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ニイガタフットボールプレス

【Voice of the Pitch】~高木善朗選手インタビュー①~「一つのモデルとしての鹿児島戦」

J1昇格争いに加わるため、8月の戦いは極めて大きな意味を持ちます。攻守でチームをけん引し、変革の中心にいる高木善朗選手が、ピッチの中で感じていること、挑戦していること。今こそ、話をうかがいます。

■特徴を生かせる組み合わせに

――状態が上向きになっている今こそ、チームの中心として攻守にけん引する高木善朗選手に話をうかがいたいと思います。実際、ピッチの中で、どのような変化が起こっていますか。

「個人個人、いい部分が出せています。もともとアルビレックスはもっとやらないといけないチームだし、他のチームが僕たちに持っている印象もそうだと思います。それを考えれば、ようやく普通の状態になってきたかな、と。今、リーグで一番点を取れているというのも、それだけの選手がいるから。やっとチームが機能し始めた印象です。リーグで一番点を取れている攻撃陣の中でプレーすることで、僕自身、自信を持ってやれている。いい相乗効果が生まれています」

――吉永一明監督が就任してチームが機能し始めるまで、ある程度の時間が必要だった。

「それは感じます。言われたことを、いきなり選手たちができるというのは、現実的には難しい。それができるには、相当質の高い選手が揃っていなければならないし、そうであれば、フチさん(片渕浩一郎前監督)から監督が交代するというようなことにもならなかっただろうし。だから、吉永監督が僕たちに求めることができるようになるには、やっぱり時間が掛かりました。

しかも、その過程で勝っていかなきゃならなかった。ここまで思うような結果を出せていないのは事実です。でも、大崩れせずにやれてもいます。4連敗はありましたけど、そこから立ち直れたことは大きいし、吉永監督も選手にいろいろアプローチをしてくれて、それが、やっと形になりつつあると感じています」

――方向性とチームのポテンシャル、結果が一致し始めている、と。

「監督が僕たちに求めることは変わらず、かつ監督もJ2の試合をたくさん見て研究して、“こういうリーグなんだ”というのをつかんできたんだと思います。J2に慣れてきたというのを僕は感じています」

――昨年、東京Vから新潟に加入した当初から、高木選手はJ2にはさまざまなタイプのチームがあって、サッカーにもバリエーションがあるから独特の難しさがあるとおっしゃっていました。

「そういうところを、監督がつかんできたんだと思います。だから選手も伸び伸びと、言われることを信じてプレーで表現できるようになってきました」

――チームの状態がそこまで来るのに、数カ月掛かりました。

「メンバーを入れ替えながらだったし、守備はもちろん、攻撃ではより個々の特徴を生かさないといけない。だから、今までなかったものも含めて、いろいろな組み合わせがありました。その組み合わせの中で選手が相互理解を深めるためにも、どうしても時間が掛かりました。

組み合わせるのは監督ですけど、吉永さんもチームに来て、いきなり全員の特徴をすべて把握できるかといえば、それは難しい。吉永さんがチームを見ながら、ここに来て特徴を生かせる組み合わせ、サッカーになってきたのを感じます」

■鹿児島戦は戦術的に勝利することができた

――今、試合を見ていると、“あ、ここがツボだな”というのがピッチから伝わってくるようになってきました。

「この間の徳島戦(第26節○4-0)にしても、シュート数とかボール支配率とか、数字だけを見たら新潟が4-0で勝つような試合じゃない。だけど、結果は僕たちが4点取って、無失点で勝ちました。徳島戦でたまたまそうなったんじゃなく、琉球戦(第24節4-0)もそうだった。そういうところを、これから安定した強さに変えていきたいです。要所を押さえて勝っていく。それは、すごく大事な要素です」

――ここまで、ターニングポイントになった試合は。

「鹿児島戦(第20節○3-1)ですね。今シーズン、初めて逆転で勝ったあの試合、最初はなかなかうまくいかず、それでも何とか前半で1-1に追いついた。前半、どういうやられ方をしているかは明白で、ハーフタイムに相手の特徴と自分たちの特徴を考慮した上で選手も監督も話し合って、カウンターを出すために一回、下がろうというのを確認して後半に入りました。そういう指示が出て、はまって、逆転勝ちできた。琉球戦も徳島戦もそうでしたが、“鹿児島戦のイメージで”と言えば、“ああ、あの感じか”と伝わる、そういうゲームになりました」

――鹿児島戦のハーフタイムでチームがロッカールームに戻るとき、作戦ボードを持った吉永監督と高木選手が熱心に話しながら引き上げていく様子が印象的でした。高木選手がピッチの中で感じたこととすり合わせながら、戦い方を変えようとしているのだな、と。

「僕が前半プレーしながら感じていたこと、考えていたことは、吉永さんと一緒でしたね。だから、こうした方がいいですよね、そうそう、という感じでした」

――後半は少しブロックを下げたのですか?

「下げたというか、相手を引き込むイメージです。言い方は、いろいろできるんですけど一番は、前にスペースがある方が、僕たちの攻撃は生きる。それから前半は、明らかに僕の背後のスペースを使われていたので、あまりレオ(レオナルド選手)を前に出さずにスペースを埋めよう、と。その結果、前にスペースがある方が、出ていきやすいですし。

鹿児島戦のハーフタイムに、監督が両チームの特徴、個人の特徴を把握した上で戦術的な指示を出してくれて、それがうまくいった。その良いイメージがあるから、そういう戦い方をしようとなったとき、みんなでできる。それが、チームの今です」

――相手を引き込んで、こちらの出ていく力を生かす。相手も、そのうち対応してくるでしょうか?

「なかなか難しいと思いますよ。相手がこちらの得点力を警戒して、攻撃に出てくる人数を減らして守備的なサッカーをしたとしても、その分、こちらは守備が楽になって、攻撃に力を割けるわけだし。それに、僕たちはカウンターやセットプレーからだけ得点しているわけじゃない。徳島戦の3点目は、パスをつないでのゴールですからね」

――ボールを持たされる展開になっても、攻め切ればいい。

「どちらもできるチームになりつつあります。両方しっかり自分たちのものにすれば、そうそう負けないチームになれます」

つづく…次回は今やチーム最大の武器であるセットプレーについて、キッカーに迫ります‼

[プロフィール]たかぎ・よしあき/MF、1992年12月9日生まれ、神奈川県出身。168㎝、66㎏。東京Vユース在籍時の10年、トップデビュー、昇格を果たし、11年、オランダのユトレヒトに移籍。14年に清水に移籍、15年、東京Vに期限付きで復帰、17年完全移籍となる。18年、新潟に完全移籍で加入。昨季の新潟では途中出場で流れを変える役割が多く、リーグ32試合出場0得点、カップ戦4試合出場1得点、天皇杯0試合出場0得点。

text by 大中祐二

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