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ニイガタフットボールプレス

【頼もう!感想戦feat.成岡翔】~明治安田生命J2第15節・東京V戦vol.1~「3-0になったときの胸騒ぎ」

激しい点の取り合いになった第15節・東京V戦。前半と後半でガラッと流れが変わるエキサイティングな攻防の末、しっかり勝ち切ったところに、成岡翔さんはチームの成長を感じ取ります。

■このままでは終わらないだろう

――5連戦の4試合目、金沢戦(第14節〇1-0)では、翔さんが手がけているアパレルブランド、「GTFB」のポップアップストアを出店されました。いかがでしたか?

「いやあ、すごかったです。たくさん来ていただきました。観客が1万7000人入ったということもあって、店にもかなり並んでいただいて。対応が行き届かなくて、本当に申し訳なかったです」

――大盛況だったんですね。

「びっくりしました。『新潟をなめてもらっては困る』と、サポーターの方に言われちゃいました(笑)」

――それはやっぱり、翔さんが久々にビッグスワンに来るわけですから。

「コラボグッズは即完売。まだまだ行列なのに、品物がない、という状況でした。10時開店で、9時過ぎから準備していたんですけど、その間にどんどん並び初めて。会場に行くまでは『売れなかったら、どうしよう…』と不安でしたが、どんどん列が長くなっていくのを見て、『商品、足りないぞ。ヤバいぞ』となりました。実際、コラボグッズは売り切れちゃったので、みなさんからは『再販はないんですか?』と聞かれて」

――再販の予定は?

「アルビの担当の方と相談する予定です。ただ俺ら的には、また次のプロダクトを考えたいな、というのもあって」

――それだけ反響が大きかったのであれば、『今シーズン中にまた』という話になるかもしれないですからね。

「そうなるとうれしいですね。例えば夏明け、寒くなる前のタイミングだと、また面白いグッズを作れそうです」

――金沢戦は見ることができたのですか?

「前半だけ見ました。店番もありましたから。前半と後半で、スタッフが入れ替わりながら」

――実際、今季のチームをスタジアムで見て、いかがでしたか?

「やっぱりいいですよね、うん。確実にチームが良くなってきているのを感じます。金沢戦もそうだったし、今回のヴェルディ戦でもそうですが、ゴール前に入っていくときのパワーがすばらしい。人数をかけることができていて、迫力、スピード感、大胆さがあります」

――松橋力蔵監督はより攻撃的なサッカーを掲げていますが、しっかりピッチに表れている、と。

「そういう印象を受けました」

――それで僕は、持ち前の攻撃力に、ボールを奪いに行く守備をするヴェルディが相手なので、接戦になると思ったんです。だけど前半に3点取って、後半3点取られて、最後に1点もぎ取って、結果、1点差での勝利という展開は予想していませんでした。

「さすがに予想外でしたね。前半の新潟はかなりいい状態で、100点満点くらいの流れで終えたじゃないですか。だけど、あれをずっと90分続けられるチームはなかなかない。前半と後半とでガラッと変わっちゃうことって、けっこうありがちだぞ…と俺は思って見ていました。

新潟が、途中からまずいサッカーをしてしまったというわけではないんです。気の緩みが出たとか、やっていることが変わっちゃったとかじゃない。そういうこととは関係なしに、前半が終了して、いったん試合の流れが切れると、こういうことが起こり得る。ヴェルディも反撃するためにかなり積極的に来たし、いろいろな要素があります。

もちろん、前半のいい流れを継続して最後まで行くのがベストだけど、3-0になったときに、『このまま行かないんじゃないかな』と俺は思ったんです」

■やっぱり質が大事

――あ、前半の段階で。

「この後、ヴェルディにポンポンって決められて、ちょっとバタバタして、苦しむことになるかもしれないな、と。だけど、3点取られるとは思わなかった。新潟が4点目を取るのも予想していませんでしたが。3-3になったとき、『これはきつい。このまま引き分けかな…』という流れだったんですけどね…。

俺も昔、ジュビロでこういう試合を経験しているんですよ」

――相手はどこだったんですか?

