森マガ

栗原勇蔵選手が引退……

ついに公式サイトでも発表されてしまいました。栗原勇蔵選手が2019年シーズンを以て現役を引退します。

栗原選手には10月末に「J論(プレミアム)」でインタビューをしました(無料で公開されています)。そのときは「少しでも長くマリノスにいられるんならやっていきたい」とおっしゃっていたので、何とかもう少し現役生活を続ける気持ちはあるのかと思っていました。

ただ、同時に心配になったこともありました。それは、自身のキャリアを麻雀の役に例えた話のとき。

麻雀は手元の13枚の牌に、もう一枚加えて「役」が出来ると上がりになります。同じ牌を2枚「頭」にして、残り12枚を3枚ごとに、同じ牌か、同じ種類の数字が並んだ牌で揃えるのが基本です(今回、字だけが書いてある牌の存在は置いておきます)。

その「役」に「一気通貫」という手があります。

それは同じ種類の牌の「1」から「9」まで揃う状態です。ジュニアユースからマリノスを離れることなくトップチームまで上り詰め、そのまま移籍することなく在籍している自分を、栗原選手はこの「役」に例えました。そして「役」はまだ完成しておらず、あと「9」が来れば完成だと語っていました。

これは、
「1」「2」「3」、「4」「5」「6」、「7」「8」という状態です。
ところが、もしここに「6」が来てしまったら、「一気通貫」は完成しません。

もしかしたら栗原選手にとって「9」は今回の優勝なのでしょう。優勝できないということは「6」が来てしまうということではないでしょうか。

横浜FMのファンのみなさんには大変申し訳ないのですが、もし今年横浜FMが優勝できなかったら、そして「一気通貫」が完成しなかったら、栗原選手は引退せず、自分の力で優勝させようとまだまだプレーしてくれるのではないか、とも想像していました。

ただ、こうやって引退が発表されてしまうと、来年優勝できる可能性がまだわからないのですから、今年で「一気通貫」を完成させ、そして引退していくというのが美しいかもしれないとも考え直しました。

……でも、やはり寂しいものです。もう一度全力でプレーする姿を見たいというのが本音です。

11月30日、川崎戦で会ったときは、いつものように冗談を言い合いました。変わらぬ表情に見えていたのですが、寂しさを押し殺していたか、あるいは決意して晴れ晴れしていたのか、どちらかでしょう。それを悟られない、鋼の笑顔を見せていたのが栗原選手らしかったと思います。

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