長崎サッカーマガジン「ViSta」

【クラブレポート】2018シーズン始動前夜~チーム、クラブ、スタジアム~


いよいよ明日からV・ファーレン長崎の2018シーズンが始動だ。J2からJ1で初のシーズンということで、相当にバタバタしたスタートな感じもするがやはり楽しみな気持ちが強い。チームもクラブもスタジアムの全てで新しいチャレンジが必要なシーズンについて雑感を書いてみたい。


「チーム~若手と即戦力を融合~」
慌ただしい中ではあったが、チームは昨季終盤から準備を続けており良い形でシーズンに入れると思う。今季は選手は大半が残留した。その上でJ1残留をノルマとするため経験値のある即戦力と、伸びしろのある若手を新たに加えて戦力を整えた。彼ら若手が成長してチームと噛み合っていけばかなり面白いチームになると思う。もちろん、これまでとは相手チームの規模、戦力、層・・。あらゆるレベルが段違いになるので厳しい戦いになるのは間違いない。だが、1月のU-23アジア選手権や6月のワールドカップ、それに伴う日程の問題や移籍関連を考えると、周到に準備し慎重に戦っていけば周囲の下馬評を覆す戦いはできると思う。


「クラブ~改善はまだ途上~」
昨季の途中から運営を引き継いだ現フロント陣にとっては、少し馴れたと思ったところですぐにJ1での運営となるので大変さはあると思う。今季のクラブ予算は総額で20億程度になるとも聞くが、予算が2倍程度になってもJ1では決して多い方ではない。強化費も今季のJ1では最低レベルになると見られている。何より経営面で言えば、体制変更でどうにか最悪の状態から脱しただけで、経営の完全健全化はまだまだ時間がかかるとも聞く。アカデミーの再建にも力を注がねばならず大変なことだろう。ホームタウンでの活動やその告知なども昨季に比べて大きく減少したが、今季はそちらの再建も行なっていかなければならない。課題はまだまだ多いが、クラブの土台は昨年までよりもかなり強くなっているので、チームの若手と同様に、Jリーグやサッカー界の流れ・スタイル・リズムにスタッフが馴れて成長していけば、面白くなるのではないだろうか。


「スタジアム~集客増が必須~」
今季の最大のポイントだ。恐らく、ホーム開幕戦はかなりな集客が見込めると思う。だが、それは話題性やメモリアル的なものに左右されたものであり、J2での最初のホーム開幕戦も18,000人以上が詰めかけたが、その次のゲームでは2,000人にまで低下したという苦い経験もある。ホーム開幕戦のあとの集客が最も重要だ。昨季、2万人超を集客した試合もあったとは言え、それはリーグ昇格が現実味を帯びた最後のホームゲーム2試合での話であり、クラブの広報戦力は効果があったが浮動票の力に助けられた面が大きい。それ以外のホームゲームを見ると5,000人程度だ。これを最低でも10,000人程度まで持っていかなくてはならない。個人的には、一定の集客を達成できなければ、チームやクラブがどれだけ好成績を納めても、ホームタウンとしては失敗だと思う。みなで知恵を出し合って解決していきたい。

reported by 藤原裕久

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