「アントラーズです。3-0を追いつかれたのかな?(※)」

(※2004年2ndステージ第5節。先制されながら、前半の内に逆転して4-1とした磐田。しかし後半3点を奪われ、4-4で引き分けた。翔さんは72分から途中出場)

――当時、最も負けたくない相手じゃないですか。

「しかも会場がエコパだったんですよ。俺は途中出場でしたが、前半で大差を付けたし、『今日は勝てる』みたいな空気になっていた。そうしたら後半、ポンポン点を取られて。サッカーって怖いなあ、とつくづく感じました。今回のヴェルディ戦でその試合を思い出して、なおさら『後半、ガラッと流れが変わるかもしれない』というイメージがあったんですよね。

後半は新潟が悪かったというより、ヴェルディの良さが出た。だから、ああいう展開になったと思います。ヴェルディは前半からボールを奪う守備にしっかりチャレンジしていて、新潟に対してアグレッシブに来ていました。しかも0-3になって、なお前からボールを奪いに行く姿勢を失わなかった。それを見て、『あ、これはチームとして一貫した守備のやり方なんだな』と分かると同時に、少し嫌な感じもしたんです。

じゃあ、何で新潟が前半に3点取ったのかというと、それだけ新潟の出来が良かったからです。本当にパーフェクトに近かった。ヴェルディのプレッシャーをギリギリのところでうまくかいくぐりながら、縦パスをいい所に入れて展開したり、サイドに起点を作って攻めることができていました。やっている新潟の選手たちも気持ちよかったと思いますよ。

だけどヴェルディのプレッシャーを回避できないと、セカンドボールも拾われるし、パスも引っ掛けられる。後半のようなことが起こってしまうんです。やっぱりクオリティーが伴わないといけないということが、前後半ではっきり理解できる試合でしたね」

――ヴェルディで注目していたのがDFの馬場晴也選手だったんです。U-21日本代表候補キャンプにも選出されている。

「ああ、スーッとボールを前に運ぶセンターバックですよね」

――クリーンに、ガツガツとタフにボールを奪いに行くところが、何だか元バルサのプジョルがデビューしたてのころを見ているようで、けっこう好感を持っていて。それで前半途中に1列上がって、アンカーの加藤弘堅選手とポジションが入れ替わったじゃないですか。あそこが一つ、ヴェルディが流れを取り戻すきっかけになったんじゃないかな、と。経験のある加藤選手が後ろからサポートする形で、若い馬場選手に伸び伸びとプレーさせて持ち味を発揮させる。さらに後半、ンドカ・ボニフェイス選手を最終ラインに投入して、ボールを奪いに行くところのギアを上げる。信念を貫く戦い方だと映りました。

「おそらく前半、ヴェルディの選手たちはかなりきつかったと思うんです。パワーを持ってボールを奪いに行ってるのに、ぎりぎりのところではがされる。それって本当に苦しいし、『これは取りに行けないな』となりがちなんです。だけど、彼らはずっと続けましたからね。その上、配置を変えたり選手を代えて、やることをいっそう明確にした。それが後半の流れを呼び込みました。勇気がいる守備だし、やり続けるのは本当にきつい。それでも守備を徹底して、しかも“ボールを奪ったら、こう攻める”というところもにクリアでスムーズ。後半のヴェルディはとても良かった」

――後半が始まるとき、一気に4選手交代したのも、これ以上ない反撃のメッセージでした。

「堀孝史監督の強気な部分というか、負けん気が伝わってきました。もちろん試合の流れやチームの状況を見て、冷静に判断された上での4枚替えだったはずです。普段はアルビ目線ですから、相手の、それも監督目線で試合を見ることはあまりないのですが、守備のやり方を変えずに続けたことが、あれだけの後半の変わり方につながっていったところに、とても感銘を受けました。サッカーにおいて、すごく大事なことだと感じましたね」

(つづく)

【プロフィール】成岡翔(なるおか・しょう)/1984年5月31日生まれ、静岡県島田市出身。藤枝東高校から2003年、磐田に加入。11年に福岡に移籍し、13年、完全移籍で新潟に加入した。サイドハーフ、ボランチ、そしてFWでたぐいまれなサッカーセンスを発揮し、新潟で最初のシーズンは全34試合に先発出場。在籍した5シーズンでリーグ戦113試合に出場し、10得点を挙げ、17年にはJ1リーグ通算300試合出場を達成した。18年、J3のSC相模原に移籍。19年、J3の藤枝MYFCに加入し、11月5日に同年シーズンでの現役引退を発表した。今年はサッカースクールSKYでの指導が主になる。

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