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【アカデミーレポート】小森田友明 V・V長崎U-18コーチインタビュー~「選手たちに、世界を目指してほしい」 指導者となったモンスター小森田が考える、アカデミーで目指すもの~

アビスパ福岡・大分トリニータ・モンテディオ山形・ヴィッセル神戸・ロアッソ熊本・ギラヴァンツ北九州など6つのJクラブでプレーし、JFL・九州リーグ・インドネシアリーグでもプレーした。高校時代、専門誌がつけた異名は『モンスター』。その異名に違和感を感じない段違いのボールコントロールとキックの質。紛れもなく年代最高レベルだった小森田友明。

彼は、2012年を最後にプロを、2014年の長崎国体でのプレー後に現役を引退し、2017年にV・ファーレン長崎U-12のコーチに就任。翌年にはU-12監督となり、以後、U-15のコーチなどを務め、現在はV・V長崎U-18のコーチをつとめている。天才と呼ばれた小森田コーチには、現在のV・V長崎U-18はどう映っているのか。話を聞いてみることにした。

-9月になって「高円宮杯JFAU-18サッカープリンスリーグ2020 九州」(以下:スーパープリンスリーグ九州)も始まりました。ようやくシーズンが始まった感じですね。

やはり実戦が一番なので、公式戦を戦えるようになって良かったと思います。勝てばモチベーションが上がり、負ければ悔しさを感じる。そういう勝負を子供たちもやりたかったと思います。そのぶん、今年はモチベーション的にかわいそうだなと思っていましたから。

-公式戦が戦えない間は、どういう指導を心がけていましたか。

中断期間でもやれること自体はたくさんあるんですよね。僕は高校1年生を担当しているんですけど、彼らは中学校年代から高校年代に上がってきたばかりなので、V・ファーレンのプレースタイルというものを、まずは落とし込んでいかなければならない。中断期間を使って、そこへの落とし込みができたという意味では、良い時間だったかもしれないですね。

-小森田コーチは国見高校でプレーして時代は、常に全国トップを争うレベルにいましたが、当時の国見高校と今のアカデミーを比較して違いなどはありますか。

僕の高校在学当時は全国制覇を狙うのが当たり前という環境にいたので、そこはまだレベル的に足りない点はあると思います。それが数字的にも出てしまうんですよね。例えば、20m走や50m走なんかのスピードでも、昔の国見高校とは1秒くらいの差があるし、ロングランでも差がある。昔はピッチの縦半分52.5mは簡単に1本のパスで通せていたんですけど、今はそれが難しい。それぞれの差が11人分集まったときの差はやはり大きくなってしまいます。

-その差を埋めていくためには何が必要だと思いますか。

やはり、ボールを止める、ボールを蹴るというところを上げていく必要があると思っています。サッカーの基本である、止める・蹴る・運ぶの3つですね。どんなに頭の良い選手でもピッチ上でボールを蹴れない、止められない、運べないとサッカーにならない。そこの3つは、みんなに上達してほしいと思っていますし、その個性を伸ばすために、僕ら指導者の質も上げていかなければと思っています。

-小森田コーチは現役の頃に、1本のパスで勝負を決められるような強力な武器を持つ選手でした。そういう武器というのは、才能にも左右されると思うんですが。

それはあるかもしれませんが、それだけでもないんですよね。僕もそこはムチャクチャ練習しましたから。僕が中学校の頃に所属していたクラブは、プロでやっていた人がプレーしているようなチームだったんですよ。その人たちとずっとボールを蹴っていて、いつもその人に追いつきたいと思っていたんです。だから、それくらいのレベルがある選手と一緒に蹴らないと面白いと思えない。そのプロのボールが自分の目指す基準なんですよね。それを中学校の頃からずっと意識して蹴っていたのが、後の武器になったんだと思うんです。

-そこは、V・ファーレンアカデミーの選手と一緒に蹴ることで、伝えられる部分になりそうですね。

そうですね、これが目指すキックの基準だよというのは示せると思います。でも、大事なのはそのときの自主性なんですよね。シュート練習なんかでも、10人で一人3本蹴っていたとしたら、自分が蹴るのは3本だけ。でも他の9人が蹴るときに、自分ならこう蹴るとか、自分ならこういう立ち位置でとかをイメージする。そうすれば、頭の中では30本分、蹴ることについて考えられる。そこのやり方ですよね。与えられた環境で、人よりどう差をつけるのか。そこを子どもたちにも意識させていきたいと思っています。

-そういう部分も含めて、今、2種登録されている五月田星矢選手や安部大聖選手は、どんなふうに評価していますか。

2人とも体力があって走れるのはすごく良いところ。星矢に関してはメチャクチャ技術のある選手じゃないけれど、監督に言われていることや、今必要なことを理解出来る選手。プロになって伸びるタイプの選手なのかなと。大聖はセンスがある選手ですね。先が楽しみな子だと思っています。2人ともまだまだできない点はあるんですが、そこを修正する力があるなと。だから、二人には厳しく指導しています。彼らにはプロになるだけじゃなく、日本代表に入れるようになってほしいし、彼らに限らず、アカデミーの選手たちにはやっぱり世界を目指してほしい。そこから常に逆算して、今のままで良いのかと常に自分に問いかけてほしい。

-コーチとしてもやはりそういう選手を育てたいわけですね。

育てたいですね、自分が世界に行けなかったので(笑)。自分がサッカーやプロをやってきて、経験したこと、困ったこと、これをやれば良かったと思うこと・・、そこを教えるというより伝えていきたいですね。その上で選手が自分でトライしてみて、「コモさん、このアドバイス良かったよ」とか「駄目だったよって」と言えると良いなって。そうすればお互いに成長できるかなって思っています。

-最後にアカデミーのコーチとしての目標を教えてください。

『攻撃』・『攻撃から守備』・『守備から攻撃』・『守備』というサッカーの4局面で、全てにおいて、相手よりも早く予測できる選手を育てたいですね。あと魅力的というか、常に全力を出せて、見ている人が応援したくなるような選手をトップチームに送り出せるようになりたいです。

reported by 藤原裕久

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