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【アカデミーレポート】新たな強豪誕生の兆しか?!選手権県予選3回戦で見せた、フロックではない佐世保実業の勝ち上がり「みんなが勝ちたいという思いを出して最後まで戦ってくれた(井筒佐世保実業監督)」「粘り強く守れたことで勝つことができた(GK江川選手)」

日大が勝つだろう。そう思っていた人が多かったことだろう。
好選手をそろえ、実績も経験もあり、県内屈指の指揮官である亀田陽司監督が率いる長崎日大と、サッカー強豪高とは言えない佐世保実業の一戦だ。そう思うのが当然だろう。チームとして一枚も二枚も長崎日大の方が上なのだ。判官贔屓の地元サッカーファンも、試合の焦点は、佐実がどのくらい食い下がるかだと思っていた。佐実が先制してもなお、多くの人は佐実が健闘しているとしか見ていなかった。

その空気が時間とともに変わりだす。

「よく走っている」
「しっかりとやるべきことをやっている」
「スライドもよくできている」
そんな声がスタンドから聞かれることが増える。

残り時間が刻々と減っていく中、長崎日大の選手たちに焦りの色が見え始める。県内屈指のゲームメーカー加藤葵梨を中心に相手の守備を崩してもシュートが枠をそれる。ゴール前に抜け出して放った髙嶺史哉のシュートがイージーなコースに飛び、GKにキャッチされる。それでも何度か作った決定的なシーンを佐実の守備陣が体を張って阻止する。

選手を変え、システムを変え、長崎日大の亀田監督はあの手この手で、佐実を揺さぶりにかかるが、守備の集中は切れない。逆に攻撃的に出た日大の背後を突いて決定的な2点目を奪い勝負は決まった。

試合が終わったとき、日大の不運を嘆く声はあった。だが、佐実の勝利をフロックと言う者もいなかった。佐実は間違いなく、実力でベスト8を勝ち取ったのだ。

今年の4月に佐世保へ取材に行き、佐実の井筒和之監督と話をしたとき、私は彼にこう言った。

「本気で、必死にやって、それでも5年の内に県のベスト8くらいまで行けないと、基本的に指導者としては厳しいと思う」

乱暴な言い方だが、私自身、これを実感することを何度も見てきた。井筒監督は、そんな私の乱暴な意見に対して、苦笑いしながら「今年でちょうど5年目なんですよ。でも行きたいですね、今年は」と答えてくれた。

そしてこの日、佐実は井筒監督の就任5年目で見事にベスト8へ進出した。

この日、佐世保実業高校と井筒和之監督は大きな一歩を踏み出した。

井筒和之 監督 試合後コメント

みんなが勝ちたいという思いを出して、最後まで戦ってくれたなと。厳しい場面もあったんですけど、諦めずにやってくれた。全員の勝利だと思います。ベストと言って良い勝利ですけど、日大をリスペクトし過ぎた部分もあったのか、簡単に相手にボールを渡したりして、もっと自信をもって戦ってくれればなと思いますが、本当によく頑張ってくれた。大会中、交代選手が期待に応えてくれるので、ピッチの11人だけじゃなくて、サッカー部全員で戦えているなという感じがあります。

今の3年生が入学したときから、「この子らが3年生になったら勝負の年だ」と思っていたので、結果を出さなければと思っていました。前に話してもらった指導者として5年でというところ・・ギリギリでしたけどね(笑)。まだまだだけど、徐々に強豪になっていければと思います。

県北にはサッカーのうまい子たちがいっぱいいるんですよ。それが(有力校が県北にないために、県北以外の学校に)散らばってしまっている。でもこの子たちが、できることを証明してくれたなと思います。

GK江川侑吾 選手 試合後コメント

強豪の長崎日大相手で、難しい試合になるとは思っていたんですけど、粘り強く守れたことで勝つことができたと思います。正直、勝てるとは思っていなくて、良い試合できれば良いかなと思ってました(笑)。リードする展開も想像してなかったので、プレッシャーはかかってくるし、あと1点決めておきたいという気持ちもあって、テンパったりしました。(笑)

でも前半を0に抑えれば後半に良い入りができると思っていたので、無失点に抑えていこうと。何回か相手の選手と1対1のシーンに持ち込まれて、そのときは「ヤバイ、決められる!」とも思ったんですけど、最後まで不用意に動かず止めることができて良かったです。守備から入って得点につなげるチームなんですけど、それが今日はうまく出たと思います

reported by 藤原裕久

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