森マガ

日本代表取材のこぼれ話 07月06日・聞いてみました「コンディショニングはどう考えてますか」

今週は囲み取材の日程を水曜日にスライドしたものの、森保一監督はいつもどおりしっかりと取材に応じてくれました。

 

——吉田がシャルケに決まったのですが、どう感じましたか

ヨーロッパの五大リーグのチーム、名門シャルケでプレーできるということで、クラブに評価されていることが素晴らしいと思います。途中経過は聞いてなかったのですが、本人も新しいシーズンに向けて落ち着いて前進していけると思いますので、おめでとうございますと伝えられればいいかと思います

——吉田、堂安などドイツでプレーする選手が増えましたがドイツと戦うことでもありどう思いますか

ドイツという世界のトップを走るような国のリーグで多くの日本人が評価されていることを日本人としてうれしく思いますし、さらに日本の評価、自分の評価を上げられるようにがんばってほしいと思います

——バイエルンと対戦する経験ができるというところは

現ドイツ代表にも選ばれている選手がブンデスリーガでプレーしていると思いますし、ドイツ人のメンタリティを分かったり指向するサッカーが分かってワールドカップ本大会を迎えるということは、我々にとってはポジティブな要素だと思います。選手はより自信を持って臨めるようになると思います

——まずこの1週間でどういう活動でしたか

日中は映像を見たり、スタッフとミーティングをしたり、今回はいろんなお客さんもあったり、週末は視察に行くという普段と変わらない生活でした。準備としては、E-1に向けて選手の選考でまた試合を重ねるごとに情報共有が深くできたのではないかと思います。少しでもいいメンバー選考に繋がる情報共有ができたと思います

——ワールドカップ1週間前までリーグ戦があり、コンディショニングが大事だと思いますが、日本代表のコンディショニングはどうやっていますか

普段から選手のことを観察し、動きの質を見る中でコンディションが感覚的に分かります。我々と所属チームのメディカルスタッフに連携してもらい、いろんな要望を出してコンタクトを取ってもらってコンディションを把握しています。

可能ならばプレーのデータをもらってコンディションを把握しています。メディカルスタッフが把握するために所属チームのスタッフと連絡を取っています。

データを比較して選手のコンディションを把握しています。しっかりコンタクトを取って要望を出しながら、時差等もあるので粘り強く連絡を取らないと情報が得られないので、そこはメディカルスタッフがしっかりと連絡を取ってくれています。これはできるようでできない。日々のコミュニケーションが取れていないとそれなりのことしかしてくれない中、しっかりコミュニケーションを取ってくれているので出来る限りの情報を提供してくれる良好な関係を築けています

所属チームでは日々データを取っていて、それを同じことをやるのは選手にとって負担になるし、どれだけやっていいのかバランスを調整しながらやっています

国内の選手もいろんなデータを取っているが、ヨーロッパの選手はさらに大量なデータを取っているので、それを提供してもらうことは重要だと思っています

——E-1の選手選考でサプライズはありますか

すみません、サプライズはないかな。それはないと思います。もちろん代表としての経験が浅かったり初招集の選手が出てくるかもしれないですけど、普段見ている情報招集のなかでそれぞれの人たちの目線で見ているオススメの選手がほとんどかなと。活躍している選手は誰もそう思ってるし、点を取っている人も、可視化されているというか。サプライズと言えるかどうか分からないです

——上田綺世は海外組というくくりですか

そうです。もう招集はできないと思っています

——ヨーロッパの視察は8月から行ってその後、そのままヨーロッパ遠征ですか?

