長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーレポート】迫る!選手権開幕。創成館高校はいかに全国へ挑むのか!

12月31日、高校サッカー界最大の祭典であり、インターハイが中止となった今年度では唯一の全国大会である『第99回全国高校サッカー選手権』が開幕した。

大会優勝候補の筆頭は、やはり2年ぶりの王座奪還を狙う昨年度準優勝の青森山田(青森)で、対抗馬とされるのが埼玉県代表の昌平高校だろう。このJクラブ内定4選手がいる昌平と同じブロックに初出場の創成館高校は所属する。

創成館初戦の相手は福島県代表で、福島県の絶対王者だった尚志を破り、創部26年で選手権初出場を決めた学法石川。3-4-3のシステムを基本とし、FW倉島聡太をターゲットにしたロングボールと、足下のある佐々木楽人・渡辺航大が幅をいかしたサイド攻撃からクロスを入れる攻撃を得意とする。守備では大津平嗣・円道竣太郎らフィジカルが強く、足下からのフィードもできるCBが手堅いプレーをするのが特徴だ

県大会を無失点で乗り切った創成館DFの要である江崎智哉

創成館としては、選手権県予選全試合でゴールをあげているFW倉島に良い形でボールを入れさせないことが重要で、守備の要である江崎智哉には、冷静な判断と読みが求められる。また学報石川は、相手にボールを持たれると、素早くCBとMFは素早く下がってブロックを組み、1トップ2シャドーが背後からプレスバックして、挟み込んでボールを奪いにくる。そのため挟み込まれる前に素早く前線へフィードすることが必要で、岩﨑雄永には常に相手の背後を狙う準備をしたプレーを期待し、前線の新川翔太へとボールをつなぎたい。

エースナンバー8を背負う岩﨑雄永

サイドでは村田颯と田中翔太が下がって対応することがないように注意することも必要だ。彼らが下がってしまえば、学報石川のサイド攻撃を直撃されることになる。江川脩斗、石橋廉太の両サイドバックとしっかり連携しての対応を期待したい。

最後に・・今大会の創成館には、初めての全国と選手権を心の底から堪能してもらいたいと思う。大会の規模・空気感・全国のレベル・注目度・・。それらは県予選を勝ち抜いた者にしか味わえないものだ。それを経験したくて高校の3年間を捧げながらも、多くの者が手に入れられなかったものなのだ。それを堪能し、全力を尽くすのは、県予選勝者の義務である。

試合の勝敗は勝負の世界では必ず出るものだが、その結果が必ずしも強弱とイコールな訳ではない。だから結局は、勝つか負けるかは常に50パーセントである。だが大会を堪能し全力を尽くすことは、自分たち次第でいくらでもできるのだ。そのことを忘れずに大会に挑んでほしいと心の底から思う。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