長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーレポート】2021九州PL第16節 V・V長崎U18対トリニータU18レポート~完敗を喫するも、課題と経験と言う名の収穫を得たV・V長崎U-18~

勝てばリーグ残り2試合を残して初のプレミアリーグへのプレーオフ進出を決めるV・ファーレン長崎U-18と、着実に順位をあげたい大分トリニータU-18。両チームは11月20日の『高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州 第16節』で激突し、リーグ終盤に入って調子を上げてきているトリニータU-18が前半に2点を奪い、V・V長崎U-18に勝利した。

立ち上がり、ボールを持って攻めようとするV・V長崎だが、トリニータの激しいプレッシングと切り替えのスピードに苦戦。トップに入った七牟禮蒼杜をターゲットに狙ったボールは精度を欠き、逆に12分、素早い大分U-18の仕掛けから失点を許してしまう。その後もトリニータU-18の前への圧に押されたV・V長崎U-18は、22分にエリア内に侵入した阿部真尋のパスからフリーの生地太陽に追加点を決められ0対2。


前半飲水タイムで、精度の悪い長いボールにこだわらず、サイドを徹底するよう指示を受けたV・V長崎はどうにか立て直していくが、後半に入ってもトリニータU-18のタイトなプレッシャーは衰えず、試合は一進一退のまま。トップチームへの練習参加や代表合宿の影響か中盤で安部大晴が精彩を欠く中、中島聖翔のサイド突破で打開を図ったV・V長崎だったが、最後まで得点することができず、そのまま0対2で敗れてしまった。

「何とも言いようがない試合をしてしまって」
V・V長崎U-18の原田武男監督は、試合後の開口一番にそう切り出した。明らかに内容に不満を感じた証拠だ。

「大事なのはセカンドボールへの対応だという話をしていたんですが、1失点目は完全にボランチのところで戻る意識が足りなかったですね。自分たちのミスも多すぎました。相手の攻守切り替えが早いということも伝えていたんですが、そこの勝負で負けていたと思います」

試合後の原田監督からは次々と課題が指摘された。だが同時に「今日の試合に限っていえば、相手の背後を狙うところも単独ではなくコンビネーションで破ることも考えなければならない」、「フィニッシュやフィニッシュ一つ前の精度やタイミングについては、トレーニングで改善していくしかない」と具体的な対応策や修正策に言及するなど、次の試合へ向けた改善点にできているようだった。

「僕らが目指しているのは、今日よりも難しいところなんだろうし、プレミアリーグのプレーオフも、今日のトリニータのような戦い方をしてくるところも多いと思うんですよ。守ってカウンターというチームもあるでしょうし、そこを打ち破らなければならない」

トリニータU-18戦の最後にそう語った原田監督。奇しくも、この試合から3日後の11月23日、V・V長崎U-18と首位を争っていた神村学園が九州国際大附属高校に敗れたため、リーグ残り2試合を残してV・V長崎U-18の2位以内が確定。クラブ創設以来初となるプレミアリーグプレーオフ出場を決定した。

reported by 藤原裕久

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