J2で台風の目となるクラブ特集(J論)

ニイガタフットボールプレス

【頼もう、感想戦!feat.小林慶行】~明治安田J2第42節・大宮アルディージャ戦vol.1~「近ごろのヨシユキさん」

ピックアップしたゲームを選りすぐりの論客と語り尽くす、この企画。2020年最終節・大宮アルディージャ戦の感想戦に登場するのは、かつていぶし銀のボランチとして新潟を支えたヨシユキさんこと、小林慶行さん。「戦術的な話ばかりになったけど、大丈夫かな? だけど、俺も指導者を目指して戦っているところを示したかったから」というヨシユキさんのことば通り、あの完敗も戦術的に整理すれば、2021年のチームが成長するためのヒントがたくさん見つかるんです!

■さまざまなチームのキャンプに足を運び

--慶行さん、ごぶさたしております!

「お久しぶりです。よろしくお願いします!」

--最後、チームは本当に苦しい状況に陥って、最終節の大宮戦も慶行さんに語っていただくのが申し訳ない内容になってしまいました……。

「いえいえ、そんなことはないです。シーズンには、いいときも悪いときも必ずありますから」

--その悪いときが、2020年は最後の最後に来てしまったという……。大宮戦についてうかがう前に、慶行さんの近況を聞かせていただけますか?

「今年はS級ライセンスを取りに行っていて、それからDAZNでベガルタ仙台のホームゲームの解説をやっていました。しっかり勉強する1年にしようと考えていたので、開幕前は宮崎に行って、3週間くらいかけていろいろなチームのキャンプを見学したりもしました」

--どのチームのキャンプに足を運ばれたのですか?

「横浜F・マリノスやセレッソ大阪といった、仙台と同じカテゴリーのチームです。気になる2チームでもあるし、彼らのようなプレーがどのようなトレーニングによって生まれるんだろうというところを見たくて。

それから徳島ヴォルティスのトレーニングも。それぞれキャンプ地が近いこともあり、その3チームを中心に見て、戻ってからもまだ新型コロナウイルスが大変な状況になる前だったから、大宮アルディージャや水戸ホーリーホック、そしてアルビレックス新潟のトレーニング見学にも行かせていだたきました。

とても貴重な時間でしたね。自分がチームに所属して現場にいると、他のいろいろなチームのトレーニングは、なかなか見る機会がないですから」

--すごく刺激的で、楽しかったのでは。

「面白かったです。たとえばセレッソのロティーナ監督は、自分たちが仙台で渡邊(晋)さんと一緒にやってきたトレーニングに近いと感じました。

キャンプだから、タイミングもあると思うんですけど。最初と最後では、当然、やることが変わってきますし。

マリノスを見たのは最後の方で、チーム立ち上げの段階ではなく、仕上げのところでした。監督ではなく、ヘッドコーチがずっとトレーニングを仕切るスタイルで、彼らは切り替えのところをすごく大事にしていましたね。だからどんなトレーニングにも、切り替えの要素が必ず入っていた。

徳島は、細かく、具体的にポジションや立ち位置を固めるというよりも、チーム全体として『俺たちは、こういう局面では、こうするよ』といった部分を共有するためのトレーニングでした。チームによっていろいろな特徴があって、面白かったです」

■この1年の過ごし方

--そうした中で、新潟のアルベルト監督のトレーニングはいかがでしたか? リーグが再開される第2節、ヴァンフォーレ甲府戦前のトレーニングを見学されました。

「自分が今まで経験したことのないメニューがあったり、試合前ということで、そこに向けて対戦相手のイメージをみんなが共有できるようなトレーニングが多い印象でした。サイドで5対3をやって、そこから逆サイドにバーンと展開するトレーニングだったり、『自分たちは、こうやって攻撃していくよ』『こういうところに気を付けなきゃいけないよ』という部分について、とても分かりやすい内容で。試合前だからセットプレーの確認もやっていましたね」

--甲府戦にグッと向かって行く内容だったわけですね。

「監督によっては、『対相手』のところをほとんどやらない人もいます。川崎フロンターレや名古屋グランパスを率いた風間(八宏)さんとか。自分たちのことをしっかりやるのが一番の準備だ、という考え方で」

--中断を経て再開したリーグは途方もない過密日程で、今年のJリーグにとって、新型コロナウイルスの影響は本当に大きいものがありました。今年は勉強の1年にすると決めていた慶行さんにとっても、かなりの影響があったのでは。

「いろいろな物事が特殊な形で進みましたね。S級ライセンス取得に向けても集まる機会がなくなり、Zoomでの講義になったり。

だけど、なるようにしかならないですから。この1年は学びの年にしようと考えていたから、現場に足を運べなくなったのは大きかった。実際にトレーニングを見る機会を失ったところは。

でも、いろいろな試合を映像で見ることはできるわけで。そういう部分は常にやれていたし、リーグが再開すると解説の仕事も加わって、自分の好きなことはほぼできないといった状況でしたね」

--S級取得のための勉強と、解説の準備が大変で。

「そうですね。それだけでも十分な試合数を見ることになりました。S級のプレゼンの課題をクリアしつつ、次の試合で解説するための準備ということで、自分が『面白そうだな、見たいな』という試合より、仕事のための試合を見ることに終始したところはあります」

(つづく)

【プロフィール】小林慶行(こばやし・よしゆき)/1978年1月27日生まれ、埼玉県出身。現役時代は攻守で絶妙にバランスを取り、試合を支配する能力に長けたボランチとして活躍。桐蔭学園高校、駒澤大学を経て1999年ヴェルディ川崎(のちの東京ヴェルディ)に加入し、2006年に大宮アルディージャに移籍。09年6月から柏レイソルに期限付き移籍し、10年アルビレックス新潟に加入、12年までプレーした。13年2月に現役引退が発表され、14年6月にベガルタ仙台のコーチに就任。19年シーズン終了後、退団し、今年はJFA公認S級ライセンスの取得を目指した活動と、試合解説の活動を主に行ってきた。

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