ニイガタフットボールプレス

【レビュー】~プレナスなでしこリーグ1部第6節・ノジマステラ神奈川相模原戦~「勝機をつかむ力」

■プレナスなでしこリーグ1部第6節/〇ノジマステラ神奈川相模原
■キックオフ/5月2日(木・祝)13:00
■場所/新潟市陸上競技場
■入場者数/1,188人
■天候/晴、中、気温19.5℃、湿度35%
■ピッチ/全面良芝、水含み

【メンバー】
[新潟L]4-2-3-1/GK:1平尾、DF:20山谷、16イ・ヒョギョン、6左山、18松原志(73分OUT)、MF:14瀧澤、7園田(90分OUT)、15阪口、11佐伯(83分OUT)、10上尾野辺、FW:17石淵、SUB GK:21高橋、DF:3中村、24北川(73分IN)、MF:5川村(90分IN)、29千野、FW:8大石、26武田(83分IN)、監督:奥山達之

[ノジマ]4-4-2/GK:1久野、DF:16大賀、5國武、4櫻本、17小林、MF:3石田、15松原有、7川島、9中野(60分OUT)、FW:10南野、22大野、SUB GK:21森田、DF:27福住、MF:8田中陽(60分IN)、13北方、FW:17田中萌、監督:野田朱美

[審判]主審:高橋、副審:山田、田中、第4の審判員:小林

【得点】〈新潟L〉上尾野辺(66分)

【サマリー】

■強風に悩まされながらも

ゴールデンウィーク3連戦の第2戦。前節、日テレ・ベレーザに3-2で勝利した勢いをさらに加速させるためにも、今季のカップ戦で逆転負けを喫し、昨年は2戦2敗という悔しさを原明日ためにも、ノジマステラ神奈川相模原戦は、チームにとって非常に重要な一戦だという共通の思いで、チームは試合に臨みました。

新潟市陸上競技場で13時にキックオフされたゲームは、強い風の中での戦いとなりました。前半の新潟Lは風下。立ち上がりから連続して相手CKになるなど、粘り強い戦いが求められました。

パスをつないで前進したいものの、空中にあるボールだけでなく、グラウンダーのボールの軌道も変わってしまう難しい状況で、なかなかリズムをつくることができません。

20分過ぎたころ、自陣でボールをつなぎながら前に運びきれずに失った場面で、それまでベンチからじっと戦況を見詰めていた奥山監督が「萌実を見ろ!」と、1トップの石淵選手の走力を生かそうとする指示を出していたことが、ゲームコントロールが難しい状況を物語っていました。

セカンドボールを思うように拾えず、ノジマステラにボールを保持されて苦労しながらも、一人一人が集中を切らさず、守備も攻撃も全力でプレーすることで、決定機を作らせずに試合は進みます。前半終了間際の相手CKも、GK平尾選手が判断よく出てきてがっちりキャッチ。流れを絶ち切ります。直後、ペナルティエリア左深くにボールを運んだ上尾野辺選手から、ペナルティエリア右サイドでフリーの園田選手にパスがつながります。しかし、利き足の左に持ち替えることなく、右で狙った園田選手のシュートはGK正面。0-0でハーフタイムを迎えました。

■ジャンプ一番、空中で止まった!

後半、風上に立って攻勢を増したいところ、いきなりピンチになります。12分に元日本代表のFW大野選手、さらに16分にはFW南野選手に抜け出されますが、GK平尾選手が冷静なプレーでゴールを守り切ります。

「もともと1対1は得意ではなかったけれど、去年から新潟でシーズンを通して試合に出て、GKコーチの首藤さんの指導もあって、体の向きやシュートコースの消し方を覚えられた」という平尾選手の努力の甲斐もあって、試合の流れはしっかりつなぎとめられたままに。前半はなかなか時間を作れませんでしたが、後半は、右は園田選手、左は佐伯選手が中継点となり、サイドバックやボランチの攻撃参加が活性化。攻めに厚みが出てきます。

そして66分、サイドバックの山谷選手も加わって右で時間を作った園田選手がボールを下げると、ボランチの阪口選手がゴール前に浮き球のパスを送り込みます。「いつも、そのスペースに誰か入ってほしいと思っていて、なかなか使い切れていなかったスペースに、メグさんが入ってきてくれました」という阪口選手のボールは、ファーサイドへ。その直前に「萌実とアイコンタクトができて、うまくニアに相手を引っ張ってもらった」という上尾野辺選手が、ボールに合わせて高々とジャンプします。

風の影響もあったかもしれません。タイミングが少しずれたところ、大げさな表現ではなく、一瞬、オレンジとブルーの10番が空中で止まりました。そして左足でとらえたボールは、相手GKにどうすることもできない完璧な軌道で、ゴールに突き刺さりました。

直後、またもや1対1のピンチも平尾選手がビッグセーブ。奥山監督はケガの癒えた北川選手を交代で今季初めてピッチに送り込み、さらにドリブラーの武田選手、終了間際には川村選手と交代カードを切り、きっちり試合を締めくくりました。

勝機をつかむ力があること、そしてチームの確かな成長を感じながらつかんだ連勝は、実に大きな意味を持ちます。もちろん選手もs監督・スタッフも、すでに4日後の次節、ジェフユナイテッド千葉・市原レディース戦に向かっています。その視線の先には、トップの座がはっきり捉えられています。

reported by 大中祐二

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