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【第100回全国高校サッカー選手権 長崎県大会】総括レポート~名実ともに区切りを感じさせた第100回大会~

11月14日、10月23日から開幕した『第100回全国高校サッカー選手権大会 長崎県大会』が終了した。大会を制覇したのは長崎総合科学大学付属高校。終わってみれば安定感のある勝ち上がり方で、見事な2年ぶり8回目の優勝だった。

ここ数年、県内の高校サッカー界は波乱の多い戦国期だが、今大会はその中での勢力図がおおまかに見えてきた大会だったと思う。全ての試合を見てきたわけではないが、普段から高校サッカーを取材し、今大会でも1回戦から取材していて感じたのは、依然として圧倒的な実績と存在感を持つ小嶺忠敏監督(長崎総大附属)がその中心に君臨しているものの、その座に肉薄する勢力はより強さを増しつつあるということだ。

そんな中で、今大会を見て感じた特徴は以下の4つ。
・県北勢が着実に勢力を増してきている
・上位チームとそれ以外のチームでの格差が広がりつつある
・長崎総大附属と創成館と国見が3強だった
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響がまだ色濃く残っていた

【県北勢が着実に勢力を増してきている】

県北勢台頭の象徴、佐世保実業

結果的にベスト8以上に1チームも残らなかったが、県新人戦と県高総体でもベスト8に進出した佐世保実業が、3回戦で優勝した長崎総科大付属を徹底したスカウティングで苦しめた。その佐世保実業と2回戦で対戦した九州文化学園も全員2年生のチームながら、非常に良い戦いを見せていた。

短期間で県北ナンバー2に台頭してきた九州文化学園

強化のスタイルや方向性は違うが、どちらも着実に県の上位を狙える力を蓄えててきており、今後は注目すべき勢力だろう。また、昨年に比べて九文の生徒たちのジャッジなどへの対応がスマートで、礼儀正しさを増していた点は記しておきたい。

【上位チームとそれ以外のチームでの格差が広がりつつある】

鎮西学院(緑)は国見を徹底的に追い込んだが・・

大会を1回戦から見た感想として、ハッキリと感じたのは準決勝と、その前までとで明らかに試合の傾向やレベルが変わったことだ。準々決勝の4試合でも明確な力差を感じさせるゲームが多かった。長崎総大附属が長崎南山に4対1、日大が海星に5対1となったのを始め、4対2で諫早商業に勝利した創成館も2失点したのは3点差をつけて、レギュラーを下げてからのことである。唯一、国見対鎮西学院が延長戦までもつれ込んでの1-0というスコアになったが、そこまでもつれこんだのは鎮西学院が守備を優先して、結果にこだわったというのが大きい。

ベスト4に進出した長崎日大ですら総附に完敗した

一方、準決勝以降の4試合は試合のレベルが一段上がった印象を受けた。ある学校の関係者は準決勝以降と準決勝前とで「別の大会を見ているようだ」と語ったが、コロナ禍で十分にチーム作りが難しかったことでより、格差が広がったように感じられたのは事実だろう。

【長崎総大附属と創成館と国見が3強だった】

ハイレベルな戦いを見せた準決勝の国見対創成館

今大会においてはやはり、長崎総大附属・創成館・国見が3強だった。この三校に迫れるのは長崎日大あたりだろうが、その長崎日大ですら選手権準決勝で敗退したあとに亀田陽司監督が「完敗でした。インターハイのときから差が詰まっていない。サッカーの本質、総附のようにシュートで終わる、ゴールで終わるという部分では、ウチは線が細いというか・・骨太じゃなかった」と振り返った。

準決勝では長崎総大附属が力強く日大を下した

もちろん、鎮西や佐実のように長崎総大附属や国見相手に接戦に持ち込んだチームはあったが、それはあくまでも対長崎総大附属用戦術・対国見用戦術とも言える『勝つための戦い方』を徹底したからであって、チーム力という点ではやはり苦しかった。選手の質・選手層・経験においてはやはり長崎総大附属・創成館・国見が頭一つ抜け出していたのは間違いないだろう。

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響】

今年の選手権県大会も準決勝までは無観客で開催された

昨年同様、いや昨年以上にCOVID-19の影響がチーム作りに影響があった年だった。昨年は、県内や地域内のみの大会も、全国大会へつながる対外試合も、一律に開催を制限されたが、今年は全部が制限とはならなかったために、結果として対外試合ができる学校と、できない学校が出てしまう時期があった。

そのために県外の強豪高とトレーニングマッチをおこなう機会がほとんどなかった学校もある。特に上位を狙う学校ほどチーム作りに影響が出たようで「大会前1カ月で対外試合ができる、できないことの影響は大きかった」、「対外試合が自由にできないため、対戦相手はもちろん、自分たちが今どのレベルにあるのかがわかりにくかった」という声も多かった。その差が実際にどの程度あったのかはわからないが、来年はよりコロナ禍の影響がないように祈りたい。

【最後に・・】

以上、簡単に今大会で感じた点を列記してきた。昨年に創成館が選手権に初出場し、今年に入って久しぶりに国見が九州新人戦に優勝。ハード面でも創成館が県内で初めてフルピッチの校庭人工芝生化を行い、九州文化学園も整備の準備中だという。他校でも施設整備を検討しているところがあるなど、長崎高校サッカー界には新しい波が着実に近づいている。この流れは今後も止められはしないだろう。今大会はまさに、新しい波がくる瀬戸際の勝負であり、その中で今年は小嶺監督率いる長崎総大附属が勝利した。だがそれはかつてと違って、絶対的な強者の勝利という図式ではなく混戦の末の結果である。この傾向は今後も続いていくだろうし、後にこの第100回大会は、一つの区切りとなる大会ととらえられのではないだろうか。

reported by 藤原裕久

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