長崎サッカーマガジン「ViSta」

「(苦戦は)間違いなく自分たちが招いた。最後は高知の想いと長崎の想い、どっちが上に行きたいんだという、カテゴリを超えた根性の戦いだった」【天皇杯2回戦:長崎vs高知】手倉森誠監督記者会見コメント

○手倉森誠監督 V・ファーレン長崎監督試合後 コメント
「(カテゴリ的に)格下相手にでも守備意識や手堅さをもって戦おうという気持ちで試合に入って、良い距離の中でパスを回して崩し始めたときに、リスクマネジメントの甘さや緩さが出て前半に仕留めきれず相手にチャンスを与えてしまった。0-0であれば、こちらがチャンスを作れない分、相手にもチャンスを与えないゲーム運びをすれば良かった。後半の5分に1点が取れて、そのあとに2点目を取って仕留めていれば良かったんだけどできなかった。そこでシステムを変えて守備意識ということを大事にするために、アタッカーを下げて守備の選手を投入した。だが一瞬の隙でゴールを割られてしまったなと。正直、この時に選手はかなりガッカリしたと思います。でもそこでまた踏ん張りを見せたし、延長の終盤に最後に残しているアタッカーの(幸野)志有人を投入して、彼が復帰戦でゴールを決めてくれたことで最後はポジティブに終わった。他の会場では下剋上が起こっている。我々は苦しんだけど勝ち残った。ピッチ内で出来不出来ありましたが、勝った選手を称えたいと思います」

Q:幸野選手にはどういった言葉をかけて送り出しましたか?(NIB)
「中盤にスペースがあるので、ボールを持って最前列の選手を走らせるのか、ボールを預けて自分が走るのかという仕掛けの部分を求めました。仕留めてこい!と。期待に応えてくれましたね。彼は相手の重心をみながらプレーできていたので、ターンやクサビを入れたりして、ポケット(両サイドの深い位置)を突けたのは効果的だったと思います。」

Q:幸野選手の投入でスタジアムのムードが変わったように感じたんですが?
「会場も彼の復帰を待ち望んでいて、そこで彼が点を取った。サポーターだけでなく、チームの中でもそういう雰囲気が沸き起こったと思う。出したエネルギーの分、報われたのは良かったなと思います」

Q:今日のゲームの印象ですが、監督としては自分たちで難しいゲームにしてしまったなという感覚がありますか?
「簡単に考えて欲しくはないんだけど、同時に難しく考えるなって話をしたんだけど、やっぱり厳しさと手堅さを持って戦えば良いんだと。難しくしてしまったのは、少しボールが握れて上手くいった時に、みんな『これくらいで・・』というプレーをしだした。そのあと相手に慌てさせられてからリズムが戻らなくなった。これがサッカーのゲーム。間違いなく自分たちが招いたものだったなと思います。ただ後半に1点取って、あとは2点目、3点目を取ればというところで、あれだけゴールエリアで相手の体にシュートをぶつけてしまうのは冷静じゃなかったってこと。それに気を抜いたわけでもないところでの失点というのは、何かが欠けていたんだろうなって。でも、同点になってからカテゴリを超えた根性の戦いになって、高知の想いと長崎の想い、どっちが上に行きたいんだっていう中で、そういう気持ちが報われたんだなって。まぁ、貴重な勝利をあげたんでね、大事に勝ち上がっていきたいと思いいます」

Q:高知ユナイテッドの印象を聞かせてください(高知新聞)
「攻撃のバリエーションもあって、どうすれば相手が食いついてくるか、どうすれば相手の背後をとれるかが整理できているなと。我々も苦戦を覚悟して試合に入りましたよ。ただ我々をリスペクトしてくれたのか、少しだけ守備に重きを置いてくれて、それが我々にとっては良かった。これから間違いなく四国を代表するクラブになっていけると思います」

reported by 藤原裕久

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