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ニイガタフットボールプレス

【頼もう、感想戦!feat.成岡翔】~明治安田J2第26節・相模原戦vol.2~「主導権を握り続けたのは、守備に安定感があったから」

リーグ再開後の初勝利を挙げた第26節・相模原戦を、成岡翔さんと語り尽くします。逆転で勝点3を積み上げたこの試合。戦いの細部にめをこらすと、新潟の攻撃サッカーがさらに進化する予感がどんどん膨らみます!!

■隙を突かれた失点シーン

――相模原戦で際立ったサイド攻撃。それは、新潟が“隙があれば真ん中にパスを通すよ”という姿勢を見せたからこそ、生きたところでもありますね。

「新潟の良さは、真ん中にズバズバ縦パスを通して攻撃を展開していくことです。相模原も中を通されることを警戒していたからこそ、サイドが空いてきたのだと思います。新潟は、相手が真ん中の守備を引き締めてくるのを見た上でサイド攻撃を行っていたはずで、そこが良かったですね」

――サイドで優位に立ち、新潟が良い形で試合に入ったのですが、一瞬の隙を突かれて先制されてしまいました(29分)。

「このゴールシーンは『相模原、あっぱれ』という感じで、新潟からしても防ぐのは難しい失点だったかな、と思います。相模原はボールを奪うと、新潟がブロックを修正するよりも早く、最も危険なところに縦パスを入れてきました。そこから崩され、こぼれ球も拾われて、シュートに至った。相模原に連続して良さを出されたシーンでした」

――最後の藤本淳吾選手のシュート。もう、感服ですよ。

「あの選択をするところが素晴らしい。ズドン! と打ちたいところですが、ボールが足下に入りすぎたのか、ループ自体も詰まり気味でしたけど、あのシュートを打つ選択ができる藤本選手の技術の高さですよね」

――相模原は押し込まれながらも、ボランチの成岡輝瑠選手が挽回するプレーをたびたび見せていて、印象的でした。GKの竹重安希彦選手からボールをピックアップして、そのまま長い距離をドリブルで持ち上がったり。

「この試合を見て、改めて成岡選手はいいプレーをすると感心しました。今の相模原のサッカーにおいて、ポイントとなるプレーヤーです。大中さんが指摘するように、ボールを運ぶところが際立っていましたよね。

相模原は攻撃に入ると両サイドが高い位置を取るので、前線と最終ラインの間が空きがちなんですけど、その間をパスで埋める部分と、ドリブルで運んで距離を縮める部分と、判断良くできていました。よく首を振って味方と敵を見ているから、状況判断がいい。新潟にとっては、なかなか厄介な存在だったと思います」

――どこか柴崎岳選手(レガネス)をほうふつさせるプレーだと感じました。

「うん、そうですね。技術があって、運動量も多いですし。後ろに下がってボールを受けつつ、得点シーンではゴール前に入っていく積極性も見られました。藤枝MYFCとの練習試合でもそうでしたが、タイミングがあるとスーッと前に上がってきて、相手にとって嫌なところに入ってプレーできる。攻守において幅広く動ける選手で、新潟は常に警戒しておかなければならなかったはずです」

――「成岡」という名字は、東海地方には多いのですか?

「僕の生まれ育ったあたりは、そうですね」

――静岡県島田市。

「島田市の中でも、特に実家がある地域には成岡姓が多いんですよ。だから成岡選手もルーツをたどっていったら、どこかで結びつくのかな……と勝手な親近感を抱いています(笑)。試合の中継を見ていても、『成岡、いいですねえ』という解説が聞こえてくると、悪い気はしないです(笑)」

■舞行龍が二度目にガツッと止めてくれた

――サイドで優位に立ち、新潟が押し込む。相模原もただ押し込まれっぱなしではなくて、新潟に少しでも隙があれば反撃しようとチャンスをうかがっている。そういう構図の戦いでした。その中で試合を通して主導権を握り、逆転勝利に持っていくことができました。

「一番は、守備の安定感だと思います。危ないところをしっかりと抑えることができていました。サイドも真ん中もしっかり守備対応できていて、そこからスムーズに攻撃に移っていました。

前半は拮抗(きっこう)したがっぷり四つの展開でしたが、後半は相模原の攻撃に対応しつつ攻撃に移れていました。だから、比較的安心して見ることができた後半でしたね。『これは、ちょっとまずいな』という雰囲気にもならなかったし」

――後半、相模原は平松宗選手やユーリ選手を投入して、反撃の勢いを強めてきました。それもあって、僕は後半の方がドキドキしながら試合を見ていたのですが、翔さんは逆だったんですね。

「入ったばかりのユーリ選手は、ゴール前のガチャガチャしたところでパワフルにプレーされて、『ちょっと嫌だなあ……』というのはありました。藤枝との練習試合でもそうでしたが、相手をなぎ倒していくようなユーリ選手の体の強さは、なかなかのものがありますからね。

舞行龍選手も一度、ユーリ選手に吹っ飛ばされました。でもその後、ユーリ選手をガツッと止めるところを見せてくれたし、逆に変に飛び込まず、的確な間合いを取って守ることもできていて、『舞行龍、よく見てるな。冷静だな』と感じられたことも、見ている安心感につながりました。

最後のFKはちょっと嫌でしたけど。あのシーンが、90分を通して一番、嫌だったかな」

――一番、胸騒ぎがした。

「そう。雰囲気があったんですよ。新潟の選手にも、ラストプレーで追いつかれた大宮戦(第24節△2-2)のアディショナルタイムが浮かんだと思います。『何とか気持ちで乗り越えてくれ!』と見ていました」

――まさにラストプレーは、右サイドにこぼれていったボールに対して舞行龍選手が気持ちを見せて、ものすごい勢いで追いかけていって、相模原の攻撃を食い止めましたよね。

「そうですね。壁が割れることなく、しっかりはじいたし、勝ち切るためにみんな最後まで集中していました」

(つづく)

【プロフィール】成岡翔(なるおか・しょう)/1984年5月31日生まれ、静岡県島田市出身。藤枝東高校から2003年、磐田に加入。11年に福岡に移籍し、13年、完全移籍で新潟に加入した。サイドハーフ、ボランチ、そしてFWでたぐいまれなサッカーセンスを発揮し、新潟で最初のシーズンは全34試合に先発出場。在籍した5シーズンでリーグ戦113試合に出場し、10得点を挙げ、17年にはJ1リーグ通算300試合出場を達成した。18年、J3のSC相模原に移籍。19年、J3の藤枝MYFCに加入し、11月5日に同年シーズンでの現役引退を発表した。今年はサッカースクールSKY(https://www.sky-soccer.net/)での指導が主になる。

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