日本代表取材のこぼれ話 04月28日・囲み取材とキリンカップ発表
4月28日、森保監督はヨーロッパ視察から帰ってきたということでの囲み取材と、キリンカップの記者会見に登場しました。ここではその概要をお伝えしたいと思います。
今回は公開が遅れましたので、無料記事にしてみなさんにお届けします。
※Heavy Moon‐真昼の月さん、いつも誤字のご指摘ありがとうございます。
(協会にオンライン取材用のライトを差し入れしたい……)
——感染者になって
ドイツでコロナに感染してホテルで隔離生活をしたが心細くはなかった。幸いなことに一時的に熱は出たが軽症で済んだ。現地スタッフにサポートしてもらって不安も無かった。
日本とヨーロッパではコロナに対する感覚が違うと感じた。どちらもウィズコロナだが、日本はよりゼロコロナに近い対策をしている。ドイツは室内ではマスクをするが、室外ではほぼマスクをしない。予防の感覚の違いがある。ワクチン3回で日常生活は普通で、ビジネスは普通に行っていた。
——ドイツで視察してドイツ対策はどう考えたか
ドイツ対策はこれからだと思っています。バルセロナvsフランクフルトを見て、スペインとバルセロナは同じではないが同じ指向だと思う。フランクフルトが勝って戦い方のヒントと選択肢を見た。鎌田大地が活躍していたので日本もやれるという勇気をもらった。
ドイツには世界トップの選手がいるが、バイエルンの選手が選ばれるだろうし、フリック監督も元バイエルンだったので、直接試合を見ることはできなかったがイメージは膨らんだ。
——ドイツも北マケドニアに負けているが攻めどころは
ワールドカップでは変わってくると思うが、ドイツも北マケドニアに負けたり前回韓国に負けている。ただ、相手のことを考えるより、まず自分たちのことを考えなければいけないと思っている。
——6月のテストマッチは何を考えるか
「ベストメンバーで戦う」「新しい戦術」「新しい選手」は4試合でバランスよくやっていきたい。まだ招集メンバーの人数は確定していないが30人前後を招集して、コンセプトを共有する、攻守のバランスなどいろいろ考えられるが、チームとして戦いの幅を広げられるようにしたいし、多めの選手を4試合で状態、フィット、関係をみて行ければと思う。戦術の浸透、新たな戦い方、新しい選手を試すことをやっていきたい。6月の4試合と9月の2試合でワールドカップに突入するので貴重な機会としてやりたいことをやりたい
——ブラジルとの試合で何を見たいか
ホームで勝つための準備をしたいし挑みたい。世界で勝っていくために我々が出来ること、伸ばしていくこと、足りないところを経験してもらいながら、チーム力が上げられるようにしたい
——ブラジルはどういうチームだと感じているか
技術や戦術が高いし、状況によって対応力が非常に高い。どうすれば相手を上回れるかという見極める力が高いと思う。マリーシアと言われるが、賢く戦える。賢くとは状況を見極める力を個々で見極めチームで見極める力が高い。やるべき形はあるが柔軟にマイナーチェンジを試合のなかでできると思う。
日本もアグレッシブ、チャレンジ、我慢して戦うことが出来るので、ずる賢くではなく、賢く戦えると思うので、相手よりも賢く戦えればと思っている。
駆け引きの巧みさを感じてもらいながら相手を上回っていきたい。
——ブラジルには過去4得点31失点だが
相手の嫌がる守備をして相手のチャンスを減らしたいし、どうやっていい守備からいい攻撃につなげ、ダメージを与えるか、ボールを握ったときにどう崩すか、選手には攻撃の部分でちゃんレジしてほしいと思う
——ACLをどう見ているか
アジアの戦いはJリーグにリスペクトがあって相手が分析を細かくしてくるので簡単に勝つのは難しい。ピッチなどの環境の違いになれればより強い日本を示せるのではないか。アウェイの経験を積むことで日本の強さと逞しさが増すのではないだろうか。
——天野純の活躍はどう見ているか
テーブルにはすべての選手が乗っている。招集の可能性はある。天野もチームの立ち上げの時に招集している。天野の逞しさが上がっているが、日本はボールを奪うというところが上がればもっとアジアで勝っていける
——新国立で戦うことについての思い
新国立は試合を見に行っているので試合をした感覚だったが、言われてみれば初戦だった。そこでブラジルに勝って新たな歴史を刻めればうれしい
