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【アカデミーレポート】村上佑介監督(V・V長崎U-18)インタビュー「出さなきゃいけないのはベースの部分、長崎らしさ。泥くさく、ハードワークの部分になる。奢らず、譲らずにやっていきたい」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため、多くの公式戦が中止・延期などに追い込まれた今季。そんな中で、週末から予定される待望の公式戦『高円宮杯 JFA U-18 サッカースーパープリンスリーグ 2020 九州(以下:スーパープリンスリーグ 九州)』が開幕される(V・ファーレン長崎U-18の初戦は9月12日から)。今回、V・ファーレン長崎U-18の指揮を執る村上佑介監督に、スーパープリンスリーグ九州への抱負を聞いた。

-ようやく今月からスーパープリンスリーグ 九州が始まります。これまでチームのモチベーション維持なども大変だったと思います。その中でどういったことを考えてチーム作りを進めましたか。

自粛期間も長かったので、難しい部分はあったんですけど、とりあえずゲームをたくさん組んで、試合感覚を忘れないようにということを意識しました。それにチーム内の競争を激しくさせたかったので、学年に関係なく調子の良い選手を起用していきましたね。1年生にとってはモチベーションになっていると思いますし、それまで試合に出ていた選手の危機感にもつながっていると思っています。そういう競争心が駆り立てられるような環境を作りたかったので、そこは意識しました。

-そうやって高めたものを出すべき公式戦がないという難しさはどう思いましたか。

トレーニングマッチを組んではいたんですけど、緊張感という点では難しかったですね。逆に公式戦ではないからこそ、チャレンジできるという面もあって、いろいろ選手を試したりできたとは思います。レギュラーとして固定している選手がいない中で、多くの選手たちにチャンスを与えて、その選手が良いアピールしてくれてという感じでやれたので、今のところは誰が出場しても良い状態。でも2種登録されて、トップに練習参加している(五月田)星矢と(安部)大晴がいないと、チームとしてはまだ厳しいところもありますね。

-そこは、トップに昇格する選手を育成することと、チームとして結果を出すことの2つの役割を持つU-18の難しさですね。

上に行く選手を育てなきゃなんだけど、その選手がいなくなった中で戦うことを考えなければいけない。そこはバランスが難しいですね。星矢も大晴もトップとの兼ね合いで公式戦の出場がどうなるかはわからないですけど、今は2人がいない前提でチーム作りを進めています。だからこそチャンスがあると、みんなもわかっていると思うんで、チーム内の競争につなげていきたいです。

-9月のスーパープリンスリーグ九州ですが、どのチームもモチベーションが高いと思います。どういった戦いをしていきたと思いますか。

降格がないわけですから、恐れることはない。だから、受け身になったり、ネガティブになることなく、ポジティブな試合運びをしたいですし、選手が試合中にポジティブな選択ができるようにうながしていきたい。昨年の12月に対戦したときにメチャクチャにやられた大津高校と対戦ができるんで、そこはもう1回チャレンジという感じですね。公式戦なので、大津もガチで来てくれると思いますし、自分らがどのくらいできるのかを知りたい。そこで良い試合ができれば、プレミアリーグも近いという自信になると思います。

-スーパープリンスリーグは大半の試合ガアウェイか中立地。厳しい戦いになると思いますが。

そこに言い訳するとかなく、100%でやってほしいですね。僕らはそういう意識を持てる環境を作らないといけないし、今はそれができていると思うんです。コモさん(小森田友明)や、(原田)武男さんが、コーチとして見てくれていて、子供らにとってはとても良い環境ですからね。そこで戦うことについて、楽しみは楽しみですね。

-スーパープリンスリーグで、チームとして出していきたい、見せたい部分を教えてください。

星矢や大晴たちがいないと、サッカーにならないときがあるので、出さなきゃいけないのは、もうベースの部分、長崎らしさ。それはやっぱりハードワークの部分になると思います。それはトップからアカデミーまでが一貫して出さなければならないところ。それを出していくことが、トップ昇格にもつながっていくんだと思います。そこは選手たちに出していってもらいたい。最近、クラブチームだからうまくプレーしなければ的な雰囲気があるんですけど、そんなことはない。このチームでは、泥くさく、トップにつながるところを出せるようにしていきたい。それができてこそ、試合運びとかの段階にいけるんだと思います。なので奢らず、譲らずにやっていきたいと思います。

reported by 藤原裕久

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