8月の後半からヨーロッパに視察に行かせてもらって、選手たちのプレーの状態を見たり、話せる選手とは話してみたいと思います。

基本ベースは内外変わらないと思っていますし、国内でもコロナ禍になってスタジアムで監督だったり強化の人とお会いすることが出来ない状態ですが、まずは直接プレーを見る、強化の人、監督、スタッフのみなさんとコミュニケーションを取ることで代表活動への協力へのお礼を伝えることと選手の情報を共有することをやってきていますし、海外でも同じ思いで選手の所属先の監督、チームスタッフとコミュニケーションを取ることで、選手の状態をよりよく把握できますし、また代表チームとクラブとの選手が行き来したときの情報交換がスムーズになると思っています

ヨーロッパに行って、いろんな監督やチームスタッフと会うことによって、相手も喜んでくださって、その後の選手の情報のやり取りもより円滑になるということも実感していますので、さらに選手にとっていい環境をつくるために、クラブの方々と会うのは大切だと思っています

オンラインで話をしたりというのもできるのですが、フェイストゥフェイスでリアルにコミュニケーションを取ることは友好関係のために大切なことだと視察に行って感じました

——上田綺世の移籍や町野のケガがあり、FWはどういう基準で絞り込んでいますか

最終的に誰を選ぶかは決めていませんが、今Jリーグで一番点を取っている上田綺世がベルギーに移籍して招集できなくなりましたし、町野もタッチライン際で足をケガしてしまったところも見ましたし、まずは選手を選ぶ前に選手がケガなく充実してプレーしてほしい、ケガをした選手は少しでも早く復帰してほしいと願います

選考に関して言えばストライカーだけではないですが、難しく、そのときに調子のいい選手を選びたいと思いますし、過去のチーム作りがあって今があって未来につなげていくという点での、過去と今を掛け合わせてどういう状態なのかというのも、これまで招集させてもらった選手は考えていきたいと思いますが、今調子のいい選手は誰なのかというのを見ていきたいと思います

——メンバー発表後にヨーロッパ移籍が決まるのを見越して選考しますか

移籍が決まったら招集できないと思っています。そこはいろんな情報を取りながら最終的にメンバーを決めていくところに向かって行きたいと思っていますが、実際わからないところがあります。メンバー発表後に移籍が決まったらルールに従ってやります。拘束力はないのでプレーできないということになれば、いい選手はたくさんいますので次の選手に来てもらいたいと思います

(森保監督から、質問してくる人が決まっているのでルーレットを作ってはどうか、という案が出て来た)

——ワールドカップ前の移籍は環境が変わって出られない選手がたくさんいることになると大変だと思うが、移籍しそうな選手に何か話をしましたか

移籍について、私の意見は聞かれたときには答えようと思っていますが、現実は質問されることはありません。選手は自身のいろんな考えだったり代理人、大切な人と自分の人生のことを決めています

ワールドカップにむけてよりいいコンディションで、もちろん選手たちは所属チームでポジションを取ってパフォーマンスを上げてほしいと思いますが、まずは選手が自分の価値を上げるためにより高いレベルでチャレンジしていくことを常に応援したいと思いますし、より高いレベルのチームでプレーすることは選手の価値を上げることにもなりますし、それが代表の強化、日本のサッカーの価値を上げることにもなると思いますし、いろんなタイミングはあると思いますが、応援したいと思います

難しい状況に陥ることもあると思いますが、チャレンジしないとレベルアップや殻を破ることはできないので、選考に響くかというのはありますが、間違いなく基本的には応援したいと思います

——8月の視察からそのままヨーロッパ滞在して遠征試合ですか

まだ協会に相談していませんが、そういう予定です。メンバー発表はオンラインならヨーロッパにいても変わらないと思います

——上田綺世が「Jリーグで20点取ってもワールドカップのメンバー入りに繋がるわけではない」と言っていたのですが、Jリーグにいたらダメだと選手が思っているのではないかとも取れたのですが

移籍について相談されることはほぼないので、アドバイスはする機会がないと思ってます。日頃からコミュニケーション取って話すのは、選手個々の価値を上げる、レベルアップをする、成長することが大切だということは伝えています

日本代表としてワールドカップに出場するという目標を持ってくれているのはうれしいですし、他の選手も同じ思いを持ってくれている人がたくさんいると思います。まずはチャレンジするということ、海外でサッカーをする、ベルギーで生活をするというのは未知の世界だと思いますし、本人にとっては自分を成長させたいという思いでチャレンジすると思いますので、まずは日常で自分を成長させる、価値を上げるためにはどうするか考えることはとても大切だと思います

