長崎サッカーマガジン「ViSta」

【トピックス】2020年 天皇杯1回戦『EVインテルナシオナル×MD長崎』レポート~勝手知ったる長崎・佐賀の越境対決は、試合巧者のMDが快勝!~

16日、佐賀県の『SAGAサンライズパーク陸上競技場』で天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会1回戦が行われ、佐賀県代表の『EVインテルナシオナル』と対戦した長崎県代表の『MD長崎』は、前半7分に中野夏輝の先制ゴールでリード後、順調に得点を重ねて4-0で快勝。『トランスコスモススタジアム長崎』で行われる2回戦へと進出した。

長崎県代表のMD長崎

佐賀県代表のインテルナシオナルでは、元V・ファーレン長崎所属の武内大・国見OBで松本山雅FCでプレーした柴田隆太朗・創成館高校出身の梅林大稔などがプレー。国見OBでアビスパ福岡などでプレーし、昨年は佐世保実業高校でエグゼブティブアドバイザーなどを務めた三好拓児監督が指揮を執るなど、長崎ゆかりの関係者が多数所属。MD長崎の選手と並ぶと、さながら長崎サッカーの名手が集まったOB戦のような光景となった。

佐賀県代表のEVインテルナシオナル

2チームともに4-4-2のシステムでスタートした試合は、立ち上がりに左サイドハーフで先発した武内大の突破でEVが先にチャンスをつかんだが、時間経過とともにMD長崎がEVの仕掛けに落ち着いて対応。EVの中心である武内への早めのチェックと、展開されるボールをカットして反撃を開始。

MD長崎はそのまま前半7分に、左サイド中原智央の突破から、最後は中野夏輝がシュートを決めて先制に成功する。この後も、左サイドを起点に攻め込んでいくMDは、17分に表隆太郎のゴールで2-0とすることに成功。前線の水頭廉・深町浩之が小柄ながらもしっかりとボールをおさめて、前線の起点となるなど主導権を渡すことなく試合を展開。

中野夏輝(背番号30)のゴールでMDが先制

EVは福原嵩人がドリブルで切れ込んでチャンスを作っていくが、攻撃のサポートが少なく得点へと結び付けられず、後半の立ち上がりにMDの水頭にPKを決めれ3-0。後半32分には、深町がダメ押しとなる4点目を決め勝負あり。最後までEVに深い位置まで攻め込ませなかったMDが4-0で快勝した。

MDの水頭がPKを決めて、事実上の勝負あり

ダメ押し弾となる4点目を決めたMDの深町

MD長崎 有川貴裕監督 試合後コメント

「早い時間帯に先取点が取れたのが一番のポイントで、それからは自分たちのサッカーを楽しみながらやれたのが良かったと思います。先制点を取った選手はサイドバックなんですけど、あのシーンであそこまで上がっていったのは、そのあたりの自主性が出た結果だと思いますし、チーム一体でやれていたのが、あの得点にあらわれたのかなと。

最初から(2回戦の行われる)長崎に(勝って)帰るのを目標にやってきたので、それが実現できたことをみんなで喜んでいます。平日にみんな仕事をしていて、試合に向けて家族や職場のサポートを受けてきたんですけど、良い報告ができると思います。次の試合は相手が格上ですが、天皇杯の醍醐味はジャイアントキリングだと思いますので、過去の天皇杯で、大分トリニータや松本山雅とやらせてもらった経験をいかしていきたい」

EVインテルナシオナル 三好拓児監督 試合後コメント

「結果が全てですね、ウチが弱くて、相手が強かったということ。ウチのやりたいサッカーがまったくできず、それが差に出た。前半に2失点して、1点でも返せればと思って早めに手を打ったんですが、3点目のPKが分岐点になりました。ああなると、ウチは無理にでも攻めるしかないので、システムも4バックから3-4-1-2にして、より攻撃的にしたんですが、攻め込めなかった。

もう少しコンパクトにしてショートパスを入れたサッカーをしたかったんですが、引き気味で構えるMD長崎に無理なロングボールや仕掛けをやって、相手のペースにしてしまった。個々の能力より戦う気持ちで及ばなかったのかなと。ウチは今季から二つのチームが合併して、九州リーグを目指しているんですけど、ここから県リーグでしっかり優勝して、上にいけるチャンスがあれば上にいきたいので、ここからも頑張っていきたいと思います」

reported by 藤原裕久

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