【感想戦スペシャル 2022シーズンもまもなく折り返しですね feat.北條聡】~vol.4~「明らかに去年よりも進歩している」
4月初めのメールに『松橋アルビは論点がたくさんあって面白い』と記してあったからには、話をうかがわないわけにはいきません。まもなくシーズンも折り返しというタイミングで、北條聡さんと『2022年ここまでのアルビ』を語り尽くします! 感想戦スペシャル、8回連載でお届けします。
■山形戦の証明
――第17節・横浜FC戦(○3-0)を、北條さんはどうご覧になりました?
「あの試合は、3-0にするまではパーフェクト。ただ、試合後に松橋力蔵監督は『完ぺきとは言えないと思う』というニュアンスのコメントだった。
さらに何を、どう追及したいのかというと、今季の新潟はヴェルディ戦で3-0から追いつかれて痛い目に遭っているよね(第15節○4-3)。それもあって、横浜FC戦は3-0にした時点で『しっかり守備を』という意識が選手たちの中に働いたのかもしれない。
だけど松橋監督が目指すのは、『いや、そこは守りに入るんじゃなくて、自分たちで主導権を握った状態で試合を進めていこうよ』だと思う。それができないと、J1に上がったときに難しいよ、と。
松橋監督がすばらしいのは、J1に上がることが目的じゃなくて、J1に上がって、ずっと戦い続けられるチームを作るという部分がはっきり伝わってくるところなんだ。指揮官に導かれて、今の新潟は志のレベルが、一つ上の段階に行っている。だから、“ただ勝てばいい”とはならないんだよ。
横浜FC戦は、最終的にボールポゼッションが横浜に上回られた。0-3の横浜が反撃に出なきゃいけない状態はあったにせよ、ボールを持たれる時間が長くなってしまったという反省があると思う。だから、第19節の山形戦は横浜FC戦の続きなんだよ」
――なるほど!
「山形戦は3点リードした後の試合運びを見ると、横浜FC戦の課題がしっかり修正されているのが分かる。それがすばらしい」
――途中に水戸戦(第18節○3-0)を挟みつつ、1週間かけて向上していること示したわけですね。
「そう。3点取った後も自分たちでしっかりボールを動かしながら、山形に攻撃するチャンスを与えず、試合を進める。その中で自分たちにチャンスがあれば、4点目を取るぞという試合をできたのは、非常に大きい。
J1でもさ、そういう試合運びをできるチームってなかなか少ないんだよ。以前、中村憲剛さんに聞いたことがあるもん。『何で相手のプレッシャーがまだまだきつい段階で主導権を握るサッカーができるのに、リードを奪って優位に立ってから、続けられないことが起こるんですか?』って。憲剛さんが言うには、川崎の場合はエンジンを最初からかけ過ぎる、ということだった」
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