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野球の底辺拡大に他競技との〝協働〟が必要!?

【コラム】
雪がまったくないオフシーズンとなりました。それでもこの時期は毎週のように、各地域や団体で総会や研修会といった行事が行われています。
長野県青少年野球協議会の地区協議会も活発で、晩秋からこの冬にかけて体験イベント(まつり)やミーティング(研修会)が続いています。
こうした動きをみていますと、各団体(横)と各世代(縦)の縦横の連携がすごく取れてきたと感じます。底辺拡大や普及については、こうした取り組みを地道に続けていくしかないのかと思います。
ネットニュースでも、野球離れがひどい、などの調査記事がよく出ています。そして野球界を挙げて取り組まないと手遅れになる、といった提言がなされています。
私も少年野球からいろいろお邪魔して、その深刻さはもちろん感じています。しかし、これだけ少子化が進む中で、底辺拡大=競技人口増加、という理想を求めるだけでいいのかなとも感じています。
県内では小中高生が1年で1%程度減少しています。つまり10年で10%、1割減っています。10校あれば1校、不要になります。この状況で競技人口を増やしていくのは大変なことです。
ただ、底辺拡大を目指して取り組まなければ、減少傾向に歯止めすらかけられないと思います。そうした取り組みはこれまで同様に行うとして、減っていく競技人口を前提にした体制づくりも、タブーとせずに覚悟を持って進めないといけない段階まで来ている気がします。
ばらばらだった野球界は、それでも少しずつ一本化してきました。そこで次のキーワードは他競技との協働になるのではないでしょうか?
この少子化の中、ほかの多くの競技もその人口が減っています。もともと分母の小さい卓球やバドミントンで増加に転じたデータもありますが、それはごく一部の競技です。そしてどの競技も東京五輪を契機に、普及、底辺拡大を図ってきます。
こうした状況で野球だけが増えることは考えにくいですし、多くの競技が増えることも難しいのではないでしょうか(五輪特需で一時期は増えるかもしれませんが)。
そうなると複数の競技に取り組める態勢をつくっていかないと、共倒れ、なんてことも起こりえるかもしれません。特に10歳ぐらいまでは、ぜひいろんな競技に親しんでほしいところです。
もちろん野球はやってほしいですが、とにかく体を動かすこと、スポーツが好きな子を増やさないと、日本のスポーツ界の先がありません。
野球界とほかの競技団体が手を組んで何かできるといいですが、組織と組織となるとなかなかすぐには動けません。
そこで例えばですが、ある高校を拠点に、今週末は野球、来週末はバスケ、その次はバドミントンと、小さい子どもたちを対象にしたミニ教室のようなものを開くなんてどうでしょうか。北信野球の日などで高校生に遊んでもらった小さな子のうれしそうな表情は、ほかの競技だって同じはず。各競技の顧問の先生と部員にひと肌脱いでもらい、「あそこに行くと毎週末、高校生と体を動かせる」って拠点になると面白いと思うんですが。(なお、働き方改革のことはここでは一切考えていません)
それで参加した子どもが、将来的に野球を始めた、バスケを始めた、などとつながっていけば、それはそれでいいのかと思います。
野球チーム内でも、特に低学年選手を対象にほかの競技に親しむ機会を増やしてほしいです。これについてはまた別の機会にお話しできればと思います。

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