今回も本人がもっと成長したいという思いを持っているというのはすごくいいと思います。常に自分を成長させる、自分の価値を上げる、進化させていくということが、まずはプロ選手として厳しい世界を生きていくためには大切なことだと思っていますし、その先に代表があってほしいと思います

Jリーグがダメということは絶対にあり得ないし、Jリーグも含めて日本のサッカーは世界のサッカーに追いつけ追い越せで、急速に進化していると思います。ですが実際海外に行って、外国人としてプレーすることは日本でプレーするのと求められる責任が変わってくると思います。その意味で、厳しく選手の価値を問われる、チームに貢献できるかどうか厳しい目で問われるのはヨーロッパでプレーすることだと選手たちは見ていると思いますし、そこに身を置くことがさらに自分の成長に繋がっていくというのは、経験した選手が感じていることだと思います

でも成長も自分次第だと思いますので、Jリーグで自分を成長させたいという気持ちでプレーしている選手は成長していますし、Jリーグの中で20点取っても代表に選ばれるかどうか分からないというのは、それくらい高い目標を持っている志が素晴らしいと思いますし、Jリーグでも常に出場できるかどうかという保証はないので、そこは海外に行っても同じだと思いますのが、より厳しい責任の目を向けられるのはヨーロッパにいることだと思います

海外から帰ってきた選手は異口同音に「海外と日本のサッカーは同じサッカーでも別競技」だと言うんですが、それを国内の指導者の1人として何が違うのかというのをしっかり考えて世界に追いつけ、追い越せとしたいと思います

——4年前のワールドカップから帰ってきたのは5日で、4年前の経験は備忘録みたいにして残していますか

日々の練習メニューはメモしています。ロシアワールドカップから帰ってきて、成果と課題、いろんなスタッフと共有することを西野監督を中心に集まってミーティングをして記録に残しています。今それを見返したり練習日誌を見返したりというのはしていません

チームが立ち上がるときに考えて、コンセプトの発言だったり活動に向けてのコメントの端々にはロシアでの経験から、西野監督とコミュニケーションを取らせてもらった中でインプットした言葉や考えがたくさん出ていると思っています

——山下主審が女性として初めてアポイントされていますが、史上初めて女性が笛を吹くことについてのコメントを

素晴らしいと思います。スポーツをやる上で、男子も女子も変わりないと思いますし、リーグとしては分けられていますが、同じ競技をやっているということで同じだと思いますし、日本のサッカーファミリーとして選手でアレスタッフであれフェリーであれ関係者であれ、日本人が世界に評価されるのはすごくうれしいと思います

——監督にとってメディアとは何ですか

サッカー文化を広げるファミリーだし、仲間だと思っています。日本サッカーチームとして、日本のサッカーの発展に一緒に頑張ってもらっている仲間だと思ってます。ときには、ときにはじゃなくて、批判もたくさんありますけど、それも含めてサッカーの見方はたくさんあると思いますし、いろんな角度からサッカーを見てもらえて、サッカーを広めてもらえる方々だと思ってます。批判も称賛もあって絶対いいと思います

サッカーを見て、サッカーを議論してもらえるということが、私自身にとっても、その輪が広がっていけばと思いますし、その輪を広げていってもらえるのがみなさんの力だと思いますので、力を貸してほしいと思います。と同時に、一緒に共闘してもらって、対諸外国と一緒に戦ってほしいと思いますし、私自身、サッカーに育てられて、サッカーで生活をさせていただいているので、サッカーをみなさんと話をさせてもらって出会えたりというのがありますが、間違いなくサッカーで、人と人をつなげたり、人の成長を促すことができたり、社会に貢献できると思っています。

あと健康にもいいと思います。心身共に。見るとなるとストレスになる部分もあると思いますが、それがストレス解消になったり気持ちよくなったりもあります。人として生きていく充実感が加えられたりすると思います。

それはスポーツであれ、音楽であれ文化芸能であれ、人の生活のうるおいにつながればいいと思いますが私はサッカーで育てられたので、サッカーという観点でいろいろお伝えできればと思っています

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