【春野ノート】「見据えるもの」
■監督の強い口調
1カ月に及ぶ高知キャンプも、あと1週間。チームは今、次の段階に進むために、壁を乗り越えようとしています。
力強く、速いパス、切り替え、球際。基本の落とし込みは完了しました(選手全員が完全に身につけるためには、さらに練習を続けなければなりませんが)。チームづくりは次のステップに入り、守備、そして攻撃のメカニズムづくりが進められています。
今、「理想」と「現状(現実というより)」との間で、たくさんのせめぎ合いが起こっています。それらはすべて、チームとしてより良くなるためのハードルです。
チームは新たな挑戦をしているわけですから、順風満帆、凪(なぎ)の海をゆく船、というわけにはいきません。午前のみとなった今日のトレーニングで、アルベルト監督は、これまでにないほど強い口調で、選手たちに求め続けていました。簡単ではないが、必ず乗り越えて次の段階に進む。指揮官の強い意志とメッセージが伝わってきました。
選手たちの反応もポジティブで、トレーニング中のちょっとした合間や、トレーニングが終わってから、多くの選手が、場合によってはスタッフを交えて話し合い、考えをすり合わせていました。その中に、昨日、2週間ぶりにトレーニングに合流した早川史哉選手の姿もありました。
高知キャンプ初日、右足でクロスを上げた際に太もも内側の筋肉を傷めてしまった史哉選手。その後も1週間、プレーを続けていましたが、先月22日、聖カタリナ大との練習試合途中に自ら交代を申し出て、それからはリハビリの日々でした。
ようやくチームに合流した史哉選手の視線、視界は、すこぶるクリアです。それゆえ今、見据えるのは『開幕スタメン』とは異なるもので、来たるべきときに向かって、最善の準備を始めています。
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