——満員になるのではないか
辛い状況になったとき、もう一歩踏み出せるのはサポーターのみなさんの声援のおかげ。満員の中でプレーしたいし、声に後押ししてもらいながら勝利に挑みたい
——後遺症は
少し喉がイガイガしてときどき咳が出る
——代表監督として最も大事にしていることは。広島時代との違いは
自分が持っているすべての力をチームのために注いでほしいというのは、清水FCが使っている言葉で、子供のころに強い清水FCの横断幕に書かれていた言葉で心に残っている。チーム作りのマネジメントの中で考えていることはそれぞれが持っているものをチームのためにということ。それは広島時代から変わらない。大きく言うと「みんなで頑張る」(笑)。それぞれの特徴を生かしてみんなで頑張るのがチームコンセプトの一番目。
——バルセロナvsフランクフルトを詳しく
いい守備からいい攻撃というのは日本代表も実戦しようとしている。バルセロナの4-3-3を3-4-3、5-4-1でダメージにならないように受けながらチャンスを作る、相手が攻めあぐねた状況を見ながらボールを持ったら幅を持たせて攻撃を仕掛けるというのは参考になった。あまりしゃべると「あれ」だが。ビルドアップのクオリティが高いので守備のオーガナイズをしっかりしておかないと振りまわされる。守備だけの守備ではなくそこが攻撃に繋がるというのが勉強になった
——フランクフルトの3バックは広島時代と形は同じで、鎌田の起用法もヒントになったのではないか
鎌田は2試合とも攻守にわたって、特に攻撃のアクセントになっていた。プレーとしても攻撃のクオリティの1つとして、ライン間に入って守備しづらいというポジション取りをして起点になっていたし、プレッシャーを受けてもいいポジションで周りにパスを供給するからまたゴール前に入っていくという良さが出ていた。強度が高い中でも高い技術で崩せる能力を出していた。
——冨安の復帰について
プレーできる状態なら代表に召集したい。メディカルと相談しながら状態を見極めたい。
——冨安のサイドバックは構想にあるか
試すかどうかは分からないがサイドバックでも試したいという選択肢は持っている。いろんな状況があるのでどうなるか分からないが。
——視察のリスケをどうかバーしたか
スケジュールを変更せざるを得なかったが、それまででも充実して視察していた。町を歩いていると板倉滉とも会った。ヨーロッパで活躍する日本人を見に行く、代表の選手を見るというのはもちろんだが、選手を応援したいという気持ちで回っていた。コーチにもはば広く回ってもらって個人面談をしてコンセプトを伝えてもらっている。
——30人ぐらいの招集でどれくらい最終予選から入れ替えたいか
具体的な数字のイメージはない。ベースは最終予選を戦ってきた選手たち。何人かは最終予選に招集していなかった選手を呼びたい。30人前後はそういうイメージ。
——6月と9月はどういう位置づけで考えているか
常にチームを進化させられるように積み上げたい。代表の活動が終わると所属チームでプレーするので代表モードに頭を切り換えてもらうのが大切な作業。代表の戦術的な浸透を図る、戦い方の幅を広げる、選手層の幅を広げながらワールドカップに向かって行くということで選手の能力を見せてもらうことをやっていきたい
——ベースキャンプはどうなっているのか
視察では見せてもらったが決まったとは聞いていない。素晴らしい施設だと思ったし、ピッチもクラブハウスも練習前の準備も練習後のトリートメントも出来る素晴らしい施設だった
この囲み取材の3時間後、キリンカップの記者会見もありました。キリンカップは2016年以来だと思います。
6月10日(神戸) 15:15(M1)チリvsチュニジア
6月10日(神戸) 18:55(M2)日本vsガーナ
6月14日(吹田) 15:15(M3)ガーナvs(M2で日本勝利の場合M1の敗者、敗戦の場合M2の勝者)
6月14日(吹田) 18:55(M4)日本vs(M2で日本勝利の場合M1の勝者、敗戦の場合M2の敗者)
会見ではかつてのキリンカップ、ジャパンカップの思い出話などもありました。それはそれで楽しかったのですが、こんなお話しもなさっていました。
キリンカップ、1日で2試合見られてお得です!! JSL時代の等々力ダブルヘッダー、思い出しました。