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【編集部コラム】夏の甲子園は中止なのか

「夏の甲子園中止へ」

ショッキングなニュースが流れました。20日の高野連の正式発表前ではありますが、いろいろなマスコミが後追いで伝えているところを考えると裏を取っての報道とみていいのでしょう。

20日の運営委員会前のすっぱ抜きへの批判はあるかもしれませんが、正式な発表で開催しても中止にしても批判は出ます。まして非常事態宣言が解除され、感染者数が着実に減少していましたので、開催への期待はより膨らんでいたタイミングでした。ただ今回の決定がどうあれ、誰も正解が分かりません。

そして、できるなら誰もが甲子園でやらせてあげたいと思います。「選手を第一に考えて」(=開催)などの声ももちろん強く、その矛先は主催の高野連に向けられますが、大人の事情や保身といったことだけで中止にする、という論拠を私は持ち合わせていません。

確かに何も正式に決まったわけではありませんが、この状況でいたずらに選手たちに可能性をにおわせるのも、ちょっと無責任とも感じます。これまで通り淡々と夏に備えるしかありません。

この報道が、〝世紀の大誤報〟であって甲子園の開催が決まれば、その条件に沿って準備していけばいいと思います(選手たちは、切れたであろう気持ちをリセットしないといけませんが)。

やはり問題は中止になったとき、各都道府県で地区大会を開くかどうかです。長野県は甲子園の開催可否に関わらず、準備をしているようです。無観客にするか、制限付きで入場を認めるか。選手の移動はどうするか、などなど。通常の暑さ、けが対策に加え、感染予防という前例のない対策が求められます。

仮りに甲子園が中止になり長野大会が開かれる場合、予定通り第102回全国高等学校選手権長野大会となるのでしょうか。102回の本大会(甲子園)がないのに、地方だけ回数のカウントを重ねていいものか?

つまりこの場合の地方大会は、全国大会(甲子園)こそありませんが、記録として優勝回数もカウントされる大会なのか、はたまた3年生の部活動にけじめをつける、いわゆる「サヨナラ(引退)ゲーム」の色合いが強いものになるのか。

それによっては、ベンチ入りメンバーや起用法が大きく変わってくると思います。「引退試合なら、うちはいいかな」とこぼす指導者もいました。私もできるなら、双方持っているものを出し尽くす戦いを見たいです。

ただ、その判断は各校に委ねられるものだと思いますが。

 

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