長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーレポート】2022年 長崎県高総体サッカー競技 1・2回戦レポート~波乱の幕開け~

6月3日に開会式を迎えた長崎高校スポーツ夏の祭典、長崎県高総体。サッカー競技も4日から始まった。大会初日の1回戦を振り返ると『波乱』・『予想外』という言葉が浮かんでくる。何しろPK戦とはいえ島原商業・鎮西学院といった強豪が相次いで敗れたのだ。波乱の立役者となったのは長崎明誠と長崎工業。明誠はここ10年以上、新人戦・高総体・選手権で目立った成績はおさめていない。だが島商を相手に1対1でPK戦に持ち込むと5対3で勝利。長崎工業も鎮西学院を相手に1対1からPK戦になだれ込み、24対23という前代未聞の大接戦を制している。島商・鎮西はともにベスト8を狙えるとされていただけに想定外の結果だ。観戦した関係者も「長工はかなり良かった」と評価しており、一躍注目を集める存在となっている。


翌日5日には雨の中でシード校も登場する2回戦が開催されたが、こちらは・・特にかきどまり会場は別の意味で荒れた。かきどまり会場では雨に加えて猛烈な風が吹き荒れたのだ。セットしたボールが転がる、スローインが押し戻される、ベンチのテントが飛んだり、倒れたりといった状態で、ときには大人でも立っていられないほどだった。

国見対瓊浦は3対0で国見が勝利。それでも瓊浦の粘り強さは光った

だが、「こんな中でやったのは初めてです(木藤健太 国見高校監督)」、「今日はもう勝てばそれで良いです(久留貴昭 創成館高校監督)」という中でも、国見・創成館・九州文化はしっかりと勝利。このあたりは実力を感じさせた。

一部主力を欠場させても、佐世保東翔を17対0で退けた創成館

個人的には、対策をしていたにもかかわらず、信じられないほどの強風で雨が叩きつけられた結果、取材用の一眼カメラが故障。残る大会を全て取材しても大赤字が決定という大変な状態となってしまった。おのれ、天候・・という感じである。

あまりの強風でコーナーフラッグポストも倒れる

ここまでの大会を見て、周囲の評判を聞く限り、大会前の予想通り長崎総大附属・国見・創成館・日大への評価は高い。それ以外では、大会初戦となった2回戦を7-0発進した海星、佐世保実業との打ち合いを制した南山、そしてしたたかに勝ち上がる諫早商業、正式な創部3年目ながら強豪校も警戒する九州文化、そして波乱の主役、長崎工業あたりが注目となりそうである。

彼らが激突する今日(6日)の3回戦、明日(7日)の準々決勝では熾烈な戦いが見られそうだ。

reported by 藤原裕久

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