【不屈の季節】~本間勲が語る2012年~ Vol.4「残留で大喜びするのも、どうかとは思う。けれども」
いまこそ、あの1年の激闘をレジェンドが振り返る――。アルビの本質に迫るスペシャルインタビューが始まります。第1弾は、ミスターアルビレックス、本間勲スクールコーチが語る2012年。最後の最後に大逆転してJ1残留を果たしたシーズンを、チームは、どのように戦い抜いたのでしょうか。
■監督退席! そのとき、思ったことは
――第33節仙台戦。17分の得点シーンは鮮烈でした。
「ボランチの三門(雄大、現大宮)が上がっていって、クロスに合わせたのがなぜか左サイドバックのジンス(現全北現代)。あの辺は何か、神がかりじゃないけど、においがしたんでしょうね。三門もジンスも。
もともと三門はチャンスと感じたら出ていく力があったけど、だからといって、あの試合で『どんどん出ていっていいよ』と言われていたわけじゃない。試合前のミーティングで、『ジンスのマークは外し気味だから』といったスカウティングがあったわけでもない。だけど、ふたりとも『これ、チャンスになる』という感覚があったから、あそこまで上がっていったと思うんですよ。それが噛み合ってのゴールでした」
――早い時間に先制したことで、プレッシャーは強まりましたか?
「それはなかったですね。『よし! いける、いける!』という感じでした」
――当然ながら、猛烈に反撃されたじゃないですか。
「うん。けど、『いや、大丈夫。しのげる』という感じでした。その年は失点が少なかったから、攻められてやばい、みたいなのはなかった(総失点34は優勝した広島と並んで、リーグ2番目の少なさ)。よくいえば、攻められることに慣れてたから」
――そこは慣れたくないですね……。
「別に、いつものことだな、くらいで(笑)。最後、やらせなきゃいいんでしょ、みたいな。だから仙台戦も、『やべえ、めっちゃ押し込まれてる』とは、感じていなかったですね」
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