督と、山雅の大会初得点を決めた選手に聞いた。
「県女子U15リーグは今年出来たばかりなので、この大会が一番大きくメインになる。特に3年生はこの大会に懸けてきた思いもあって、目的といった部分でまとまり易かった。リンダさんは経験があって準備もできていて、我々はゲームに対する慣れという部分や暑さや会場の雰囲気に加えて、試合中の怪我というトラブルもあって、先に失点しましたが、よく持ち直したなと。
我々は1年生も多いチームで、リンダさんに比べるとボールを動かす、奪う力がチームとしても足りない、ということはありましたが、足りないなりに相手に食いついていこうという所は、クラブとしても大事にしている部分だと思うので。
リンダさんは高校生や大学生ともゲームをしているそうで、そういう相手に山雅の小さい子たちが良くやったな、と」(藤原監督)
「CBから前の方に自分のポジションが変わって、点を決めるしかないなと思っていたので、相手のGKが前に出ていたのが見えたので打ちました。(格上相手にも)山雅で一つになって立ち向かっていくしかないので」(笠井選手)

試合終了後、観戦していた保護者やサポーターたちは、結成4ヶ月で格上とPK戦までもつれ込んだチームの健闘を称えたが、選手達がゴール裏に挨拶に来た時には、悔し涙に暮れながら頭を下げる姿も見られた。
レディースU15という組織に対しては「来年以降」を見据えられるチームで、「これから」と励ましがちだが、3年生の選手たちにとっては、このチームで参加する『最後の全国大会』であり、もっとこのチームで勝ち進みたかった、という気持ちは強かっただろう。
現状、レディースにはU18チームが無いので、今年でU15を卒業する選手たちの進路は女子チームのある所限定で、県内外の高校に進学することになる。男子は松本市近郊の公立高校に進学して山雅U18で活動できるのと比べると、選択肢が限られる上に保護者の負担も大きい。
「3年生の選手達もこのまま山雅でやりたい、という希望はある」(藤原監督)が、かといって、U18発足には監督コーチスタッフ、練習環境、運営経費が1チームぶん丸ごと必要になり、容易には出来ない。しかし、大会後に発足した育成サポート会員組織『RAZUSO』が、早速に機能できる規模になれば、あるいは、とも思われる。アンダー世代の育成に関心のある方は、是非『RAZUSO』への入会を検討されたい。

3年生が高校チームに進むのか、それとも山雅レディースU18の発足が早まるのか、は現時点では判らないが、今大会での悔しさを糧にU18カテゴリーで競技できることを願いたい。全国大会での挑戦は終了したが、リーグ戦はまだ日程を残している。山雅レディースの今後の試合日程は以下の通り。

●県女子U-15リーグ 試合会場:塩尻市小坂田公園
第6節 9月15日(日)11:00KO 対 TOP STONE ROSETTA
第7節 9月15日(日)15:30KO 対 佐久インテンザ
第8節 9月23日(月・祝)9:30KO 対 アンテロープ塩尻BelFiore
※試合直前に会場やKO時間が変更になった事例もあるため、試合観戦する方は松本山雅FC公式ツイッターなどで最新情報をご確認ください。

6、7節はダブルヘッダーで、8節がリーグ最終戦。山雅トップやU-18など他の公式戦とは重ならない日程なので、今年のチームを是非、観ておいて下さい。
(取材・文/すぎほし りょう 写真/上野 晴信)

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