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【アカデミーレポート】木藤健太監督(国見高校)インタビュー その②~国見は九州プリンスリーグをいかに戦うか~

昨年に長崎県1部リーグU18を優勝し『プリンスリーグ2020九州参入戦』を勝ち上がった国見高校。今年は名門復活の足がかりとして、プリンスリーグ絶対残留を目標としていたが、プリンスリーグは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、開幕の延期が決定。その中で国見は、プリンスリーグをどう戦い、再開へ向けた準備をどう進めるのか。前回のインタビューに続き、今回も国見高校の木藤健太監督に話を聞いた。

2008年を最後にプリンスリーグ九州から遠ざかっていたが、12年ぶりに復帰した国見

-開幕が延期されてしまったプリンスリーグ2020九州ですが、どういったプランでリーグ戦を戦おうと考えていましたか。

もう最初から一気にスタートダッシュしようと。ウチはプリンスリーグに昇格してきたばかりのチームなので、他チームはウチが何をしてくるのか、わからない部分もあると思うんです。だから一気に、そしてアグレッシブにいこうと。イメージとしてはV・ファーレン長崎がJ2に参入したシーズン(2013年)ですね(笑)。あのときみたいに、いきなりアグレッシブに戦って、序盤に勝点を稼ぐだけ稼いで相手を驚かせようと。開幕延期で出鼻をくじかれた格好になりましたけど。

-リーグ戦が再開したときは、そのあたりのプランも変わりそうですね。

戦い方としては本当に難しくなると思います。リーグ戦のスケジュール、プレミアリーグへの昇格や県リーグの降格がどういったものになるのか。その辺が大きく変わってくる可能性もありますし、その辺が確定してリーグが再開しないと見えないものがあるでしょうから。そういうところも考えると、年末・・選手権も見据えながらチームを作った方が良い面もあるのかもしれません。

-リーグの開幕延期で、チーム作りもやりにくさがありそうですね。

確かにそうですが、リーグ戦の再開まで時間が長くかかれば、そのぶんだけ1年生や2年生にも出場のチャンスが広がります。逆に3年生は卒業後も考えていく必要があるので、ウチとしては、シンプルにコンディションの良い選手を使うのが良いのかなと。まだ先が不透明なので構え過ぎずに、いつリーグ再開になっても良いようにしたいし、シンプルに戦えるチームを作りたいと思っています。

-その中でどんなチームを目指していこうと思っていますか。

新人戦が終わってから、ここまではいろいろと試しながらやってきました。自分の中では、『選手が戦術』というところがあるので、今いる選手たちが一番能力を発揮しやすい戦い方であるとか、その中で国見の特長をいかに出すのかをやっていきたい。選手が成長すればクオリティも上がるので、再開まで焦らずにいこうという部分もあるので、選手の成長が楽しみではあります。そういう意味では、まだまだチームは変わると思っています。

-去年はポゼッションをベースに戦い、県内で高く評価されました。今年もそこは継続されるのでしょうか。

ベースとしてボールをしっかりつなぐところは、変わらずにやっていきたいと思っています。選手の特徴をどう生かすかということも考えたいです。例えば、ウチには中島(大嘉)という高さのある選手がいるんですが、ショートパス主体だけでは、彼の良さが消える可能性もある。そういう選手の個性を生かしながら、ボールのつなぎをベースとして継続したい。それには少し時間がかかると思っていたんですけど、リーグのスタートが伸びたので、良い機会にしたいと思っています。


-リーグ再開がまだ確定していない難しさはありますが、プリンスリーグではどんな目標を掲げていますか。

目標となると、やはりプリンスリーグ残留です。去年のプリンスリーグ九州でV・ファーレン長崎U18が、勝点21を獲得して残留しているので、当初はそのあたりを目指そうと思っていました。リーグ戦の試合数が変わる可能性もあるでしょうから、そのときの試合数で残留ができる数値を出して、また対応していきたいと思っています。そのためにもまずは、一戦ごとに勝点3を目指していくことが大事になります。

-2016年にプリンスリーグ九州が一部制になってから、国見高校がプリンスリーグ九州で戦うのは初めてです。

僕も今のプリンスリーグ九州のレベルを体験していないですからね。県1部リーグとはレベルが相当に違うだろうと考えています。創成館高校の久留貴昭監督なんかと話をすると、指導者も鍛えられると言っていたので、ゲームプランや分析を含めて、試合をしながら強くなっていくのが、指導者としても大事になると考えています。サッカー部のスタッフもかなり充実してきましたし、組織的にも良くなっていると思うので、選手が自信をもって戦えるように準備をしていきたいです。

reported by 藤原裕久

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